◇第48回総合関関戦前哨戦◇対関学大◇6月1日◇関西学院大学第3フィールド野球場
関 大 300 042 100=10
関学大 041 010 302x=11
(関)髙岡、山下陣、服部、安井、長尾—笠井、大橋
(学)吉田慎、岡、光岡、越智、坂本—畠山、堀之内
1(左)山本峻
2(指)金森
3(一)小谷
4(二)下井田
5(遊)山田
6(右)鹿熊
7(捕)笠井
8(三)中村暖
9(中)大塚
先発 髙岡
苦しい戦いが続く総合関関戦の空気を変えるべく、野球部が上ケ原に乗り込んだ。気合十分の関大は、初回に3点を先制する。しかしすぐさま逆転を許す展開に。それでも山本峻輔(人2)の逆転3ランで試合の主導権を手繰り寄せる。さらに7回には代打・髙須大悟(法4)の本塁打でダメ押し点を獲得。しかし、最後は関学大が底力を見せ、サヨナラ負けとなった。
リーグ戦とはメンバーを部分的に変え挑んだ今試合。先攻の関大は1死から金森洸喜(法2)が左安打で出塁する。続く小谷太誠主将(社4)が左前にしぶとく運ぶと、下井田悠人(はると=経4)の中飛で1死一、三塁に。先制の好機で打席には、リーグ戦で不振に苦しんだ山田悠平(商4)。バットをへし折られながらも左前へはじき返す先制打を放った。さらに続く鹿熊大誠(情4)が右方向へ長打を放つ。この打球で小谷主将がホームへ激走し、2点目を獲得。さらに相手捕手がボールをはじいたのを見て、山田も一気にホームへ。3点を先制し、初回から関大が主導権を握る。

先発・髙岡太征(社4)はリーグ戦と同様に安定した投球で、三者凡退の立ち上がり。しかし、2回に集中打を浴び、一挙4失点で逆転を許す。『関大マグマ』が流れる3回の攻撃は、山田が二塁打を放つも無得点。裏は四球と失策で走者を背負うと、右適時打で5点目を献上した。4回からは山下陣平(人4)が登板。先頭に二塁打を許すも、1死から併殺を奪い、無失点で援護を待つ。

5回は1死から笠井康生(法3)が四球で出塁し、中村暖道(政策4)が左安打でチャンスメーク。1死一、二塁で大塚誠人(情4)が右中間を破る二塁打で1点を返す。さらに二、三塁で打席には山本峻。「4年生にとって大事な関関戦。下級生の自分が出させてもらっている以上、その期待に応えないといけない」。気持ちを込めて振り抜いた打球は、右方向へ高々と舞い上がる。そのままスタンドへ突き刺さる逆転3ランとなった。その裏、山下陣は1点を失うも、リードを許さず主導権は渡さない。6回には山田がこの日3本目の安打で出塁すると、鹿熊の左中間適時三塁打で追加点を獲得。さらに笠井の犠飛で9-6に。

7回は、1死から5回に本塁打を放った山本峻に代えて、代打・髙須を起用。1ボールからの2球目を迷いなく振り抜くと、打球は右翼ポール際へ。「完璧だった」と、確信歩きで見上げた打球は、スタンドイン。4年生の意地の1発で10点目を獲得する。さらに続く代打・伊藤来我(政策4)が右安打で出塁するも、追加点とはならなかった。このまま逃げ切りたいところだが、簡単に終わらせてくれないのが関学大。7回からマウンドに上がった服部尊(化生4)が、味方失策をきっかけに本塁打を含む3長打で3点を献上してしまう。

8回は先頭の山田が捉えた当たりも、中飛に倒れる。1点差の緊迫した場面でマウンドに上がったのは、安井直斗(商4)。次の1点が勝負を分け目となる状況の中、見事に三者凡退に抑え、9回へつなぐ。最終回は2打席目となる伊藤が二塁打で好機を作り、打席には小谷主将。たたきつけた遊ゴロを放ち、ヘッドスライディングで一塁へ。際どいタイミングも、塁審のコールは「アウト」。追加点は得られず最終回の守りへ。クローザーを任されたのは長尾彦秀(環都4)。リーグ最終節で好投を見せた右腕だったが、2者連続で四球を与えてしまう。すると次打者に左適時打を浴び、土壇場で同点に追いつかれてしまった。さらに申告故意四球で、無死満塁に。絶体絶命の中、右飛で1死を奪う。次打者には粘りを見せられ、フルカウントに。長尾が投じた8球目は無情にも抜け球となり、押し出し四球。まさかの幕切れで逆転サヨナラ負けとなってしまった。

4年生を中心に勝利を目指して挑んだ伝統の一戦。リーグ戦でのうっぷんを晴らすかのように野手陣が15安打を放ったものの、投手陣が粘り切れず。総合関関戦逆転優勝の火付け役になることはできなかった。それでも、秋に向けて新戦力の台頭や新たな攻撃パターンが垣間見える場面も。秋こそは宿敵・関学大を倒せるように。伝統の一戦での勝利は、必ず秋季リーグ戦でつかみ取ってみせる。【文:櫻田真宙/写真:石川玲奈、櫻田真宙】
▼高須
「(代打で登場したが、打席に向かう時の心境は)代打の1人目だったので、初球のストライクをしっかりと打てるようにと考えて、フルスイングしようと思っていました。(打った瞬間の感触は)入ったなと。完璧でした。(打球がスタンドに入った瞬間の気持ちは)うれしかったです。人生で一番震えました。(ダイヤモンドを1周して迎え入れられた時の心境は)とにかく最高でした。感動しました。(きょうを振り返って)負けてしまって悔しいのですが、また秋に向けて頑張っていけたらなと思います」
▼伊藤
「(代打で安打を放った)とにかく打てて良かった。(2打席目には二塁打を放った)初めての公式戦というところで、親も見に来ていたので、4年間の集大成を見せられたことはすごくうれしかったです。(きょうの試合で良かったところ)とにかく自分らしさを出そうと。初球から思い切り振ることは決めていたので、そこが徹底できて良かったです」
▼山本峻
「(本塁打を打った感触は)気持ち良かったです。(打球がスタンドに入った瞬間の気持ちは)ホームランはずっと前から打ちたいと思っていて、やっと出たので良かったです。(逆転3ランを放ってホームインした時の心境は)先輩方が迎え入れてくれたので良かったです。(きょうを振り返って)4年生にとって大事な舞台の関関戦で、下級生の自分が出させてもらっている以上、その期待に応えないといけないと思ったので頑張れて良かったです」
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