◇令和7年度関西学生春季リーグ戦第7節◇対近大3回戦◇5月26日◇わかさスタジアム京都
近 大 000 410 100=6
関 大 000 000 010=1
(近)増田、森、山田—岸本、山崎
(関)荒谷、曽我部—小村
1(中)渡邊
2(右)余河
3(一)小谷
4(二)下井田
5(左)中村莞
6(三)金森
7(遊)宮本青
8(捕)小村
9(投)荒谷
負ければ春季リーグ戦最終戦、勝てば4回戦へ望みをつなげられる一戦。関大は1回戦で137球を投げたエース・荒谷紘匡(法4)を先発マウンドに送る。序盤は粘りの投球を見せるも、4回に一挙4失点。5回にも1点を追加され、試合の主導権を握られてしまう。一方打線は増田(近大)に封じ込められ、6回まで安打0に。それでも8回に宮本青空(はる=経2)の適時打で1点を返す。しかし反撃はそこまでとなり、関大の春季リーグ戦が幕を閉じた。

疲労もある中、エース・荒谷が先発登板をする。初回は先頭を遊ゴロに打ち取ると、この日スタメン起用の宮本青がしっかりとさばいて1死。相手3番に安打を許すものの、無失点の立ち上がりとなった。3回は先頭に四球を与えるも、次打者の犠打を三塁手・金森洸喜(法2)が素早くチャージし、併殺を完成させる。しかし4回、先頭打者に左方向へはじき返されると、左翼手・中村莞爾(安全3)が処理を誤り、三塁打に。次打者に四球を与えると、無死一、三塁から4番・阪上(近大)にフェンス直撃の2点適時三塁打を浴び、2点を先制される。さらに2本の適時打でこの回一挙4失点と苦しい状況に。

ビハインドの5回。重苦しい雰囲気を変えようと、関大スタンドからいつにも増して大声援が送られる。荒谷コールがこだまする中、エースは懸命に腕を振るも、追加点を献上。それでも関大スタンドは沈まない。『王者関大』が流れ、声を枯らす。しかし打線は6回まで1人の走者も出せず、完全試合ペースに。
7回は、ここまで雨の日も3回戦でも応援に駆けつけ力を送っていた、応援団バトン・チアリーダー部の斉藤真心部長(法4)と山田稀尋(商4)の学注から『大空を越えて』が奏でられる。すると先頭の渡邊貫太(経3)がチーム初安打を記録。しかし、得点にはつながらず。その裏は2番手・曽我部僚太郎(政策4)が無失点の投球。8回は下井田悠人(はると=経4)が二塁打で好機を演出する。1死となるも、金森が右安打で一、三塁に。ここでスタメンに抜てきされた宮本青に打席が回る。浅いカウントから積極的に打ちにいくと、打球は一二塁間を割る適時打に。待望の得点が入り、スタンドから『応援歌』が流れた。


5点ビハインドの最終回は、先頭打者に代打・山本峻輔(人2)が起用される。意表を突くセーフティーバントを成功させ、意地の出塁。しかし、渡邊は右飛に倒れる。続く余河航太(法3)も併殺打となり、ゲームセット。連敗で最終節は勝ち点献上となった。

4勝8敗勝ち点1で5位となった春季リーグ戦。30年ぶりの春季リーグ制覇、さらに日本一を目指していただけに到底満足できる結果とはならなかった。打撃不振や、守備の乱れなど課題は浮き彫りに。それでも、リーグ戦初登板を経験した投手陣や、野手も金森や宮本青など新戦力の台頭が見られた。数多くの選手が出場した春季リーグ戦。たくさんの選手が味わった悔しさを糧に、秋季リーグ戦で必ず栄冠をつかみ取ってみせる。【文:櫻田真宙/写真:水井陽菜、櫻田真宙】
▼小谷太誠主将(社4)
「(試合を振り返って)何とか4回戦につなげたいところだったけれど、近大が強かったです。(春季リーグ戦を振り返って)優勝を目指して、日本一を目指しているチームだから、そういう結果に満足はできないです。ただ、うまくいかない中でもみんなが意見を出し合いながら工夫して練習してきました。そこは秋につながると思うし、秋に悔しい思いをしたくないとみんなが思っています。応援団には雨の日も平日でも応援をしてくれて、そういう人たちを喜ばせたいので、秋までの3か月必死に練習をして、みんなにいい思いをさせてあげたいなと思います」
▼荒谷
「(中1日でマウンドに上がったが、疲労は)もちろん疲労はありましたが、その中でどう粘るかということが大事だったので、反省の多い試合になりました。(春季リーグ戦を振り返って)自分が崩れて負けてしまう試合もあって、逆に自分が粘れた時もあったんで、そういう意味ではいろいろ収穫もありました。シーズンを通して中1日で投げると、結構打たれることが多かったので、そういう面では秋に向けて色々課題が見つかりました。(リーグを通して投手陣を引っ張ってきた)投手陣は山下健信投手責任者(政策4)が引っ張っている中、けがをしていて。自分はプレーで貢献しようと思っていたので、もう少し先発として貢献したかったです。投手陣は春のリーグで初登板だったり、新戦力も出てきたので、しっかり今後も力をつけていきたいなと思います」
▼下井田
「(春季リーグを振り返って)悔しい気持ちです。チームとしては5位で、勝てた試合もいっぱいあったんですけど、その中で自分も含めて勝負どころで結果が出ないというのが弱さやなというか。個人としてもチームとしても秋に向けて成長していかなあかんなというふうに思いました。(打撃成績は)もっと行きたかったですね。正直(打率)3割は最低基準でやってきたので。目標は3割後半ぐらいいきたいなというふうに思っていたので、満足はできていないです。(秋季リーグに向けて)まず自分がもっと活躍したい。自分が打って勝てる試合っていうのがこの春はなかったので、自分で勝たせられるようにこの夏頑張っていきたいです」
▼中村莞
「(春季リーグ戦を振り返って)個人としてもチームとしてもいい面は確かにあったんですけど、それよりも力をつけないといけない部分が多く見えたので、そこをしっかりと取り組んで秋に臨みたいです。(規定打席に到達し、打率は3割を超えた)シーズン中でもバッティング練習で考えていろいろと変えていったりした部分が良かったかなと思います。(秋に向けて)春の悔しい思いをしっかりと晴らせるようにチーム一丸となって頑張っていきたいと思います」
▼余河
「(春季リーグを振り返って)勝ちが4、負けが8という残念な結果。チームとしても色々課題が残っているので、秋に向けてやっていかないといけないなと思います。(リーグ途中からスタメン獲得)やっぱり打てている時以外でも、守備とかバントであったりとか、そういう面でも貢献しようっていうのがあって。でもバッティングは後半落ちてきて、迷惑をかけてしまったので、それは秋に向けてもう一回やり直しというか、もう一回積み重ねてやっていきたいなと思います。(秋リーグに向けて)スタンドで応援してくださってる方たちも、応援団の方たちも、もちろんベンチにいる人たちも、悔しい思いが続いたので、秋に優勝できるように、ひとつずつ課題に向かって取り組んでいきたいと思います」
▼金森
「(8回に好機で安打を放った)下井田さんが不調ながらもチャンスを作ってくれたので、自分が返したかったんですけど、返せなくて。それでもチャンスを広げられたので良かったです。(春季リーグ戦を振り返って)自分自身初めてのリーグ戦で緊張もあったりしたんですけど、先輩たちが自分のやりやすいように声をかけてくれたので楽しくできました。(秋に向けて)まだレギュラーが確定しているわけではないので、またここからアピールしてスタメンを取れるようにして、秋のリーグ戦ではやり返したいなと思います」
▼応援団・松山小夏団長(文4)
「(ビハインドながらも5回にはスタンドからは大声援が飛んだ)あの場面で『応援歌』を歌えたらもっと良かったなと思います。2回戦に自分は行けていなかったけれど中継を見ていて、どれだけ応援を頑張っても0点で『応援歌』ができないことは、やっぱり応援団としても悔しいです。だからこそ8回はみんなでつないで1点を返し、みんなで『応援歌』を歌えたことはとても良かったです。(春季リーグ戦を振り返って)春季リーグ戦は結果的に見たら、なかなか勝ち点につなげられなくて悔しかったです。でも、昨年より良かったことは、スタンドの雰囲気がとても良くて。関関戦もスタンドを満員にするという目標を野球部と応援団に掲げていて、満席に近い人数を集めることできて。集客も頑張ったりで、本当に野球部と応援団で一緒に作り上げる応援を感じて、そこが春季リーグ戦でとても良かったところだと思います」
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