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1月5日、寒さを耐え忍びながら始まった2024年の関大スポーツ編集局(カンスポ)生活。取材にWEB記事の執筆、プレイバックの制作で毎週を過ごすうちに、気づけば1年がもう過ぎようとしている。この1年を振り返れば、うれしかったこと、時にうまくいかなかったこと、たくさんの思い出が脳裏に浮かんでくる。

今年からは班長競技を持ち、その競技をメインで担当することに。いろいろな競技の取材に気ままに行っていた昨年。それもとても楽しかったが、特定の競技を追いかけ続ける楽しさを新たに感じた。試合告知や号外も作るようになり、会場では保護者や選手のファンの方から声をかけてもらうことも。「選手の思いが伝わる記事を書きたい、誰かの原動力になるような写真を撮りたい」。その思いで努力し続けてきたことが、少しずつ実を結び始めていることを実感した。

始めは不安だらけだった。器械体操部は、部員を誰も知らないところからのスタート。最初の大会ではまともに部員の方と話すこともできず、この先どうなるんだろうと未来が見えなかった。写真や記事をどう受け取ってくれているのかもわからず、取材に行っても常に感じるモヤモヤ。それでも、展望号外や紙面に載せるためのインタビューなど、できることを地道に続けた。そんな中迎えた8月の鹿児島でのインカレ。少しの不安を抱えながらも行くと、「こんにちは!遠いところまでありがとうございます!」という声がした。驚きながら声の先を見ると、そこには部の方の姿が。さらに、「号外作ってくれてましたよね!」という言葉や、「撮ってもらった写真が楽しみ」と声をかけてくださったことも。監督さんは「実はみんなインタビューに来てもらったら喜んでるんですよ」と教えてくれたり、他にもたくさんの温かい言葉をもらった。これまでしてきたことは決して無意味ではない。記事も写真も楽しみに待ってくれている。心の底からうれしかった。不確かながらもまき続けた種は芽吹き、花が開き始めていた。

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△観客席からの全力応援や互いに励まし合いながら競技に臨む姿、好きなところを挙げればきりがないほどです。来年も活躍を心から祈っています!

器械体操部のインカレが終わるとすぐに始まった、バスケットボール部女子のリーグ戦。昨年あまり取材に行けていなかった分を取り戻そうと、毎週土日をバスケの取材に捧げた。土曜日は授業を受けて、そのまま片道1時間半以上をかけて会場へ。取材が終わると即日で記事を書き、日曜も1人で会場に行く。体力的にも精神的にもしんどい部分があったけれど、行きたくないと思ったことはなかった。春から公式戦はほとんど全試合に行き、普段もあいさつを交わすほど仲良くなれた選手の方たち。その方たちが、『2部優勝・1部昇格』に向けて、懸命に戦う姿。少しずつ目標に近づく軌跡を一緒にたどれることがうれしかった。その反面、ずっと取材を続ける中で感じたもどかしさもあった。忘れもしない10月6日の京産大戦。入れ替え戦へ向けて、勝ち切りたい試合で負けた。試合後の雰囲気は重く、何と言葉をかければいいかわからなかった。何にもできない自分がもどかしかった。取材に行けば「ありがとう」と喜んでくれる。それでも、つらいときに力になれている実感は全くない。担当としての自分の存在意義がわからず、ただ無力さを感じた。

1週空いて迎えたリーグ戦最後の2試合。1試合でも負ければ入れ替え戦には行けない、そんな崖っぷちな状況だった。開始直後はどちらが勝つかわからないシーソーゲームに。それでも負ける気はしなかった。無我夢中でシャッターを切り、ペンを走らせる。3点差の接戦をものにして、関大が勝利。試合が終わると、同じ2年生の子が私のところへ来て「いつも本当にありがとう、力になってるよ」と手を握りしめて言ってくれた。帰りの電車では、ある選手がWEB記事の文章をInstagramのストーリーに載せてくれていたことを知った。思いを込めて撮った写真が、背中を押したいと願った文章が、たしかに選手の心の中にあった。「ちゃんと届いてた」。力になれていることがうれしくて、大好きな女バスをもっと多くの人に知ってほしくて、号外もほぼ徹夜で作った。(急だったのにチェックしてくれた皆さん、あの時は本当にありがとうございました)翌日の最終戦は第4クオーターに逆転されて、入れ替え戦には行けず。終わった瞬間は涙が止まらなかった。リーグ戦に懸ける思いを間近で見続けたからこそ、昨年は感じなかった感情をたくさん味わった。

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△女バスで初めて作った号外

「ゆなちゃんがいてくれたから最高のリーグになった」。その日の夜、LINEやInstagramののDMに届いた数々の「ありがとう」。本当にうれしくて、何度目かわからないくらい視界がにじんだ。勝負の世界は思い通りにはいかない。チームの一員でない私にはできることに限りがある。それでも取材をすることで力になれるなら、そんなにうれしいことはない。どれだけしんどくても、取材に行き続けたからこそ感じられた喜び。また1つ、続けてきたことが花開いた。

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△新チーム最初の大会で優勝した時の写真。いつも温かく迎えてくれてありがとうございます!

毎日を全力で駆け抜けるうちに、気づけばカンスポとして過ごす時間もあと1年になった。来年はアイススケート部フィギュア部門、準硬式野球部、バスケットボール部女子を担当させてもらえることに。どれも1年生の頃から取材に行かせていただいた競技。担当することができて本当に幸せに思う。競技が増えた分忙しくなると思うが、冬を越えた先に花が咲くように、全ての出来事がいつか必ず実を結ぶはず。支えてくれる人への感謝を胸に、来年もひたむきに頑張りたい。

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△準硬式野球部の5年振りリーグ制覇前日の写真。来春どんな景色が見られるのか楽しみです!
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△あと1週間ほどで始まるフィギュアスケートのインカレ。今年もすてきな演技を楽しみにしています!

選手たちのかけがえのない一瞬を残すお手伝いを、いつも見てくださる保護者や関係者の方へ良い記事と写真を、KAISERSを追いかけるファンの皆さんの日常を彩れるようなものを。1年後の今頃、心の底から「やり切った」と思って笑えるように。長そうでいて、振り返ればきっと短い365日。目まぐるしい毎日を楽しみ、ラストイヤーに満開の花を咲かせたい。【中吉由奈】

P.S.大好きなカンスポのみんなへ。いつも道しるべでいてくださった先輩方、日に日に頼もしくなっていく可愛い後輩、そしてずっと支えになっている同期。KAISERS愛にあふれていて、いつも目をキラキラさせながら話しているのを聞く時間が大好きです。取材はバラバラだけど、KAISERSが大好きな気持ちは一緒。何気ないことをみんなで話す時間が幸せです。残り1年、来年もよろしくお願いします!

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△同期のみんな

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