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◇第97回日本学生氷上競技選手権大会フィギュア競技2日目◇1月6日◇小瀬スポーツ公園アイスアリーナ

[男子7・8級SP結果]
2位 片伊勢 75.10
3位 朝賀 74.57

[女子7・8級SP結果]
11位 鈴木 51.17
19位 久保 43.56
32位 木下 36.31

日本学生氷上競技選手権大会フィギュア競技(インカレ)2日目は男女7・8級のショートプログラム(SP)が行われた。男子7・8級では片伊勢武アミン(法3)、朝賀俊太朗(文1)がともに好演技を見せ、2位と3位で最高のスタートを切る。女子7・8級では鈴木なつ(人3)、久保智聖(人4)がフリースケーティング(FS)進出ラインの24位以内に。合わせて4名が3日目のFSへ進んだ。

2日目の最初に登場したのは、初めてインカレに出場する朝賀。今シーズンは全日本ジュニア5位、全日本では新人賞獲得と目覚ましい活躍を続けてきた。冒頭のトリプルアクセルを耐え切ると、残りの2つのジャンプもきれいに着氷。ステップシークエンスでは『The Fire Within』の情熱的な世界観へと観客を引き込む。圧巻のスケーティングで自身2度目の70点越えを果たし、自己ベストをたたき出した。

20250107_023327-200x133 【フィギュアスケート】インカレ男女7・8級は4名がFSに進出
△朝賀

片伊勢はリンクサイドからの声援を背にスタート位置へ。演技序盤のトリプルアクセルではややミスが出てしまったが、続く3回転ルッツ+3回転トーループや3回転フリップを美しく降りる。タンゴ調の『Adios Nonino』の音色に乗ってしっとりと艶やかにプログラムを演じた。また、ステップシークエンスと全てのスピンで見事レベル4を獲得。シーズンベストを更新し、キス・アンド・クライでは朝賀や昨年7月に関大アイススケート部の監督に就任した山田耕新監督、上野沙耶コーチと喜びを分かち合った。

20250107_023339-200x133 【フィギュアスケート】インカレ男女7・8級は4名がFSに進出
△片伊勢
IMG_6962-200x133 【フィギュアスケート】インカレ男女7・8級は4名がFSに進出
△キス・アンド・クライでの様子

女子7・8級で関大のトップバッターを飾ったのは木下咲良(文3)。『SAYURI』の重厚感あふれる音とともに滑り始めた。ジャンプは惜しくも回転不足が重なってしまう結果に。それでも持ち前の表現力を存分に発揮し、表情豊かに滑り切る。FS進出はかなわなかったが、万全の状態ではない中で来シーズンへつながる演技を見せた。

20250107_023405-200x133 【フィギュアスケート】インカレ男女7・8級は4名がFSに進出
△木下

次に登場したのは、3年連続でインカレに出場中の鈴木。昨年から継続のプログラム『River Flows in You』を観客の前で披露するのはこれが最後となる。ピアノのきらびやかな音と同時に滑り出し、軽やかに3回転ループを着氷。勢いに乗ると全てのジャンプをきれいに降りる。音を1つずつ拾って流れるような滑りを披露し、最後は上を向いて演技を締めくくった。

20250107_023411-200x133 【フィギュアスケート】インカレ男女7・8級は4名がFSに進出
△鈴木

関大勢最後には久保が登場する。『エデンの東』の優しいメロディーが流れ始めると、ゆったりと演技をスタート。一つ一つのエレメンツを丁寧に実施し、ジャンプもほとんどミスなく決め切る。優美かつ伸びやかなスケーティングで見る者を魅了した。演技後には本田武史コーチとハイタッチ。昨年はあと1歩のところで届かなかったFS進出を果たし、笑顔があふれた。

20250107_023429-200x133 【フィギュアスケート】インカレ男女7・8級は4名がFSに進出
△ハイタッチを交わす久保(右)

全員が堂々とした演技を披露し、4名があすのFS進出を決めた。3日間にわたって開催される今大会もいよいよ終盤。インカレならではの空気感を楽しみ、それぞれの持てる力を発揮する。【文/写真:中吉由奈】

▼片伊勢
「(全日本が終わってからの調整)お正月を挟んでいたので、すごく詰めた練習ができたわけではなかったんですけど、一本一本集中するような練習を心がけてきました。(自身の演技を振り返って)トリプルアクセルで着氷の乱れはあったんですけど、このインカレの舞台で大崩れすることなくまとめた演技をすることができて一安心しています。(点数的には)アクセルでもう少し加点が伸びてくれば、70点台後半とかも狙えていたと思うので、満足はしていないんですけど、今できることの成果の点数かなと思います。(自身の中でのインカレの位置づけ)新年すごく早い時期での試合ですが、やっぱり大学を背負ってというような形になるので頑張らないといけないですし、気が抜けない感じの試合かなと思います。(リンクサイドからの声援もあった)普段の試合だとああいった応援はないですし、思ったよりすごい熱量で俊太朗くん(=朝賀)も応援してくれて最後ちょっとしんどい時とかも頑張ろうと思えましたし、明日も2人でいい演技をして、いい結果でインカレを終えられたらなと思います。(FSへの意気込み)明日はまた今日とは違った形の世界観のプログラムになるので、自分の持っている世界観を存分に発揮して、一つ一つ丁寧にエレメンツも仕上げていきたいです」

▼朝賀
「(全日本が終わってからの調整)今シーズンは全日本ジュニアと全日本にかなり自分の中で気持ちを高めて臨んだので、少し(気持ちが)途切れる部分が全日本が終わってありました。でもここに来たからにはやっぱりちゃんとしたものを披露しないといけないと思っているので、ここまでの練習はあまりいいものは積めていなかったんですけど、アドレナリンと場の空気感でできました。(自身の演技を振り返って)一番今シーズンで疲れたSPだったんですけど、なんとか自己ベストも出すことができたので、そこは素直に良かったなと思っています。(今回が初めてのインカレ)全日本とほとんど出てるメンツは変わっていなくて、初めてというのはあったんですけど、周りの先輩たちが結構同じメンバーなので気は楽に臨むことができました。その中にもちゃんと緊張感もあったので、いい大会だなと思っています。(FSへの意気込み)今シーズン最後の演技になるので、悔いが残らないように全力で出し切れたらなと思います」

▼鈴木
「(インカレ前の調整)西日本が終わってから、全日本に出られなくてちょっと悔しい気持ちがありました。でも自分が今シーズンやってきたことを公式戦で見せられるのは、もうインカレと国スポしかないので、ここに懸けるしかないみたいな気持ちで。いつもの年よりも結構気合を入れて曲かけ練習を中心にやってきました。(自身の演技を振り返って)ジャンプを全て着氷できたのは自分でしっかり落ち着いてできたということなのかなと思うので、結構満足しています。欲を言えば2本目が3回転サルコー+3回転トーループを入れたいなと思って練習してきたんですけど、ちょっと守りに入ってしまってセカンドジャンプがダブルになってしまって。少し心残りもあるんですけど、全体的には体もちゃんと動いて演技できたかなと思うので良かったです。(以前インカレは緊張する舞台と話していたが)まさにその通りで、今年も緊張すると分かって来ていたんです。やっぱり緊張して、もう公式練習の前から、なんなら昨日くらいからすごくガクガクで、それもちょっと不安ではあったんですけど、その割には良かったかなと思います。1年生の時はわけが分からず終わってしまった感じがあって、たぶんそれもあって昨年緊張したのはあると思うんですけど、毎年同じくらい緊張しています。(今回は高校時代のホームリンクでインカレが開催されている)やっぱり練習させてもらっていたところなので、リンクのこともリンクの周りのこともよく知っています。『今回山梨だ!』と思ってそれなりの緊張もあるんですけど、山梨のスケート連盟の方とかすごくよくしてくださった思い出があるので、皆さんに会えるのも楽しみにして、氷の感覚も知っているので滑り慣れている安心感はあります。(FSへの意気込み)FSの方がSPよりも練習はしてきたし、今シーズンまだ納得できる演技がFSで見せられていないので、今回は良かったと思えるような演技をしたいです」

▼久保
「(インカレ前の調整)インカレが現役最後の試合になると思っていたので、後悔がないように毎日楽しんで練習しようと思って頑張っていました。(自身の演技を振り返って)あまり練習で調子が良くなかったので、こんなに全部跳べると思っていなかったのでうれしいです。(昨年はSP25位でギリギリSP落ちだった)やっぱりあと1個分というところでFSが滑れなくてすごく悔しかったので、今回はちゃんと自分の今できることを全部やり切ってFSに進めることになったので良かったなと思います。(FSへの意気込み)明日が大きい大会で滑れる最後の機会だと思うので、やることを全部やり切って、悔いなく楽しく終われたらなと思います」

▼木下
「(インカレ前の調整)けがをしないように、すごく追い込むとかでもなく自分の体に疲労が止まらないように一定の調子を維持することを目標にやっていました。(自身の演技を振り返って)点数は本当に悔しくて、ステップも自分の中では自信がある部分だったので、ちょっとミスが出てしまったのはすごく悔しかったです。年始に体調を崩してしまって、そこから今日現地に来て初めてトリプルジャンプとかもやってという中で、それで本番の1本目と3本目が決まったのは良かったかなと思います。でも体調管理も試合の内だと思うので、しっかり今後は整えて試合に挑めるようにしたいです。(インカレは2年ぶりの出場)2年前はみんな年上の方で有名な選手ばかりで、自分がこのカテゴリーで出ているのがすごく不思議な状態で出ていたんですけど、 今年は3年生でシニアに慣れてきたのもあって、インカレという大学の試合の雰囲気は楽しめたかなと思います。(今後の意気込み)来シーズンはラストシーズンで本当に自分の集大成なので、そこはしっかり最高の姿をお見せできるように、ちょっとずつでもレベルアップできたらなと思います」

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