Loading Now
×

◇第73回全日本大学選手権大会決勝ラウンドグループステージグループD第3節◇対常葉大◇岐阜メモリアルセンター長良川メドウ

【前半】関大0-0常葉大
【後半】関大1-0常葉大
【試合終了】関大1-0常葉大

スターティングメンバー

GK山田和
DF桑原、大西、中島超、吉村瑠
MF村井、三木仁、和田、真田
FW大矢、淺田

グループ第3節は東海第1代表・常葉大学と対戦。関大はサイドを駆使しながら、ゴールへと迫る。得点が動くことはなく、スコアレスで試合を折り返した。試合を決めたのは、後半開始から出場したMF川島功奨(こうすけ=社4)。DF吉村瑠晟(経3)のクロスを頭で合わせ、先制に成功する。この1点を守り切り、インカレ最終戦を勝利で締めくくった。

AFC793E5-A3F1-4FE7-84DF-06AA7E39CABFIMG_0238-200x133 【サッカー】インカレ最終戦で勝利を収め、有終の美を飾った!
△応援に駆けつけた部員たち

「勝っても次につなげられないことが決まったから、どうしても複雑な気持ちはあった」(MF川島)。同会場で関大の試合前に行われた東洋大と日大の一戦。日大が勝利を収めたことで関大の3位以下が確定し、試合を迎える前にグループステージ敗退が決まった。それでも前田雅文監督は、「勝って大阪に帰ろう」と選手にげきを飛ばす。選手たちも士気を高め、インカレ最後の試合に臨んだ。

関大ボールでキックオフ。前半4分、ロングボールからDF吉村瑠が抜け出し、相手のファールを誘う。ここからフリーキック(FK)、コーナーキック(CK)と連続でチャンスが続く関大。得点とはならなかったものの、いい立ち上がりを見せた。関大ペースで試合が進むが、時折ピンチを迎える。同14分、相手がクリアボールを自ら回収し、左サイドへと展開。DF中島超男(こなん=商4)がコース切りながら対応するが、強引にシュートを打たれる。枠を捉えられたが、GK山田和季(社4)がかすかに触りポスト直撃。GK山田和のセーブがさえる。

39D98A46-2707-42C8-85A1-CCE7760C7340IMG_0529-200x133 【サッカー】インカレ最終戦で勝利を収め、有終の美を飾った!
△DF吉村瑠

前半は両サイドバックが中心となりチャンスメイク。右サイドでは、DF桑原航太(社2)とMF村井天(経2)が、連携してサイドを突破する。対して左サイドでは、持ち前のスピードを生かした縦突破がさえわたるDF吉村瑠。ドリブル突破やクロスから、ゴールへと迫る。

しかし、前半30分を過ぎたあたりから、流れは相手へと傾き始める展開に。同31分、ビルドアップから崩され、中央からの突破を許してしまう。GK山田和と1対1になるが、ここでもシュートを止めた。直後にも、右サイドから仕掛けられると、左サイドへと展開される。フリーの状態でボールを受けられ、ゴール前でシュートを被弾。しかし、ここもGK山田和が体を張り、好セーブを見せる。その後も、あわやゴールのピンチを迎えるが、最後のとりでとして立ちふさがるGK山田和。互いに得点を奪えず、スコアレスで試合を折り返した。

1CD5A58A-0347-4A58-AA87-809F6C0EB1D4IMG_0737-200x133 【サッカー】インカレ最終戦で勝利を収め、有終の美を飾った!
△GK山田和

ハーフタイムでMF村井に代え、MF川島を投入。後半開始からもDF吉村瑠の勢いが止まらない。開始からも積極的に仕掛けていくと、迎えた同4分。FW淺田彗潤(はうる=人3)から、DF吉村瑠へ。ゴール前を確認し、やや距離はあったもののクロスを上げる。ファーサイドで待ち構えていたのはMF川島。相手との競り合いに勝ち、頭で合わせゴールネットを揺らした。MF川島、DF吉村瑠は応援のもとへ。インカレ3試合目にして関大に待望の得点が生まれ、喜びを分かち合った。

EBA712B5-752E-44E9-BCB5-DE65FDFC6287IMG_0963-200x133 【サッカー】インカレ最終戦で勝利を収め、有終の美を飾った!
△MF川島
2951516C-B151-45BB-9079-2A0148EBED62IMG_0584-200x133 【サッカー】インカレ最終戦で勝利を収め、有終の美を飾った!
△得点後喜びを分かち合う

しかし、試合はまだ40分以上残されている。条件はあるものの、勝利で予選突破の可能性がある常葉大。関大の先制点獲得後は、より攻勢を強めていく。同9分、関大のパスミスからショートカウンターを受け、一気にゴール前へ。フリーの状態でシュートを打たれたが、DF陣の決死のスライディングでポスト直撃。また2分後には、相手GKのロングボールから中央を突破される。左サイドへと展開されクロスを上げられるが、GK山田和が触り難を逃れた。

その後は、一進一退の攻防を繰り広げる。同24分、左サイドでボールを奪い返したMF真田蓮司(法2)。3人に囲まれるも、個人技で打開。途中出場のFW前田龍大(人4)がパスを受け、ボックス内で勝負を仕掛ける。シュートを打ったが、惜しくも相手GKのセーブに遭い、追加点とはならなかった。その後も、MF真田がチャンスを演出していくが、得点には至らない。

8A536767-C58F-4D17-A3A7-99EB061AD75EIMG_0667-200x133 【サッカー】インカレ最終戦で勝利を収め、有終の美を飾った!
△MF真田

時間が徐々に経過していき、応援からは「お前らが歴史を変えるんや」と言葉が飛ぶ。終盤になっても積極的に追加点を奪いにいく攻撃陣。同45分、FW前田龍がファールをもらい、絶好の位置でFKを獲得する。だが、MF川島が蹴ったボールは惜しくも壁に当たり、ゴールとはならなかった。後半のアディショナルタイムは4分。両校の得点が動くことはなく、試合終了の笛が鳴り響く。ウノゼロ勝利を収め、インカレは幕を閉じた。

1BD4BE47-CF6E-4975-940A-65BC3F82D95AIMG_0926-200x133 【サッカー】インカレ最終戦で勝利を収め、有終の美を飾った!
△FW前田龍

インカレ最終戦で勝利を飾り、グループ3位で大会を終えた。試合前に予選敗退が決まり、複雑な気持ちが選手たちにはあったことだろう。そんな中でも、貪欲に勝利を求め、見事に白星をつかんだ。ここ3年、総理大臣杯とインカレに出場するが、勝利からは遠ざかっていた関大。目標である『日本一』には届かなかったものの、間違いなく大きな1歩を踏み出した試合となった。「今日勝ったことによって、嫌なジンクスというか、関西大学は全国で勝てないという流れは断ち切ったと思う。ここから新しい関大を作っていってほしい」(MF川島)。『全員サッカーで日本一』は、次の世代へと託された。【文/写真:岩口奎心】

▼MF川島

「(後半からの途中出場で意識したこと)この1年間は自分がチームを勝たせないといけないという責任を感じていた。すごく気持ちを込めた後半の立ち上がりだった。(ゴールシーンを振り返って)立ち上がりから左サイドの吉村瑠晟が突破できているなと思っていた。クロスが入ったら1本ぐらいはチャンスが来るだろうと思ったから、対空時間の長いボールが来たが、自分の助走の距離と、あのタイミングで相手の体の向きを考えた時に、これは勝てるなと思った。もう本当に気持ちで押し込んだゴールだった。(試合を迎える直前でグリープステージ突破が消滅し、その中で試合に望まなければならなかった)やっぱりすごく難しいものがあった。勝っても次につなげられないことが決まったから、どうしても複雑な気持ちはあった。それでも、関西大学体育会サッカー部の4年生として後輩たちに何か示さないといけない。なおかつ、Jリーガーとしてのプライドと責任も背負って戦ってきた。まだやれることはあると思ったし、そこを出せたのはすごく自分に甘いかもしれないが、今日だけは自分を褒めてあげたい。(チームとして3試合で1得点のみ)責任はすごく感じていた。やっぱり得点が取れないのは自分の責任だと思うし、それは重々に承知の上でこの大会に挑んでいる。内定選手として、4回生として、 無得点で関西大学が大会を去るということはあり得ない。そういうところを示せたのが良かった。(最後のピッチに木邨がいなかった)本人が一番責任を感じていると思う。最後の試合は一緒に出たかったけど、 サッカーはレフェリーが絶対なので。文句を言ったことは本人も反省しているし、そういうところは彼も先があるので、これを次につなげてもらいたい。いずれJリーグで対戦するから、負けないように自分も頑張りたい。(岐阜まで応援に駆けつけた部員たちに向けて)自分はシーズン途中で右ひじを脱臼してしまい、離脱する期間もあった。そういう時に支えてくれたのは、やっぱり同期である4年生とか、トップチームにいる木邨(優人主将=政策4)をはじめ同期のみんなだった。そういうところは、1つ自分が絶対に恩返しをしたい大会だったから、本当にみんなにささげたゴールというか、本当に自分1人で取ったゴールではないと感じた。そういう感謝の気持ちを形に現したゴールだった。(後輩たちへのメッセージ)今日勝ったことによって、嫌なジンクスというか、関西大学は全国で勝てないという流れは断ち切ったと思う。ここから新しい関大を作っていってほしい。強い関大、周りからも全国からも強いと言われる関大を取り戻してほしいなと思う」

コメントを送信