◇第97回日本学生氷上競技選手権大会フィギュア競技3日目◇1月7日◇小瀬スポーツ公園アイスアリーナ
[男子7・8級FS結果]
3位 朝賀 140.68
6位 片伊勢 136.74
[男子7・8級最終結果]
3位 朝賀 215.25
4位 片伊勢 211.84
[男子7・8級団体結果]
3位 関大
[女子7・8級FS結果]
15位 鈴木 84.47
23位 久保 71.54
[女子7・8級最終結果]
13位 鈴木 135.64
22位 久保 115.10
32位 木下 36.31(SPのみ)
[女子7・8級団体結果]
6位 関大
日本学生氷上競技選手権大会フィギュア競技(インカレ)もついに最終日。男女7・8級のフリースケーティング(FS)が行われた。男子7・8級では朝賀俊太朗(文1)がインカレ初出場ながら3位に。片伊勢武アミン(法3)も4位で入賞を果たし、団体では3位に輝いた。
3日目の最初に登場したのは朝賀。この日はトリプルアクセルの調子が上がらず、1本構成で演技に挑んだ。冒頭のトリプルアクセルは着氷を耐える。その後は3連続のコンビネーションジャンプを含め、全てのジャンプを転倒なく降りていった。『Buenos Aires winter』に合わせて情熱的なスケーティングを披露し、コレオシークエンスは出場者の中でトップのGOE(出来栄え点)1.50をマーク。減点なしの演技を見せ、インカレ初出場ながら3位に輝いた。
続いて片伊勢が登場。演じるのは、昨年から継続のプログラム『Tree of Life Suite』だ。最初のトリプルアクセルを軽やかに決め、GOE1.87の高評価を得る。さらに3回転ルッツ+ダブルアクセル+2回転トーループの3連続ジャンプなどを大きなミスなく決めていった。優美で壮大なメロディーが流れる中、ステップシークエンスでは優しくも力強さのある滑りを見せる。惜しくも4位となったが、片伊勢の持つ世界観を表現し、観客を魅了した。
全員の演技が終わり、行われた表彰式。まずは個人に賞状が手渡される。続けて団体の成績発表が行われ、3位で関大の名が告げられた。「よっしゃ!」と朝賀が笑顔を見せ、片伊勢も柔らかな笑みを浮かべる。2年ぶりに男子団体で表彰台に上り、喜びを分かちあった。
女子7・8級の最初には、この日が現役最後の試合となる久保智聖(人4)が登場。『ロミオとジュリエット』の切なげな音色に乗って滑り始めた。冒頭の3回転ループをきれいに決めると、そのまま全てのジャンプを着氷する。ジャンプの回転の抜けや不足はあったものの、まとまった演技を披露。思いのこもったコレオシークエンスを見せ、最後は笑顔でリンクを後にした。
関大勢のインカレラストを飾ったのは鈴木なつ(人3)。ピアノの調べが流れると、ターンをして演技を始めた。3回転ループ、2回転ルッツなど次々とジャンプを降りていく。しかし、中盤になると転倒や回転不足になってしまう場面も。それでも「がんば!」という声援を背に、笑顔で堂々と演技を披露。『ガーシュウィン:ピアノ協奏曲』の音色に乗って、伸びやかなスケーティングを見せた。
それぞれの力を出し切り、多くの選手が入賞を果たした今回のインカレ。ここで得た自信と課題を胸に、さらなる高みを目指して歩み始める。【️文/写真:中吉由奈】
▼朝賀
「(今の心境)演技中に自分で少し構成を変えたので、それに戸惑ってしまって。ジャンプの本数が足りなかったり、スケーティングの面で少しおろそかになってしまったところがあったので、そこはちょっと悔しいんですけど、そんな中でも自己ベストを出すことができたのでまずはうれしいなと思っています。(構成を変えた理由)朝と6分間練習の調子からトリプルアクセルは1本が限界かなというのがありました。アクセル1本構成でやった上で最大限の点数を出したいなというのがあったので、フリップとルッツを2本ずつ入れようと考えてやったんですけど、それを初めてこの大会でやったので、少し順番が分からなくなったりする部分はありました。(初出場で3位)自分の今できる演技をやったので、本当にこれ以上望むことも自分にはないですし、全日本が終わってからの1週間はそんなに練習も多く積むことができなくて、自分の最大を出した結果の3位だったので、そこは素直にうれしいです。(団体でも3位になった)団体が2人で(表彰台に)上れたらいいなくらいで思っていたので、上ることができてうれしいです。(片伊勢の存在)たけちゃん(=片伊勢)はショートプログラム(SP)で僕より上だったので、先輩として引っ張っていただいて。その上で僕も次にたけちゃんがいるという思いでFSもできたので、団体の順位を気にした時にやっぱり先輩がいるというのは心強いなと本当に思いました。(この試合で今シーズンは終わりだが、1年間を振り返って)締めくくりとしては面白い演技になってはしまったんですけど、1年間を見た時にシーズンを通して自分のためになる試合が多くて、 試合ごとに自分の成長を感じられる1年でした。この1年大学生としてジュニアではあったんですけど、そこで戦えたというのが自分にとってこれからのスケート人生でもプラスになったと思います。(印象に残っている試合は)やっぱり全日本選手権が一番印象に残っています。SPは自分の誕生日というのもあったので、のびのび滑ることができて楽しかったです。(今シーズンを通して得た収穫と課題)課題で言うと、 西日本ジュニアの時まではアクセル2本構成ではやっていたんですけど、2本決まることが1試合もなかったです。来年シニアに上がった時にはやっぱり(トリプルアクセル)2本は必ず必要だなというのを今シーズン改めて認識することができたので、そこは見つかった課題かなと思います。収穫はこの試合もそうなんですけど、スケーティングの点数が徐々にではあるんですけど伸びてきています。そういったところがシニアになった時には必ず必要になってくる点数になるので、そこがついてきてるというのは、僕にとっては本当に収穫かなと思います。(来年のプログラムについて)FSは変えようと思っているんですけど、まだ本田武史先生と何も話していないです。毎回先生のチョイスであったり、僕からもこういうのがいいというのを言うんですけど、まだそこは考えてないので、これからになります。(来シーズンに向けての意気込み)来シーズンからは本格的にシニアに入るので、その中で上位を取っていかないと全日本も出るのが難しいので、まずは自分のできることを最大限にやるというのと、4回転やトリプルアクセル2本をこのオフシーズンで身につけられるように頑張っていきたいです。来年もまた全日本に出場して、今年よりももっといい成績を収められたらなと思っています。(大学4年間での目標)大学生のうちに世界大会に行きたいなというのが一番あります。ジュニアの時もそうだったんですけど、世界大会にはまだ出たことがないので、大学生の間に出るというのをまず目標にしたいです」
▼片伊勢
「(今の心境)ミスはあまりなかったんですけど、いい点数につながらなくて、個人的にそこはすごく残念だなと思います。でも関西大学が3位という結果で終われたのは2人とも頑張ったおかげだと思うので、それはすごく良かったなと思います。(演技を振り返って)詰めた練習ができていないのが本番になったらすごく顕著に現れてしまったので、やっぱりもう少しちゃんと練習してこないとなというのは感じました。(今シーズンを振り返って)いろんな考えがあった中でのシーズンだったんですけど、毎試合どんな環境でも自分のベストな演技をするという目標を持って、少しずつ達成できたかなと思うので、来年またさらに高みを目指して頑張りたいです。(印象に残っている試合)そんなにたくさんの試合に出たわけではないので、それぞれの試合にいろんな思い入れがあったり思い出になっています。(来シーズンへの意気込み)来年はこのままで終わらないように、また上を目指して日々の練習から頑張って、試合で結果が出せるように来年も頑張りたいなと思います」
▼久保
「(今の心境)少しジャンプが抜けてしまったところがあったり、スケーティングでいつもよりちょっと押しきれなかったところがあって悔しい部分も残っているんですけど、でも最後ちゃんと今できることはできたかなと思います。(自身の演技を振り返って)練習よりちょっとはましだったので、無駄じゃなかったなと思って、練習を頑張って良かったなと思います。(プログラムを選んだ理由)『エデンの東』は父がすごく好きな曲で、私も町田さんの『エデンの東』が小さい時からすごく好きだったので、最後はこの曲を使おうとずっと思っていました。『ロミオとジュリエット』も小さいころから好きで、好きな曲で滑ろうと思って決めました。(大学4年間のスケート人生を振り返って)けががめちゃくちゃ多くて大変なこともあったんですけど、 でもやっぱり諦めずに最後までやって良かったなと思います。(同期や後輩へメッセージ)まず後輩に向けては、大変なことがいっぱいあると思うんですけど、最後にはやって良かったなと絶対思えると思うので、今の時間を大切に練習を頑張ってほしいなと思います。同期は私たち同期が少なくて3人で頑張ってきたんですけど、その2人がいなかったら頑張れていなかったことも本当にいっぱいあるので、ありがとうと伝えたいです」
▼鈴木
「(今の心境)やっぱりもうちょっとできたなと思うところがたくさんあって。 3つくらいミスしたし、降りたジャンプももうちょっといいものを跳びたかった気持ちはすごくあるんですけど、 昨日よりもたくさん応援の方がいて、楽しく4分間終われたと思います。(自身の演技を振り返って)FSをたくさん練習してきたので、後半のステップとかも楽しんでというか、出し切ろうという気持ちで滑りました。ステップで出し切ってサルコーの時とかにはもうへろへろいう感じだったんですけど、全体的には大きく動けて良かったです。(今シーズンを振り返って)今シーズンは本当に始まってからいろんなことがあって、気持ちの面でも練習でもうまくいかないことの方が多くて。実際に成績もあまり残せず、したいような演技があまりできなくて。一言で言ったら悔しいシーズンだったんですけど今年で終わりではないので、来年は今年に得たものを出して、練習の仕方から成長していきたいです。(得た収穫は)これまでは練習している中で違うと思ったら何がおかしいんだろうとか、何が違うんだろうと考えながら練習していたんですけど、最近はちょっと違うなと思っても、もうちょっとやり続けています。そうするとかみ合ってくることが結構増えてきて、気を付けるところを1つとか2つに絞って練習するという意味ではちょっとつかめてきたのかなと思います。(来シーズンへの意気込み)もう最後の年で、本当に短かった長かったような。やっぱり毎日後悔がないように、練習も試合も自分のやってきたスケートを完結させられるように。もうちょっと自分自身のスケートを磨いて、ジャンプももっとレベルアップできたらいいなと思います」
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