はじめに
最後のコラムだというのに、内容を決められずに12月31日になってしまった。「あとがき」というタイトルをぼんやりと思い浮かべていたけれど、何を書けばいいのか分からない。関大スポーツ編集局(カンスポ)を引退するという実感がまだ湧いていないからかもしれない。小説に書かれている「あとがき」は、その本を読んでいなくても、本を書いた人がどんな人物なのかを想像するために存在する。大層なタイトルをつけてしまったが、そんなに実のある話をできるだろうか。コラムの終着点の想像はつかないけれど、とりあえず今までを振り返ってみようと思う。
振り返って
ルールもろくに知らないまま、2年生のときに班長になったソフトテニス男子。1度も取材に行ったことがなく、気持ちを占めるのは不安ばかり。それでも、温かく迎え入れてくださる皆さんのおかげで、取材が楽しみになっていった。初めは少しおびえながら座っていた審判台の下は、いつの間にか私の特等席に。自分しか撮影できない場所、角度、瞬間。考えながらカメラを構えて、メモ不足になることも。それでも、全力でプレーする選手と関大らしさあふれる応援を、写真に収めるのに夢中だった。取材先まで片道3時間半かかろうが、会場に電波がなかろうが、遠征先でリュックが一晩行方不明になろうが、試合を見るのが楽しくてそんなこと忘れられた。「いつもありがとう」。部員の方々は取材に行くたびに言ってくださっていたけど、私も伝えたい。2年間、本当にありがとうございました。

2年間班長をさせていただいた航空部。昨年、初めて福井空港で取材したときに、大自然を悠々と飛ぶグライダーを見て心が晴れやかになった。そして、まさかの高校の同級生がいることが発覚。「めっちゃいい写真やった」とメッセージを送ってくれて、すごくうれしかったです。ありがとう。唯一の心残りは、天候不順などが重なって今年は取材に行けなかったこと。リベンジはできないけれど、来年こそは搭乗してみたいです。

一番たくさん取材させていただいたテニス部。1年生の時に、七虹さん(=合田七虹・社4)に連れて行ってもらったインカレが、初めてのテニス取材だった。あの遠征に行っていなかったら、今担当していないかもしれない。七虹さん、連れて行ってくれてありがとうございました。
どの試合も忘れられないけれど、特に今年は、ドラマが詰まっていたように思う。男子のリーグ戦、主将の大逆転劇で優勝が決定した瞬間を見られたことは、一生の思い出だ。「学生記者やってて良かったね。こんな瞬間見れること、一生に1回あるかないかだよ」。スポーツアドミニストレーターの永富さんにかけてもらった言葉に、大きくうなずいたことを覚えている。さらに、王座では女子が創部初の優勝。最後は応援する部員の方々の横に並んで、泣きながらシャッターを切り続けていた。感情は大波に揺られていたけれど、意外にも頭は冷静で、写真を撮ってはISOとシャッタースピードを調整。そのおかげで、最高の瞬間を収めることができたと思う。駆け寄る部員さんたちの笑顔と涙。いろいろな人の感情が詰まった写真を見返すと、今でも感動がよみがえる。あの時、ちゃんと記者をできていた私に拍手を送りたい。また、「森さん、いつもありがとう」と、話したことのなかったOBの方が言ってくださったことも、王座での思い出の1つ。そして、最後の遠征兼取材もテニスだった。最後の瞬間をかみ締めながら、有明テニスコートで取材させてもらえたことも、すごくうれしかったです。貴重な経験をたくさんさせていただき、本当にありがとうございました。


カンスポで過ごした3年間を振り返ると、楽しかった思い出と、関わってくださった方々への感謝の気持ちでいっぱいです。いつも快く取材を受けてくださるKAISERSの皆様、手助けしてくださった大学関係者の皆様、温かい言葉をかけてくださるOB・OGや保護者の皆様、そして、活動を後押ししてくれた両親。本当にありがとうございました。学生記者としての生活は、ここで終わり。これからは1ファンとして、KAISERSの活躍を見届けたいと思います。

みんなへ
書こうか迷ったけど、引退式では大号泣でろくに話せないと思うので、ここでみんなへの感謝を。
まずは先輩方。たくさんご心配をおかけしたと思いますが、なんとか終わりを迎えることができました。現役の頃は指導していただき、そして引退後は温かく見守ってくださり、ありがとうございました。編集中にもたくさんの差し入れをいただけて、部員一同大喜びでした。大量の差し入れも、実はほとんどを1週間くらいで食べきっていたことを、ここで謝罪します。すみませんでした。でもすごくおいしかったです。
1年生、短い間だったけど、ありがとう。一緒に取材に行けることもほとんどなかったし、編集期間中しか関わることがない人が多かったけど、みんながいろいろなことに挑戦している姿に励まされていました。もしかしたら、編集も取材もしんどいと思うことが多いかもしれない。けど、やりがいはここから2年かけて見つければいいと思うので、誰も欠けることなく、最後までやり切ってほしいです。応援しています。
2年生、2年間ありがとう。先輩らしいことをできた記憶は全然ないし、威厳も全くなかったと思う。それでも、後輩として支えてくれたこと、向上心を持って取り組んで、たくさん意見を出してくれたこと。何よりも、最後の紙面で1面を2年生が中心になって作ってくれたことが、すごくうれしかった。最後まで私が使いたいと言っていた写真で面を組もうとしてくれていたことにも、すごく感謝しています。素敵な紙面を作ってくれてありがとう。来年のラストイヤー、つらいこともあるだろうけど、みんなで同じ方向を向いて頑張ってほしい。1年後、全員が「楽しかった」と言い切って引退してくれることを願っています。
同期へ。良くも悪くも周りに影響を受けやすい私が最後まで全力でやり切れたのは、間違いなくみんなのおかげです。つらくても、それぞれが踏ん張って努力して、それでいて楽しんでいる姿を見ると、私も頑張ろうと思えました。引退旅行も卒業旅行も、12人で行きたい!MBTIはP型ですが、頑張って計画を立てます。(けど途中で停滞する可能性大なので手伝ってください。)「ありがとうございました」の過去形で終わらせずに、ずっと「ありがとう」を伝えられる関係でいたいです。引退するけど、これからもよろしくね。

あとがき
『一瞬を一生に』。スローガンとして掲げ続けた目標を、達成できたのかどうかは分かりません。誰かの記憶に残るものを、私たちは作り出せたでしょうか。その時の感動を思い出せる瞬間を、私たちは切り取れていたでしょうか。「こんなこともあったね」と振り返るときに、私たちが撮った1枚や書いた1文があれば、それ以上にうれしいことはありません。
長くなりましたが、改めて、たくさんの人のおかげで走り抜けた3年間でした。本当に、ありがとうございました。これまでの努力と与えてもらった感動は、これからの原動力に。自信と期待を胸に、次の1歩を踏み出します。【森奈津子】

コメントを送信