◇第98回日本学生氷上競技選手権大会フィギュア競技3日目◇1月10日◇東京辰巳アイスアリーナ
[男子選手権SP]
2位 片伊勢 76.63
6位 朝賀 63.48
16位 樋口 50.72
[女子選手権SP]
17位 鈴木 46.61
24位 木下 39.83
32位 田邊 34.46
日本学生氷上競技選手権大会(インカレ)3日目は、男女選手権のショートプログラム(SP)が行われた。男子選手権では、片伊勢武アミン(法4)がまとまった演技を見せSP2位に。朝賀俊太朗(文2)と樋口温之(安全1)は、万全の状態でないながらも力を発揮してフリースケーティング(FS)へ進む。女子選手権では鈴木なつ(人4)と木下咲良(文4)が、最後のインカレでFS進出を決めた。
男子選手権のトップバッターを務めたのは朝賀。「最初のポーズを取った時に、右と左がつりかけていた」とジャンプは着氷を耐えるものがあった。それでも3回転ルッツ+3回転トーループのコンビネーションジャンプを決めたり、2つのスピンでレベル4を獲得したりと安定した実力を見せる。ダイナミックな身のこなしで重厚感ある『The Fire Within』を滑り切った。

第3グループの最後には片伊勢が登場。演技前には、リンクサイドに立つ朝賀と樋口から力強い声援を受け、笑顔を浮かべる様子も。冒頭のトリプルアクセルを滑らかに降りると、その後も高さのある3回転ジャンプを全て着氷し会場を沸かせる。繊細でしっとりとしたスケーティングで、観客を『月の光』の世界へ引き込んだ。

第4グループでは、リンクサイドから朝賀と片伊勢に声援を送っていた樋口が滑走順を迎えた。冒頭の3回転トーループ+3回転トーループのコンビネーションでは着氷を耐えるも、続く3回転ルッツでは転倒してしまう。それでも2つのスピンの後『黒い瞳』がスピードアップすると、力強さを増したスケーティングに。ステップシークエンスでは細かな振付でありながらも全身を大きく使い、抑揚のある曲調を表現した。

女子選手権の第3グループには、初めてのインカレ出場となる田邊理緒(人1)が登場。回転不足となってしまうジャンプがあったものの、スケーティングのスピード感と『Sparkling Diamonds』の雰囲気を表したような笑顔は失わず。安定感のあるスピンや愛らしい振付で、観客の心をつかんだ。

田邊に続いて鈴木がリンクイン。前半のジャンプは回転不足となるものがあったが、西日本後から練習を強化してきたコンビネーションジャンプを3回転サルコー+2回転トーループでまとめた。その後は『A Thousand Years』の優しいメロディーに合わせて、滑らかにダブルアクセルや振付をつないでいく。演技後には清々しい笑顔を見せた。

実力者が多く集まる第5グループに現れたのは木下。最後のインカレでFS進出を目指し、『LA LA LAND』にプログラムを変更して出場した。今シーズンなかなか決まらなかった3回転サルコーを始めとした、全てのジャンプを着氷させる。次々に変化する表情や唯一無二のパフォーマンスで観客を魅了し、FS進出枠の24位に食い込んだ。

4日間にわたるインカレもあすが最終日。仲間と積み重ねてきた時間を信じて。自身のためにもチームのためにも全力を尽くす。【文/写真:川元咲季】
▼朝賀
「(滑走順が1番になったときの心境)結構昨年のインカレの滑走順も早くて、でも1番なのは初めての経験だったので、見た時はそこは楽しもうと思いました。(演技を振り返って)冒頭がダブルアクセルになってしまって、アクセルの調子は非常に良かったのに、6分間練習くらいから少し崩れていて、それが試合で力みにつながってミスしてしまったのかなというのはあります。ただ、その後の3回転ルッツ+3回転トーループと3回転フリップはこらえたんですけど、そこは気持ちはなんとか切り替えることはできたので良かったかなと思います。(足をつったようにしていた)最初のポーズを取った時に、右と左がつりかけていて、その後ダブルアクセルを跳んだ後に左がつって、3回転ルッツ+3回転トーループの前につっていたんですけどなんとか跳べて。フライングキャメルスピンで右もつってしまって、最後のフリップは足が動かなくて。だからこらえ切れなくてオーバーターン気味だったんですけど。なんでかつってしまったという感じです。(全日本からの短い期間で、力を入れて練習したこと)全日本が終わって結構やる気が出ていたので、全日本でミスが目立ったFSを毎日通すようにしていて。その中で、アクセルの練習も並行して行っていて、かなりいい練習はできていました。(FSへの意気込み)ちょっとSPが悔しかったので、それを晴らすためにしっかり朝に練習して、本番はもう何も守るものはないので、全て出し切りたいなと思います」
▼片伊勢
「(今日の演技を振り返って)全体としてまとまった演技ができたかなとは思うんですけど、点数がちょっと自分が納得いくものではなかったので、そこは悔しい部分があって。でも、団体戦の中で自分のやれることはできたかなと思います。(全日本から力を入れて練習したこと)全日本が終わってからちょっとダウンしてしまったことがあったんですけど、年始くらいからまた気持ちを切り替えて、インカレに向けて自分ができることはやってきたので。できることは頑張ってこられたかなと思います。(最後のインカレに臨む心境)インカレもこれで最後なので、いい締めくくりができるようにしたいっていうのが一番の目標ですし、今年は3人で出場することもできているので、それぞれがベストな演技をして、みんなで笑顔で終われたらうれしいなと思います。(FSへの意気込み)今日の悔しい部分を明日にしっかり生かして、明日はさらにいい演技ができるように気持ちを切り替えて集中して頑張りたいです」
▼樋口
「(初めてのインカレに出場して)めちゃくちゃ楽しみだったのもあるし、前の2人がすごくいい演技をしてくれたので、自分も頑張ろうって感じで。でも、それとは逆に調子が全然上がってこなくて、それが結構大変でした。(演技を振り返って)良かったのが半分、悪かったのが半分という感じです。3回転トーループ+3回転トーループが入ったのは良かったんですけど、3回転ルッツは練習通りちょっとミスしてしまって。そこがちょっと悔しいなって感じです。(リンクサイドから声援がかかることについて)めちゃくちゃ心強くて。正直朝の公式練習とかはずっと緊張しっぱなしだったんですけど、声援が聞こえてからはすごく気楽にできました。(FSへの意気込み)今日入らなかった3回転ルッツもだし、フリップもあるので、そこをしっかり入るようにするのと、たぶんFSの『Les Misérables』が最後になるので、いい『Les Misérables』で終われるようにしたいなと思います」
▼田邊
「(西カレ以降に力を入れて練習したこと)今回はSPとFSがある試合だったので、主にSP(のジャンプ)3本をそろえることと、スピンやステップの取りこぼしが今シーズンあったので、そこを重点的に練習しました。(演技前の心境)初めての雰囲気だったこともあるし、2年生と3年生に選手権の女子の先輩がいないので、先輩方と出るインカレが最後なのもあって。すごく緊張していたんですけど、楽しんでやろうっていう気持ちもありました。(演技を振り返って)自分的には近畿と西カレが少しうまくいきすぎていた部分があったので、こうやって練習通りの現実を突きつけられて、また頑張らないといけないなというふうに思っています。(今後の意気込み)今シーズンもう少しだけ試合があって、来シーズンも学生試合もたくさんあると思うので、一番はSP(のジャンプ)3本をそろえて、FSをたくさん滑る機会がいただけるように頑張ること。そして、FSでいい演技をして少しでも多くの試合で滑れるように頑張りたいと思います。(今シーズン残りの試合は)近畿フリー大会と、広島であるスケートヒロシマ、機会があれば私大戦にも出場しようかなと思っています」
▼鈴木
「(西日本以降に力を入れて練習してきたこと)西日本の時は、3回転サルコー+3回転トーループとダブルアクセル+3回転トーループに挑戦できなかったので、コンビネーションジャンプで3回転トーループをつけることを練習してきました。(最後のインカレに臨む心境)公式戦はこれが最後なので、皆さんの前で滑るのが最後で。でも最後というのを意識してしまうと、自分の中で多分ぐっとくるものがあったり、感傷的になってしまうから。情緒が入ると私はだめなタイプなので、なるべく考えないようにして、一つ一つ丁寧にやってきたことを出すっていうのと、本当ににジャンプは決めたかったので、淡々と最後までやらなきゃと思ってやりました。(演技を振り返って)11月末か12月くらいにすごく調子良くて、3回転サルコーとか3回転トーループとか3回転ループとかも、『もうちょちょいのちょいだぜ』みたいな感じでやっていた時があったんですけど、そのままインカレまでずっと調子がいいことはないだろうなと思っていて。そうしたら案の定1回落ちて、そこからもうちょっと上げたかったんですけど、それができなくて。結構不安な気持ちの方が多くて、それが今日のジャンプにも全部出てしまったと思うんですけど、サルコーとかアクセルとかは練習通りできたので良かったです。3回転サルコー+3回転トーループが入らなかったのは悔しいんですけど、(前の)3回転ループを降りたらやってもいいかなと思っていたけど、3回転ループがだめだったらできないなと思って、2回転トーループできれいに合わせたという感じです。最後スピンで失敗してしまったのが悔しいですけど、全体的には良かったかなと思います。(FSへの意気込み)今日はとりあえずフリーにつなげなきゃっていうのがあったので、結構守りに入った部分もあったし、慎重に丁寧にというのを意識したんですけど。明日は練習してきたことを、失敗してもいいから挑戦したいこと、自分がリンクの上でやりたいことを全部やりたいなと思います」
▼木下
「(演技を振り返って)今シーズンSPのジャンプが入ってこなかった中で、まずは片足で全部降りれたことは練習の成果が出たなと思います。このSPは自分の良さをもっと出すためにインカレだけのために変えたんですけど、今日は自分の得意な表現の面だったり、自分の良さを前面に出せたんじゃないかなと思うので、点数は微妙でしたが今はすごく満足しています。(ノーミスだったことについて)チームが変わってからジャンプを跳ぶ本数も増えて。試合に向けて仕上げていくっていう練習ができてきた中で、近畿からなかなか入らなかったんですが、苦手意識のあったSPを最後のインカレの舞台でちゃんとそろえることができたっていうのは、すごく達成感もあるし良かったなと思っています。(SPを変更した理由)前のSPも引退っぽくて好きだったんですけど。SP落ちがある中でもしSP落ちしてしまったら、その演技で終わるのは自分の中ではちょっと嫌だなという気持ちがあって。自分の特技が表情管理であったり、踊ることがすごく好きだったから、その自分の良さをFSだけではなくてSPの時点でもっと伝えられるプログラムがしたいなと思い、その中でも今までで自分が気に入ってた『LA LA LAND』をSPに変えました。(最後のインカレに臨む心境)最後の公式試合なので、集大成としていい演技を今日まで支えてきてくださった先生方とか家族に見せたいって気持ちがすごく強かったです。緊張もあったんですけど、いざ滑り出したら大好きななっちゃん(=鈴木)たちから歓声もあって、とても楽しく滑りました。(明日以降、残りのシーズンへの意気込み)自分らしい演技をして、皆さんに引退してほしくないなって思ってもらえるような演技だったり、チームメートの子には『咲良ちゃんみたいな演技をして自分も引退したいな』って思ってもらえるような演技をして、引退できたらいいなと思います」
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