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◇第102回関西学生リーグ後期第11節◇対関学大◇11月17日◇ヤンマースタジアム長居

【前半】関大0-0関学大
【後半】関大1-1関学大
【試合終了】関大1-1関学大

スターティングメンバー
GK山田和
DF桑原、大西、木邨、吉村瑠
MF村井、宮川、和田、真田
FW堀、前田龍

リーグ最終節は伝統の関関戦が実現した。前半は、関学大が終始ボールを支配し、関大は自陣に押し込まれる。しかし、DF陣の集中した守りで得点を与えない。後半に入ってからは、関大にもチャンスが訪れるが、ゴールとはならず。すると、同31分に先制点を献上。追いかける展開となったが、途中出場のMF三木仁太(政策3)が同点弾を決める。そのまま試合は終了し、引き分けで最終節を終え、リーグ準優勝となった。

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△応援に駆けつけた部員たち

今季の関西学生リーグも最終節を迎え、多くの観客が集まったヤンマースタジアム長居。リーグ最終節は、伝統の関関戦が実現した。試合は関学大ボールでキックオフ。前半序盤から関学大がボールを支配しながら試合が進む。序盤は互いにチャンスはなく、前期同様に固い試合の入りとなった。

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△MF宮川大輝(文1)

同20分頃から関学大にチャンスを作り始められる。関大のハイプレスを細かいパスで回避され、攻め込まれる場面も。しかし、DF木邨優人主将(政策4)、DF大西志有太(文3)のセンターバックコンビが、体を張った対応で得点を許さない。また、シュートやクロスを上げられる場面では、GK山田和季(社3)が最後のとりでとして関学大に立ちはだかる。

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△DF大西
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△DF吉村瑠晟(経3)

同42分、FW堀颯汰(人1)がドリブルで侵入し、MF真田蓮司(法2)をつないでボールはFW前田龍大(人4)の下へ。反転しシュートを打ったが、ゴールとはならず。関大が前半に打ったシュートは、FW前田龍のこの1本のみ。「本当に苦しい前半だった。シュートの本数も相手の方が断然多かったし、チャンスを作る回数も相手の方が多かった」とDF木邨主将。守備の時間が長く、なかなか攻撃に転じられない苦しい前半を終えた。

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△GK山田和

エンドが変わった後半。中盤でボールを失い、ショートカウンターからピンチを招く場面が目立つ。前半同様、試合を優位に進めることができない。この試合状況に、前田雅文監督が動く。同13分、MF宮川に代え、けがから4試合ぶりに復帰を果たしたMF三木仁を投入した。「奪った後のボールを落ち着かせることは、ベンチから見てて必要なことだと思った」とMF三木仁。出場後から関大のビルドアップも安定感が増し、少しずつ関大にも流れが傾き始める。

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△MF三木仁

前半はわずか1本しかなかったシュート。その中で、紫紺のエースナンバー『17』を背負うFW前田龍が魅せた。ハーフウェイラインから後ろ向きでボールを受けると、ワンタッチで反転し相手DFの逆をつく。そのままドリブルで駆け上がると、ペナルティエリアまで侵入。シュートまで持っていくことはできたが、惜しくも相手DFのブロックに遭い、先制点とはならなかった。チャンスがない中でも、個人技で局面を打開し、プレーでチームを鼓舞する。

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△FW前田龍

両者得点が動かないまま試合は続いたが、一瞬の隙を突かれ先制点を献上した。多くの選手がこの失点後にうつむいたが、DF木邨主将は周りの選手に声をかけ続ける。引き分け以上でリーグ2位以上が決まる今節。インカレの決勝ラウンド進出も決まるなど、今節の勝敗がこの後の鍵となることは部員全員が理解していた。再び前を向き、まずは同点弾を奪いにいく。

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△DF木邨主将

関大は後半終盤に差しかかっても、ハイプレスの強度が落ちない。この連続したプレッシャーが同点弾を生んだ。相手DF陣が後方でパスをつなぐ中、関大のプレスからパスミスを誘発。これを途中出場のFW兎澤玲大(法1)は見逃さなかった。すぐさまボールを奪い、ペナルティエリア内に走り込んできたMF三木仁へ。ゴール前でも冷静に相手を見極め、同点弾を決めた。残り時間で逆転を狙いたいところだったが、同点のまま試合終了のホイッスルが。その瞬間、両校の選手はピッチに倒れ込む。この試合で関西学生リーグの全日程が終わり、集まった観客からは温かい拍手が送られた。

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△表彰状を持つGK安田翔悟(シス理4=左)とカップを持つDF木邨主将

この結果から、関大は2年連続のリーグ準優勝。選手たちが口にするのは「悔しい」の一言だ。前期では終盤の失速でリーグ1位での折り返しがかなわず。後期では優勝に近づくも、目前のところで結果が出ず首位陥落。あの試合を勝っていればと思う選手も多い。実現できたかもしれないからこそ募る悔しさ。今季に残された舞台は、インカレのみ。関大は関西地区第2代表として、決勝ラウンドのグループステージ進出を決めた。今年から大きく改革が行われたインカレ。関大はここ3年、夏冬合わせて学生の全国大会は、5大会連続の初戦敗退が続いている。今季の悔しさは今季でしか晴らすことはできない。『全員サッカーで日本一』を達成するために、今季最後の挑戦が始まる。【文・写真:岩口奎心/写真:市場薫、上田峻輔、合田七虹】

▼前田監督
「(リーグ準優勝の率直な気持ち)ここ数年、上位・下位チームとの差がどんどんなくなってきて、リーグ全体のレベルがそんなに差がなくなってきたというか、断トツのリーグ優勝のチームもない印象。(リーグを振り返って)夏にしっかり合宿に行けなかった。総理大臣杯もあり日程的に厳しかったりとかで、そこら辺で積み上げられなかった。総理大臣杯に出ていないチームたちが、勢いよくやってきたなというのもある。あとは前期のところで結構勝ち点を重ねられたから、アグレッシブルに関大に対してくるなというような試合も多かった。(インカレに向けて)うちは他の大学に比べるとスポーツ推薦とかも少ない。なかなか厳しい日程だが、チーム全体で頑張って底上げをしながらやっていきたいと思う」

▼DF木邨主将
「(前半を振り返って)本当に苦しい前半だった。シュートの本数も相手の方が断然多かったし、チャンスを作る回数も相手の方が多かった。その中で前半を0で抑えられたことは良かったと思う。でも、自分たち最終ラインがもう少し細かなラインコントロールとか、そういうところを含めてやっていれば、もう少し楽な展開になっていたと思うから、そこは改善点だと思う。(後半に先制点を献上した後のチームの状況)点を入れられた後は、みんなを見ると結構顔が下を向いていたりとか、落ち込んだ雰囲気があった。でも、自分は声をかけ続けて、1人でも前向きな気持ちで戦えるようにするというところ、失点した後の振る舞いとかは、自分の中で工夫してやった。(相手のミスを見逃さなかったMF三木仁の同点弾)2位以上であれば、インカレにプレーオフなしで決勝ラウンドに出られる。自分たちはその状況をわかっていたし、同点であれば2位通過。前線からプレスをかけて、相手のパスミスを誘発できたのは良かった。(前期リーグを振り返って)前期は、開幕から第9節までは無敗でいけていたが、残り2節で連敗をしてしまった。でも、試合中盤のところで点を入れて、逆転勝ちしたり、勝ちに持っていくことができたところは、自信にもなった前期だったと思う。(後期リーグを振り返って)後期はけが人が増えた。その中でも誰が出ても勝てるチームにならないといけない。インカレの日程を見ても連戦があり、選手層の厚さが大事になってくる。そこは改善しないといけないところ。失点が上位チームとの対戦で増えてしまったところは、最終ラインでプレーしている自分の責任が一番大きいと思う。もっとチームに対して声をかけたり、自分がもっと細かなラインコントロールとか、そういうところを含めてやっていれば改善できた。後期で勝ち点を積み重ねられなかったのは、前期が上手くいったから、どこかで勝てるやろとかそういう甘い考えがあったのかなという風に思う。そこでもっと自分が声をかけて締めて、甘い考えを少しでもなくして毎週の試合に臨めていたら、2位という結果ではなくて優勝という結果にもつながっていた。自分たち4年生はこれでリーグ戦は終わりになるが、後輩のみんなにはその経験を来年のリーグ戦に生かしてほしい。(リーグ準優勝の率直な気持ち)率直に悔しいという気持ちが一番大きい。昨年も2位で準優勝。昨年の結果を超えられなかったし、関大としてリーグが通年制になってから優勝ができていない。今年はそれが達成できる目の前で、また勝ち点2差で優勝できなかった。本当に今年のリーグ戦は自分的にも、悔しいリーグ戦になった。(インカレに向けて)例年とは違って、新しいレギュレーションで連戦になることは確定している。ここから約1カ月ぐらいあるから、しっかり一人一人が個人のレベルアップをしてインカレに臨んで、『日本一』という目標を達成したい」

▼MF三木仁
「(けがで試合に出れない時期をどう過ごした)けがをしてしまい自分がピッチに立てなくて、チームが勝てない状況が続いてしまった。自分の中で歯痒さだったり、自分が出たらもっとやれたのかなとか。その中でも、自分にできること考えて、応援とかチームに声をかけたりする。そういう部分でもっと何かできたのではないかなと思う。試合に出れない分応援に入ってたからこそ、ピッチに立てる喜びとかを改めて今日感じることができて、いい経験だったかなという風に思う。(途中交代で意識したこと)0対0で関関戦というところと、最終節というところもあって、勝ちにいきたかった。先制されて難しい状況だったが、上手く点を取れて良かった。(途中交代後中盤が落ち着いた)奪った後のボールを落ち着かせるというところは、前さん(=前田監督)からも言われた。自分も外で見てて、それは必要なことだと思ったし、 奪って落ち着くことごできれば、みんなの守備で上がった息を整えられる。そういう部分を今日はちょっと意識して入った。(リーグを振り返って)前期は上手くいっている中、残り2節の時に甘さというのがチームとして出た。チームとして最後1節に上手く流れを止めれていれば、もっと楽に後期を迎えられてたと思うから、そこは1つの課題。後期も最後の方にどんどん勝ち点を落としてしまって、詰めの甘さであったり、ビッグマッチへの弱さっていうのは、インフルで克服したい。(リーグ準優勝の率直な気持ち)率直に悔しいというのが一番。4年生に引っ張られながら、1年生の頃はちょくちょく出させてもらった。それでもチームとして勝てなくて4位。昨年は自分も主体でやらしてもらったが、勝ち点2差であの試合を勝っていればとか悔しい部分があった。その中で今年も望んだが、やっぱり悔しい。(インカレに向けて)目標としては、チームとして『日本一』を目指している。全国でここ5大会、勝てていないというのが現状であって、 まずはその初戦に向かって絶対勝ちにいく。そこで勝てれば流れにも乗れると思うから、まずはそこに向けて頑張っていきたい」

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