◇第93回全日本フィギュアスケート選手権大会2日目◇12月21日◇東和薬品RACTABドーム
[男子FS結果]
11位 片伊勢 137.16
18位 朝賀 131.75
[男子総合結果]
13位 片伊勢 212.78
18位 朝賀 199.33
全日本フィギュアスケート選手権大会(全日本)2日目は、男子のフリースケーティング(FS)が行われた。初日のショートプログラム(SP)を通過した朝賀俊太朗(文1)と片伊勢武アミン(法3)が出場。総合順位では、片伊勢が13位、朝賀が18位となった。
初出場ながら堂々とした滑りで、SP19位につけた朝賀。第1グループの最終滑走で登場した。憧れの高橋大輔さんがかつて滑っていた、『Buenos Aires winter』。冒頭のコンビネーションジャンプは、着氷が乱れてしまう。しかし、その後は転倒なく次々とジャンプを決めた。終盤のコレオシークエンスでは、得意とするステップで会場を魅了し、力強さを表現する。また、全てのスピンでレベル4を獲得。「一番楽しく滑れたことが本当に良かったなと思います」と試合を振り返る。公式ではまだ発表されていないが、初出場の中で最高位の選手に贈られる新人賞受賞も濃厚。朝賀は今年でジュニアは終了となり、来年からはシニアが主戦場になる。シニアに向けて、ステップが強みであることを再認識し、課題にはスタミナ面、4回転を視野に入れたジャンプの強化を挙げた。
4年連続4回目の出場となる片伊勢。前日のSPでは今年のパーソナルベストをたたき出し、10位につけた。昨年から継続のプログラム、『Tree of Life Suite』。プログラムの流れを意識し、ジャンプを変更した。トリプルアクセル、3回転ルッツは回転不足に。しかし、2つのスピン、ステップでレベル4を獲得した。「全体としては、大崩れすることなく最後までまとめることができたと思います。点数には反映されていなかったので、そこは悔しいというかふがいない気持ちでいっぱいです」と振り返った。
初出場の朝賀も大健闘し、男子の全日本を終えた。あすは、女子FSに白岩優奈(文4)が出場。ラストの全日本で笑顔の花を咲かせてみせる。【文/写真:貴道ふみ】
▼朝賀
「(振り返って)本当に楽しかったなというのが今きていて、演技内容は置いておいて、一番楽しく滑れたことが本当に良かったなと思います。(緊張はあったか)今日も緊張というのはなかったのですが、6番目だったこともあって、待ち時間もかなり長かったので、そこでの気持ち的な部分でも、身体的な部分でも落ちないように少し気を遣っていたのですが、そこまで心配するようなものもなく、とりあえず良かったです。(シニアで戦える部分)FSのリザルトを見たら、ステップでレベル4をとることができていたので、そういった部分では、人にはできないものだと思ってはいるので、そこは自分の強みだと再認識しつつ、ジャンプ面でももっと飛べないと、回転数を上げないと上では戦えないと思っているので、まずはそこをしっかり徹底的にやりたいです。PCS(演技構成点)でも、まだまだ自分の目指しているところにはたどりついていないので、そこも課題かなと思います。(タンゴはどのようにイメージして作っているのか)ホールドのポジションの姿勢が多いので、振付の𠮷野晃平先生を何度か抱きながら滑ったりもしたので、振付でもそういったところを晃平先生とやっていたので、立体的に見せられたかなと思います。(ブラッシュアップしてきたこと)ステップシークエンスが30秒増えたというのがあって、そこをしつつの今日ははまらなかったトリプルアクセルを本当は入れたかったです。そこの部分を練習してはいて、それでもやっぱりステップに集中してしまうのが練習ができていないのが原因だとは思うので。シニア課題で30秒増えたステップが来年からは必須になると思うので、スタミナ面をもっとつけられたらなと思います。(最後のコレオシークエンスのイーグルについて)僕はイーグルが好きなので、あそこが音にも合うところなので、身体全体を使って表現したいなとはずっと思っていて、試合を何度か重ねるうちに、ここはまるなというのがあってあの形になったのですが、そういうのも見つけられるくらいには試合で余裕が出ています。もっとイーグルだけでなく他の面でも、アピールできたらなと思っています。(観客の多さについて)今日は昨日よりも見た感じのお客さんの人数が多かったので、始まる前からわくわくしていて。昨日よりかは本当に魅せるというのがずっと頭にあって。昨日は若干緊張があって上を見ることができなかったのですが、今日のFSでは上を見て滑るところも多いので、上の方まで見て踊れたんじゃないかなと思います。(衣装について)高橋大輔さんが同じ曲をされていた時の衣装を参考にさせてもらって、衣装さんと一緒に作り上げました。(目標の新人賞受賞について)本当にうれしかったです。(シニアでの目標)今日できなかったトリプルアクセル2本はもちろん、4回転の練習もそろそろ始めたいと思っています。そこを来シーズンまでには、1本、2本は跳べるようにしたいです。(4回転について)今シーズンが始まる前にやっておいたのですが、シーズン中は本格的にできなくて。一から始める感じです。(種類に関係なく)まんべんなくやってみて、はまるものを本田武史コーチに見てもらいながら探していきたいです。武史先生を見本にしながらやっていければと思います」
▼片伊勢
「(演技を振り返って)全体としては、大崩れすることなく最後までまとめることができたと思います。点数には反映されていなかったので、そこは悔しいというかふがいない気持ちでいっぱいです。(継続プログラムについて)自分が得意としているプログラムのタイプで、自分でも滑っていて身体が乗りやすいというか気持ちの良いプログラムです。2年継続ということで、さらに世界観を表現できるようにたくさん練習はしてきました。(後半のジャンプの構成を変えたことについて)今シーズンは元から完成度の高い演技が目標だったので、難しい技術はもちろん必要なのですが、それよりはプログラムの流れを意識する演技にしました。(2年前の同会場で行われた全日本は悪い思い出があると言っていたが)何位で終わるかはわからないのですが、今の自分にできる最大限の演技はSP、FSともにできたと思うので、また次この会場で全日本があるとしたら、さらにパワーアップした自分で帰って来られるようにしたいです。(点数に反映されない原因)あまりよくわからないのですが、ジャンプの基礎点が元々かなり低い方なので、着氷の際に加点がつくようなジャンプじゃないと、演技全体としての点数が伸びにくいのかなと思います。(手応えは)かなり疲れていたので、堪えるので、降りるので必死というふうになってしまって。練習の1本集中のジャンプの質とはまた違ったものになってしまったのかなと思います」
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