◇2024近畿フィギュアスケート選手権大会◇9月28日◇大阪府立臨海スポーツセンター
[シニア男子SP]
6位 片伊勢 65.66
[シニア女子SP]
4位 白岩 52.85
8位 木下 44.61
10位 久保 40.94
11位 鈴木 38.99
19位 滝野莉 29.83
[ジュニア男子FS]
1位 朝賀 122.73
[ジュニア男子最終結果]
1位 朝賀 194.11
近畿選手権大会(近畿)2日目を迎えた。関大からはシニアに6名、ジュニアに1名が出場。シニアのショートプログラム(SP)、そしてジュニアのフリースケーティング(FS)が行われた。昨日のSPで首位だった、関大の超新星・朝賀俊太朗(文1)がFSでも圧倒的な差をつけて1位に。堂々の優勝を決めた。
この日最初に行われたのは、シニア男子SP。昨年、近畿3位入賞の片伊勢武アミン(法3)は、昨年より継続のプログラム『Adiós Nonino』を披露する。ピアノの音に合わせ、スケートリンクの際まで広く使いながら、滑り始めた。冒頭のトリプルアクセルは着氷が乱れてしまう。それでも、その後は大きなミスもなく、終盤のフライングシットスピンではレベル4を獲得。指先まで美しい演技で、会場からは歓声が沸く。65.66で6位につけた。
夕方からは、シニア女子SPが行われる。関大で最初に登場したのは、木下咲良(人3)。プログラムは『SAYURI』を選んだ。表情豊かに滑り出すと、繊細で優美なスケーティングを披露。回転不足などはあったものの、すべてのジャンプを着氷させる。また、スピンやステップはすべてレベル3を獲得するなど、安定した演技を見せた。
木下からのエールを受け取り、鈴木なつ(人3)もリンクイン。昨年の西日本で4位となったプログラム『River Flows In You』を披露した。1本目の3回転ループでは着氷が乱れたものの堪える。しかし、2本目の3回転サルコーで転倒。それでも、笑みを絶やすことなく、優しい音に合わせた、柔らかくも芯のある滑りを見せた。
久保智聖(人4)は『エデンの東』を披露。フルートの音色に合わせ、全身を使ったしなやかなスケーティングでスタートさせる。美しいスパイラルなども決まり、曲の世界観へと観客を引き込んだ。ジャンプの回転不足などはあったが、目立つミスなく演技を終える。最後には笑顔を見せた。
続いて、滝野莉子(人4)。昨年からのプログラム『Scheherazade』。上半身や手を使った美しいパフォーマンスは、衣装の華やかさを際立てる。変わりゆく曲調に合わせた演技を披露。2本目のジャンプであるダブルアクセルで転倒してしまう場面も。直後のレイバックスピンではレベル3を獲得。身体の柔らかさを生かしたビールマンスピンも美しく決める。テンポが変わる曲調も踊りこなし、最後は身体を反らしたポーズを決め、演技を終えた。
ラストの白岩優奈(文4)は青と赤のコントラストが美しい衣装で登場。『Titanic』のメロディに合わせ、スタートした。冒頭の3回転ルッツは転倒。しかし、その後のジャンプは全て着氷させる。また、足替えコンビネーションスピンでは、レベル4を獲得。繊細ながらも力強さもあるスケーティングを見せた。転倒があったものの、SPは4位に。
この日最後に行われたジュニア男子FS。昨日のSPで2位と6点差以上もつけ首位となった朝賀が、最終滑走で登場。出番は23時前となったが、午前からベンチで他の選手を声を出して応援していた場面も。『Buenos Aires winter』を披露。メリハリのあるスケーティングで演技がスタートする。最初のジャンプであるトリプルアクセル+3回転トーループのコンビネーションは、GOE(出来栄え点)1.60の加点を得た。このジャンプが決まると、会場からは拍手と歓声が送られた。曲調がスローテンポになったところで、ジャンプが乱れてしまう。「足にきていてこれはやばいなと。案の定、体力がなくて後半は散々でした」と試合後のインタビューで振り返った。それでも、2位と差をつけ、FSも首位に立った。総合得点では、2位と約20点差をつけ優勝。しかし、試合後には、「一番してはいけないミスは最後のジャンプだと思っているので、そこをミスしてしまったのが一番悔しかったです」と悔しさもにじませた。
近畿ジュニア優勝を果たした朝賀の次なる舞台は、これまでも好成績を収めている西日本ジュニア。西日本ジュニアでは、表彰台を目標とし、さらにその先の全日本ジュニアを見据えている。あすはシニアのFSが行われる。朝賀に続き、西日本出場、表彰台を狙う。【文:貴道ふみ/写真:金佐康佑、貴道ふみ】
▼朝賀
「(演技を振り返って)後半がひどかったので、その印象しかないですね。後半の止まるところあたりから足にきていて。これはやばいなと。案の定、体力がなくて後半散々でした。1本目のトリプルアクセル+3回転トーループが決まり、めちゃめちゃテンションが上がりました。歓声もすごく聞こえる場所でそれも相まって。2本目は崩れてしまいましたが。すごく上がってました。(演技直後のようすについて)演技の印象として、後半のミスは大きくお客さんの目にも記憶にも残ってしまうので。自分にも一番ミスというのが頭に残っていて。一番してはいけないミスは最後のジャンプだと思っているので、そこをミスしてしまったのが一番悔しかったです。(西日本ジュニアに向けて)西日本ではここ数年はいい成績が残せているのですが、その先の全日本ジュニアは毎回悪い結果となってしまっているので、今回は西日本ジュニアから海外で戦っていた選手も出てくると思うので。その選手に負けないように、とりあえずは表彰台以上、一番高いところを目指して頑張って、その先というのを目標に考えています。(今季どこにたどりつきたいか)僕自身が踊りをすごく大切にしているので、自分がやりたい踊り、演技をやればおのずと結果も出てくると思うので。一番は自分のやりたい演技、見せたい演技をやりたいなと思っています。(かなえるために)近畿ジュニアまでの練習はこれまで以上に取り組んだ自信はあったのですが、結果的にSP、FSでミスをしてしまって。足りない部分が見つかったので、西日本ジュニアに向けて、近畿ジュニアまでにやってきた練習以上のものをやらないといい結果が出ないとわかりました。西日本ジュニアに向けてはこれまで以上にもっともっと練習していきたいと思います」
コメントを送信