◇2025年度関西学生春季トーナメント9日目◇決勝◇6月2日◇モリタテニスセンターうつぼ
[男子シングルス決勝]
○岩本2(6-3,6-(10)7,6-4)1堤(関大)
●堤1(3-6,7-6(10),4-6)2岩本(関大)
[男子ダブルス決勝]
○堤・岩本2(4-6,6-3,10-8)1桃山・蔡(近大)
[女子シングルス決勝]
○髙山2(6-0,6-3)0中島(関大)
●中島0(0-6,3-6)2髙山(関大)
[女子シングルス決勝]
○髙山・中島2(6-1,6-4)0石川・上林(姫大)
シングルスは男女共に関大対決に。熱戦を制し、女子は髙山揺(ゆら=商2)が優勝。男子は岩本晋之介(商4)が3連覇を果たした。また、髙山は中島莉良(文1)と組んだ女子ダブルスで、岩本は堤隆貴(社4)と組んだ男子ダブルスでも関西の頂点に立つ。インカレに向け、手応えを感じる大会となった。

[男子シングルス]
岩本のサーブで試合開始。2ゲーム目までは互いにキープしたものの、3ゲーム目からは岩本がサーブとストロークで得点を重ね、3ゲームを連取する。堤も負けじと回転量の多いサーブでミスを誘い、ポイントを奪取。6ゲーム目を堤がキープしたものの、その後流れは再び岩本に。積極的に前に出る攻めたプレーも見せ、ゲームカウント6-3で岩本がセットを先取する。
続く第2セットは、岩本のブレークで開幕。序盤から拮抗(きっこう)し、試合は7ポイント先取のタイブレークに突入する。粘り強くラリーをし、岩本が前に出たところを逆手にとって足元へ返球。デュースとなったものの12-10で堤が制し、試合は最終セットにもつれ込んだ。

第3セットでも両者譲らぬ戦いが続く。しかし、ゲームカウント4-4の場面で底力を発揮したのは、岩本だった。徹底的に堤のフォア側を攻め、体勢を崩したところに強打で得点。さらにはネット前に出る攻めたプレーも見せ、着実に点を重ねる。2ゲームを連取し、ゲームカウント6-4で試合終了。春関シングルス3連覇を成し遂げた。
[女子シングルス]
髙山と中島の試合は、終始髙山が主導権を握った。パワーヒッターの中島に対し、粘り強く返球しミスを誘う。コート深くへのロブとパワフルなストロークを効果的に使い分けて中島を揺さぶると、ネットミスが見られ始めた。中島に付け入る隙を与えず、第1セットをゲームカウント6-0で先取する。
第2セットでも髙山が試合を優位に進めた。中島がフォアハンドのストロークで得点する場面も見られたが、負けじと髙山も強気なショットで応戦。中島が決め球を打つも、髙山は食らいつきラリー戦に持ち込む。ここでも強打と軟打を冷静に打ち分け、中島のミスを誘発。ゲームカウント5-3で迎えた9ゲーム目は、サーブから攻めて得点する。最後は中島のリターンがアウトになり、髙山の初優勝が決まった。

[女子ダブルス]
女子シングルスから30分を挟み、女子ダブルスの決勝が開始。対するは、第1シードの石川・上林組(姫大)だ。3月に行われた新進で優勝を果たした強敵だが、序盤から関大が試合のペースを握る。相手の低い軌道のストロークに対し、中島が積極的にポーチへ出てボレーで得点。相手に付け入る隙を与えず、ゲームカウント6-1で第1セットを先取する。
第2セットでも勢いは衰えず。「中島が前でボレーを決めてくれるので、自分は粘ってラリーを続けた」(髙山)。髙山が後衛で粘り、相手の甘い返球は中島が逃さず決める。ゲームカウント4-4と追いつかれる場面もあったが、髙山のリターンエースなどもありゲームカウントは5-4に。ここで取り切りたい10ゲーム目。中島のスマッシュでマッチポイントを握る。最後は相手のリターンがアウトになり、ゲームセット。初のペアにして、栄冠をつかみ取った。

[男子ダブルス]
男子シングルスから90分の休憩を挟み、男子ダブルスの決勝が行われた。堤・岩本組は、3月に行われた新進で優勝した桃山・蔡組(近大)と対戦。シングルスの疲労も募る中、試合が始まった。
岩本のサーブで始まった第1ゲームは、関大がキープ。その後も拮抗(きっこう)する展開が続き、ゲームカウントは4-4に。岩本がサーブ権を持つ第9ゲームをブレークされ、流れが相手に傾いた。足元を狙ったボレーを決められるなど、相手のプレーに対応できない。2ゲームを連取され、第1セットを献上した。
絶対に落とせない第2セット。第1セット同様、互角の戦いが続きゲームカウントは3-3となる。しかしここから、2人の前衛力が光った。スマッシュやボレーで畳み掛けて得点。さらにはラリーでも主導権を握り、ゲームを連取する。ゲームカウント6-3で第2セットを奪取し、試合はファイナルへ突入した。
10ポイントを先取した方が勝利となるファイナルセット。相手サーブで始まったものの、ラリー戦を制して先制する。その後もストローク、ボレーとテンポ良く得点を重ね、先にマッチポイントを握った。しかしここからアウトミスが続き、9-8に。なんとか逃げ切りたい場面で、堤がスマッシュを決める。1バウンド後に大きく跳ねたボールに相手は追いつけない。堤・岩本組で出場する最後の春関で、初のタイトル獲得となった。

春関は関大勢が表彰台を独占。ルーキーも活躍を見せるなど、今後の大会に向けて期待が高まる結果となった。次に見据えるのは、8月に行われるインカレ。優勝のみを目指し、さらなるレベルアップを誓う。【文:森奈津子/写真:水井陽菜】
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