◇2025年度関西学生女子春季リーグ第１節◇対帝院大◇５月４日◇帝塚山学院大学泉ケ丘キャンパス

【前半】関大１－２帝院大
【後半】関大０－３帝院大
【試合終了】関大１－５帝院大

スターティングメンバー
ＧＫ 勢古
ＤＦ 徳弘、風間、岩川、岡村
ＭＦ 塩見、吉田り、吉田遙、山本ノ
ＦＷ 山口、宮本美

昨年の秋季リーグで２部全勝優勝を達成し、今シーズンの開幕を１部で迎えた関大なでしこ。試合は前半11分にルーキー・岡村まどか（政策１）のクロスがそのままゴールへ。幸先良いスタートを切ったが、昨年度１部覇者である帝院大の早い攻撃に対応しきれず。５点を奪われ、25年シーズンは黒星スタートとなった。

徳弘海羽主将（みはね＝人４）率いる関大なでしこ。開幕戦は、ディフェンディングチャンピオンの帝院大と相まみえた。復帰したＦＷ山口紗弥（人４）やルーキー５人をスタートで起用。昨年度の最終戦から大きくメンバーを変えて挑んだ。

試合開始直後、ＤＦ徳弘主将のアーリークロスにＦＷ山口が頭で合わせ、相手ゴールを脅かす。さらに同11分、左サイドでＭＦ山本ノア（人１）がパスを受けると、オーバーラップするＤＦ岡村へ。縦へ勝負し左足でクロスを上げると、ボールはそのままゴールへ吸い込まれた。「クロスがそのまま入った」と、狙いではなかったが昨秋の王者から先制ゴールを奪取する。

しかしここから帝院大が怒涛（どとう）の攻撃。最終ラインから、少ないパス数で関大ＤＦ陣の背後を狙う。それでも、「自分が前に出すぎると裏がやられる。そこの駆け引きを意識した」と、ＤＦ岡村はマッチアップした相手に大きな仕事をさせず。さらに同24分、29分とＧＫ勢古亜実（人４）が観衆がどよめくビックセーブをみせた。しかし同34分、左サイドからの柔らかいクロスに対し、ＧＫ勢古が処理を誤る。中央で相手選手に押し込まれ同点に。さらに３分後には、相手サイドバックからの背後へのロングパスに反応される。対応したＤＦ岩川雛（政策２）は１対１を止めることができず、見事な個人技からネット上に強烈なシュートを突き刺された。関大は逆転され、前半を１点ビハインドで折り返す。

後半は立ち上がりから相手のペースに。ＭＦ山本ノとＤＦ岡村がポジションを変えるなど試行錯誤するも、うまくボールはつながらず。相手にサイドから何度もクロスを入れられると、後半６分、14分と連続で失点。3点のリードを奪われた。さらにＤＦ徳弘主将が左足を痛め、無念の交代。チームに暗雲が立ち込める。

反撃したい関大は同23分、途中出場のＭＦ植田真央（情２）とＤＦ小野明日香（情１）が右サイドを駆け抜ける。ＤＦ小野のクロスは直接ゴールへ向かうが、惜しくもクロスバーに直撃。得点を奪うことはできなかった。その後はなかなか前線へボールを送れず。試合終盤にはコーナーキックを頭で合わせられ５失点目。先制点を奪ったものの、５失点を喫し開幕戦は黒星となった。

４つの失点がサイドからのボールだった今節。１試合を通し、ＤＦ岡村は「クロスを上げられるからこそ、中で失点するシーンがある」と話した。ＤＦ岡村を含め、１部のスピードを初めて味わった選手が多い関大なでしこ。「次は勝てるように頑張りたい」と前を向いた。短い期間でどれだけ修正し、強敵相手に立ち向かえるかが今後の鍵となる。【文／写真：上田峻輔】

▼ＤＦ岡村
「（開幕戦に向けて取り組んだこと）１部相手ということで、練習でも試合でもスピードを含めて個人で負けないというところと、最後まで粘り切るというところを意識した。（ゴールについて）あれはクロス（笑）中を狙ったら入った。（縦ラインを組んだＭＦ山本ノとの相性は）良かったと思う。やりやすかったけれど、より合わせていけたらもっと強くなれると思う。（相手はＤＦ岡村の背後を中心に狙ってきた）自分が前に出過ぎると裏がやられるので。そこの駆け引きをしっかり意識した。（後半は意図的にＭＦ山本ノとポジションを変えたのか）『変わって』と、ベンチから指示があった。（クロスから失点が多かった。そこの課題は）クロスを上げられるから、中で失点するというのがある。まず簡単にクロス上げさせない練習をするのと、上げられた時も流れでマークを取る。そういう所をちゃんと意識して練習していきたい。（次節に向けて）今回は負けてしまった。次の相手も強いと思うが、気持ちを切り替えて次節は勝てるように頑張っていきたい」