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◇第58回全国社会人選手権大会準々決勝◇対FC延岡AGATA◇10月17日◇志布志しおかぜ公園多目的広場C◇

【前半】関大FC20080-2FC延岡AGATA
【後半】関大FC20082-2FC延岡AGATA
【試合終了】関大FC20082-4FC延岡AGATA

▼スターティングメンバー
GK 吉岡
DF 黒田、下雅意、宮武、槙山
MF 山中、加藤、富田、衣川
FW 糸井、宮尾

▼得点
22分 失点
24分 失点
54分 失点
55分 失点
68分 DF槙山(FW宮尾)
80+3分 FW宮尾(DF槙山)

大会3日目の準々決勝では、地元・九州2位のFC延岡AGATAと対戦した。ここまで2試合を無失点で勝ち上がり、余力のある相手に前半からペースを握られ苦しい展開に。20分台に2点を先制されたものの、前半戦終盤からペースをつかみ出す。その勢いのまま1点差に詰め寄りたいところだったが、後半20分台に再び同じ選手のゴールで2連続失点。大阪から保護者や部員など多くの応援も駆けつける中、試合終盤に猛攻を見せたものの反撃は2点まで。全国社会人選手権(全社)での挑戦はベスト8で幕を閉じたが、初戦敗退が続いていたチームの過去最高成績を更新。強敵相手に濃い内容のゲームを展開し、全国の舞台でも関大の力が通用することを証明した。

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ベスト4進出、そして九州1部に所属する相手にとっては地域CL進出をかけた大一番。お互いに硬い入りとなったが、先に大きなチャンスを作ったのは関大FC2008(FC)。MF山中亮弥(文2)が中盤でパスカットに成功すると、FW宮尾浩幸(情4)が中央をドリブル突破。DF黒田翔太(社3)のクロスに、ファーサイドで手を挙げていたMF加藤優太(安全4)が走り込むが、ゴールギリギリのところでクリアされてしまう。前半11分にはMF加藤、DF槙山佳佑(政策4)、FW糸井岬(安全4)と長いパスがうまくつながりスピード感のある攻撃。MF山中が中に仕掛け、フリーのDF槙山にマイナスのクロスを供給する。エリア外から力強いシュートを放ったものの枠を捉えきれなかった。

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△MF山中
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△DF黒田
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△MF富田修成(経3)

五分五分の試合展開を見せていたが、次第に相手にボールを握られる時間が多くなる。DF宮武隼人(社3)やMF衣川智裕(情2)が好プレーを見せ無失点にしのぐ。だが、先に試合を動かしたのは相手だった。ゴールキックを中盤で奪われると、ミスも絡み相手のスルーパスが通り先制を許す。さらに、その直後にも相手のテンポのあるビルドアップから中央にスルーパスを通され失点。DFが手薄くなった場面で同じ形で連続で決められ、痛い展開となった。

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△DF宮武
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△MF衣川
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△GK吉岡凛太郎(政策3)

勢いづく相手に度々チャンスをつくられたが、体をはってそれ以上の得点はさせない。前半戦終盤には再び関大がボールを持てる時間が増えるが、なかなかシュートにはいけず。38分にはゴール前でうまくつなぎ、FW宮尾がシュートを放ったが相手GKの好セーブに防がれてしまう。アディショナルタイムにはDF黒田の仕掛けからCKを獲得する場面もあったが、得点に変えることはできない。相手に決定力の違いを見せつけられ、0ー2と無得点のまま前半の40分を終えた。

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△応援に駆けつけた部員
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雨足が強まる中で迎えた後半戦。MF衣川がいきなり仕掛けてクロスを上げたが、ここも相手GKに防がれる。さらに、DF宮武がラインを押し上げるとDF槙山のロングボールからFW糸井が1人で速攻をしかけたものの、相手GK正面。左サイドを崩される場面もあったが、槙山が体を投げ出しクリア。このままの勢いで点差を詰めたい関大FCだったが、高い位置でFKを与えるとセカンドボールをワンタッチで決められ3失点目。直後にも中盤でボールを奪われるとDFをかわされ4点目。同じ相手に4得点を許した。

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△FW糸井
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△DF下雅意

試合時間残り25分。FCは交代選手も使いながら猛攻を仕掛ける。まずは交代で入ったMF津島龍之介(文4)がドリブルで中央を突破。外にフリーでいたMF大渕颯太(法1)がクロスを上げるが、うまくあわない。そして18分。後方からボールをていねいにつなぐと、MF加藤のボールに抜け出したFW宮尾がドリブルで前進。後ろから走り込んだDF槙山がゴールネット左隅に決め、なんとか1点を返した。

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△MF芝元今日平(社4)
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△MF津島
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△MF加藤
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△DF槙山

ここからは関大の反撃が続く。キャプテン・DF槙山を中心に積極的な攻撃を見せ、30分にはDF槙山のクロスからFW宮尾がヘディングシュート。36分にはMF大渕が自陣深くでボールを奪うと、粘り強くつないで攻め上がり最後は再びMF大渕がフリーでシュート。相手GKがはじきCKを獲得したものの、すぐにクリアされてしまう。それでもDFラインがいちはやくボールを回収して攻撃に変え、ほとんど相手にボールを持たせない。40+3分には相手GKとの競り合いからCKを獲得すると、DF槙山のボールにFW宮尾がニアで合わせこのコンビで2点目。最後の最後に意地を見せたが、これが実質ラストプレーとなり試合終了。連続失点から巻き返し、試合終盤にかけて猛攻を見せたが2点ビハインドで時間切れとなった。

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△FW片岡慎太郎(社4)
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△MF大渕
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△FW宮尾

2ー4の大量失点で敗れたものの、全社3位の相手にもビルドアップの部分などで通用する部分も多くあり、決して悲観する内容ではなかった。なにより、濃い内容で全社ベスト8まで勝ち上がり、これまでにない成績を残したことは胸を張れる。チームの目標である日本一はTOPのインカレに託すことになったが、関西社会人リーグはあと2試合。2位で1部昇格圏内の関大は、23日の3位・St.Andrew’s FCとの直接対決で引き分け以上で昇格が決まる状況だ。そして最終節は関大のOBチームである関大クラブ2010との試合が控えている。全社での大きな収穫を生かし、FCとしてのラスト2ゲームを勝利で飾る。【文/写真:牧野文音】

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▼後藤亮太監督
「16年、19年以来の大会で、両方とも初戦敗退になっていた。その面でいうと、ここで、全国で2つ勝てたというのはすごく大きな価値ある大会だったと思う。歴史を作ってくれたと思うし、やれるんや、格上の相手でもやれる、戦えるというところは見せられた。いい経験ができたと思う。(今日の準々決勝を振り返って)相手も、これを勝てば地域CLに出れるという中で、勝ちへのこだわり、蹴念が相手にはあった。うちが低かったかといったら、そうではなくて五分五分くらいだったけど、でもFWの11番の選手が今日はいい働きをしていた。うちとしては、あれを修正できなかったのが悔しい部分ではある。(前半も後半も連続失点となったが)正直あの1発だけかなと思っていた。はがして、はがしてというのはできていたので、そこを抑えることができたらこっちにも分はあったかなと思う。ビルドアップのところはうまいことできていたので、悔やまれる失点ではあった。阪南とのリーグ戦でもそうだし、決めるところで決める力がまだまだないんだなと思う。それがあれば勝ちにいけると思うので、決め切る力がまだ課題。(リーグ戦に向けて)まずは桃山に勝って1部昇格を決める。残り2試合、1つはOBとの試合にもなるので、そこは全力で戦ってもらいたい」

▼DF槙山
「最高のチームやったなと思う。結果が出る、出えへんにしろ、すごくいいチームやなと。試合中はもちろんだけど、ベンチから声だしたり、出てきた人がすぐに試合に張ってきたりとか、最後まで体張るとか、最後まで諦めないとか、すごくそういうところが監督を通してチーム全員ができていたところを見て、みんなで頑張ろうと思えた。ピッチ外のところでいえば、他のチームメートが来てくれたり、あとはホテルの人だったり、いろいろサポートをしてくれたのをひしひしと感じていて、すごくそのサポートがお世辞ではなくて、ほんまにみんなこの試合のためにやってくれてるなというのを感じて、いいチームやなと思った。(部員が応援にきていた)緊張しました、逆に。いいところ見せないとなとみんな思ったと思う。疲労もあって、でもやらないといけない中で、最初は硬くなったり、なかなか決めれなかったのは申し訳なかった。でも、きてくれたのはうれしかった。最後まで俺は結構元気だったので、いち個人としてもすごく力になった。(試合を振り返って)悔しいけど、楽しかったです。みんな口をそろえて4回生を全国へ連れていこうとか、全国で活躍させてあげようとか言ってくれた。そう言ってもらえたチームの中で、入りはあんまりよくなかったけど、個人としては点を決められたり、アシストをできたのは、みんながすごく頑張っていたから、自分も頑張ろうと思えた。めっちゃミスもしたけど、走って取り返したろとか、小学生からの積み重ねというか、そういうのがすごく、今出たなと思う。サッカー人生最後ではないけど、サッカー人生の終盤にかけてすごく悔いのない試合にできた。(プレーでは)相手の11番に4点決められた。身体能力の高い選手というのは、社会人とやっている中であんまりなかったけど、それに対して修正できなかったというのがディフェンスラインの結構大きい敗因。その選手を声かけて守れたり、GKと通じて守れたりとか、そういう部分ができたら全国でももっとやれたなと思う。そこが反省点。(得点シーンは)正直、前半から点をきめたくて、めちゃくちゃ。でも、自我を抑えて、FW宮尾にパスを出したりしていたけど、ゴール前とかで。でも決められなくて。ほんまにあそこまでチャンスきたら振り抜いたろ思って、なんも考えずに振り抜いたらニアすり抜けていって、すごいなんやろう、魂でした。(キャプテンとしては)1つ言えるのは、申し訳ないというところ。僕、関大らしくない選手かなと思っていて。プレーの体を張るとかは関大らしいかもしれないけど、熱くなっちゃって、味方と言い合いになったりとか、相手小競り合いしたりとか、熱くなるがゆえの悪いところが少しでたなと思う。そこがキャプテンとしてまだまだ足りないところだし、みんなキャプテンのためにとか、キャプテンがやっているからとか言ってくれていたけど、全然逆で、みんなやってくれているから、ちゃんとやらんと示しつかんなという方が強くて。みんな泣いていたけど、なかなか泣けへんなと思った。ずっと助かっていた。今シーズンは全然1人ではできなかった。みんな、岬(FW糸井)、DF黒田とかが俺がけがの間にやってくれたりとか、ミーティングで話してくれたりとか、ほんまに1人ではなにもできなかったシーズンで、確かに点を一番取れたとか、アシストできたとかはもちろんあるけど、けどそれ以上のメンタリティのところの部分は助けてもらってばっかりで、今日もそうやし、キャプテンとしてはほんまにみんなに感謝しかない。(リーグは残り2試合)長くてもあと2カ月半。2カ月半って、めっちゃ少ない。10週間しかない。練習週6日だとしたら、60日しかない。18年間サッカーしてきて、60日なんてあっというま。最後の2試合は気合を入れて頑張って、まずは1部昇格。いいキャプテンで辞めたいと思う」

▼MF加藤
「1年生のころにスタートで全社出させてもらって、1回戦負けでめちゃくちゃ悔しくて。1回生の時は初戦で優勝候補と当たって、自分がチームの仕事をミスして4回生を引退させてしまった。4回生でまた帰ってこれて、この大会にかける思いは人一倍あった。その中でチームのみんなのおかげで2勝できたのはほんまにうれしかった。優勝したかったけど、それは自分たちの力不足でかなわなかったので、今からのリーグで頑張りたい。(全社ではベスト8進出)めっちゃうれしいのが正直なところ。チームのみんなが頑張ってくれたので、自分も4回生として引っ張っていこうと思って頑張れた。(今日の試合を振り返って)連戦なのでターンオーバーでメンバーを組み替えて、スタートのメンバーがいないなかで、最初は自分たちのサッカーができず流れを持っていかれた。後半は自分たちのサッカーができて、2点取れたのは良かった。ちょっと肩の力が抜けて、やるしかない。関大らしさは最後まで諦めずに向かうところだと自分は思っているので、最後までどんなことがあっても勝ちにいこうと思ったら肩の力が抜けた。(3年前に全社に出ていたメンバーも応援に来ていたが)めっちゃ最高の仲間だと思う。自分と一緒にミスしたり、負けたので熱いものがあったんだと思う。(リーグ戦に向けて)この全社で成長した部分というのが自分の中でめちゃくちゃあると思う。個人としても成長したし、チームとしても全員で守って、全員で攻めるという関大らしさがより高まったと思うので、リーグ戦も勝って昇格したい」

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