令和3年度関西六大学連盟春季リーグ第2節◇対同大2回戦◇3月26日◇わかさスタジアム京都◇
同大000 000 400=4
関大000 050 00Ⅹ=5
(関)森田、西尾、山本、佐々木、稲葉―谷村
(同)濵、東山―新居
1(中)吉田
2(遊)東條
3(三)今井
4(指)鈴木
5(一)西本
6(捕)谷村
7(右)東原
8(左)諸木
9(二)小玉
リーグ制覇のためにはもう負けは許されない関大。この大一番の先発に、リーグ初登板となる森田大樹(情2)を起用した。4回を投げ切り無失点で抑えると、5回では諸木大高(社2)のヒットを受けた相手投手が四球を連発。そのチャンスを西本有希(情2)と谷村駿也(人2)が見逃さず、連続適時打で一挙に5得点を挙げた。その後は1点差まで詰め寄られるも、西尾龍人(情2)をはじめとした継投でしのぎ切る。強敵を相手に見事接戦を制した。

1回には今井玲央(人2)が初球をとらえ、二塁打を放つ。続く鈴木成大(安全3)と西本が四球を選び、満塁のチャンスが訪れるも、無失点に終わる。その後は、四球で進塁となるものの、安打を放つことができず、得点には至れない。



初の先発出場となった森田は、ヒットこそ打たれるも、安定した投球でホームベースを踏ませない。「初登板だったので緊張気味だった。だけど、周りが声をかけてくれた」。味方の声を力に変え、リーグ初登板とは思えない内容のピッチングを見せつけた。


そして5回、一気に戦況が動き出す。先頭打者の諸木が中前にヒットを放つと、小玉一輝(商2)が送り、関大のチャンスに。すると、3者連続の四球で押し出しとなり、先制点を獲得。依然関大のチャンスとなり、ここで見せたのが西本だ。右前への2点適時二塁打を放ち、点差を一気に広げる。そして、続く谷村も左前への安打を放ち、追加点を獲得。合計5得点となる、ビックイニングとなった。






このままの流れでいきたかったが、同大も黙ってはいない。迎えた7回、西尾が先頭打者を投ゴロに仕留めるも、続く打者に四球を与える。すると、そこから2連続でヒットを許し、失点。一死一、二塁の場面でマウンドを任されたのは山本倖輝(安全1)。苦しい場面で、アウトを一つ取ったものの、2本の安打から2失点。四球も重なり、満塁で佐々木新(法3)につなぐ。佐々木は、初めの打者に四球を与え、押し出しとなるも、なんとか2人目を左飛で抑える。この回で4失点となり、1点差まで追いつかれた。



そして8回、先頭打者には四球を与えるが、三振や、遊撃の守備に入った今井の好プレーで2死となる。だが、続く打者に2者連続で四死球を与えてしまい、満塁に。そしてこの場面で登板したのは稲葉匠吾(情3)だ。プレッシャーのかかる場面だが、2球目を一ゴロに仕留めた。「最後の学年で、下の代に任せてばかりだったのでマウンドに上がったら絶対に抑えようと思っていた」。最上級生の意地を見せつけた。

迎えた9回。無失点で抑えれば関大の勝利が決まる。そしてここでも稲葉の好投は続いた。先頭打者に安打こそ許したものの、後続を3人で絶ち、試合終了。継投策が上手くはまった勝利だった。

強敵の私立高を相手に4戦2勝。すべて2回戦での勝利だ。ここぞという場面で勝負強さを見せつけた関大。次戦の相手は阪大だ。「秋も負けていて、相手の雰囲気に呑まれてしまう悪い癖はある。そこをなくして、今日みたいに最初から点数を取って勝ちにいきたい」と東條光希主将(安全3)。勢いそのままに悲願のリーグ制覇への道を駆け上がる。【文:宮本晃希/写真:宮本晃希・荒川拓輝・小西菜夕】
▼東條主将
「今日の試合は総力戦になったんですけど、ピッチャーも粘り強く投げてくれたし、野手もエラーもなくよく戦ってくれたと思う。(ピンチの場面での声掛けは)ピンチになったからといって、委縮したら呑まれると思うんで、ストライクを入れて楽しんでいこうと、打ち取っていこうと声掛けをした。こういう1点差の試合を全員で勝てたのは大きいし、また次の試合からも継続していきたい。森田が、起用する側からしても初先発ということもあり、不安はあった。でも、しっかり予想を上回るぐらいの仕事を果たしてくれたんで、そこもよかった。満塁で出した稲葉も、あそこで(投手を)変える変えないは自分が責任を取るという感じで稲葉に変えたんですけど、あそこで稲葉を信頼して、抑えてくれたのはチームとしても大きかった。こういうあまり出場していない選手たちもこうやって活躍している中で、今ずっと出ている選手達にも刺激になると思う。投手陣は少ないんで、こういう試合になっていくと思うんですけど、これからも全員で戦っていきたい。次は阪大戦で、秋も負けていて、相手の雰囲気に呑まれてしまう悪い癖はある。そこをなくして、今日みたいに最初から点数を取って勝ちにいきたい」
▼森田
「エース級のピッチャーがみんな離脱している中で、初登板だったので緊張気味だった。だけど、周りが声をかけてくれた。今日の勝因は、野手の守備がよかったのと、谷村がよかったのと、あとは運がよかったと思う。昨日のミーティングの時点で、打たせて取ると話していて、ほとんど真ん中に投げていたんですけど、相手が打ち損じてくれた。4回を投げ切れて、継投策もうまくいった。そのあたりがよかった。(初登板について)昨日は2時まで寝られなかったけど、3試合目ということもあって助かった。(自分の投球でよかったところは)谷村の配球通りに投げられたこと。あとは、谷村の配球自体もよかったし、バックの守備もよかった。(良くしていきたいところは)ないものねだりだけど、速い球を投げたい。今日投げたピッチングは120㌔前後で、中学生みたいな球なんですけど、相手チームはまっすぐで130㌔を超えてきたりしたので、憧れではある。この先あと1年あるので、近づけるようにしたい。次からも、とりあえず試合を壊さないように頑張る」
▼稲葉
「(試合を終えて)0で抑えられて、勝ちに貢献できて良かった。(どんな気持ちでマウンドにあがったか)最後の学年で、下の代に任せてばかりだったのでマウンドに上がったら絶対に抑えようと思っていた。(ピンチでしたがどんな心持ちで投げたか)2アウトであと1人抑えるだけだったので、向こうも焦っていると考えて、ストライクを投げることを意識した。(最終回、アウト取るたびにチームが盛り上がっていましたが)0で抑えたらもっと喜んでくれると思ったので、絶対に0で抑えようと思っていた。(今後に向けて)防御率0.00で終えることを目標にしているので、また投げる機会があったら絶対に抑えていこうと思う」
▼西本
「(試合を終えて)昨日負けて、絶対に勝たないといけない展開で、5点を取って終盤追いつかれそうになったけど、最終的に勝てたのは良かったです。(5回裏の適時二塁打について)インコースの球を打って、取られるかなと思ったけど落ちて、助かったと思いました。(一塁手で初めて守備についたことについて)いつもは指名打者で鈴木さんの代わりで出ていたけど、不調の福山が同じ学年なので、僕がなんとかカバーして、元気を出していこうと思いました。(今後に向けて)もう負けられない試合が続くので、一戦一戦大切にして頑張っていきたいと思います」
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