◇第102回関西学生リーグ後期第2節◇対びわこ大◇9月25日◇於・万博記念競技場
【前半】関大0-0びわこ大
【後半】関大1-0びわこ大
【試合終了】関大1-0びわこ大
スターティングメンバー
GK山田和
DF川島、大西、木邨、吉村瑠
MF村井、宮川、三木仁、真田
FW堀、淺田
前節は手痛い引き分けとなった関大。今節こそ勝ち点3獲得へ。後期第2節びわこ大戦に臨んだ。試合は相手がボールを握る時間帯が多く、守備がうまくはまらない場面が見られる。その中でも、DF陣を中心に集中した守りで、ゴールを割らせない。徐々に関大にもペースが訪れ、迎えた後半29分。相手陣地奥深くでボールを奪い、MF北村圭司朗(法2)がペナルティエリア内でボールを受ける。MF北村の落としを、MF川島功奨(こうすけ=社4)がダイレクトでシュート。ネットを揺らし先制点を獲得した。その後は得点が動くことはなく試合終了。TOPチームとして、2カ月ぶりの公式戦の勝利を飾った。
前節の手痛い引き分けから4日後に行われた後期第2節びわこ大戦。勝ち点を取りこぼすと順位が大きく変動するほど、上位4チームは混戦状態にある。「勝ち点3にこだわってやろうというのはみんなで意識した」と川島。今節こそ勝ち点3獲得に向け、試合に臨んだ。
関大ボールでキックオフ。前半1分、MF川島のスローインをMF村井天(経2)が収め、FW淺田彗潤(はうる=人3)へ。サイドからペナルティエリア内に侵入し、ゴール前にクロスを入れるが相手GKがセーブ。前半開始からゴールへと迫る場面を見せた。しかし、序盤にボールを支配したのはびわこ大。後ろから細かくつなぎ、関大陣地に侵入を試みる。関大は前線からのハイプレスで対応するが、うまく守備がはまらない時間帯も。相手のミスからマイボールとなり前線へと送るが、大きなチャンスにはつながらない。「ボールを持たせてもゴールを割らなかったらいいかなと思い、持たせるように切り替えた」(MF川島)。セットプレーなどのピンチもあったが、GK山田和季(社3)とDF陣を中心にゴールを守る。
時間の経過と共に関大にも流れが訪れる。右サイドを起点に攻め入ると、同21分にコーナーキック(CK)を獲得。MF真田蓮司(法2)が放ったボールに、DF木邨優人主将(政策4)が頭で合わせたが、惜しくも枠を捉えることはできず。DF木邨主将は悔しさをにじませた。飲水後の同25分には、高い位置でDF吉村瑠晟(経3)がインターセプト。自慢のスピードを生かし一気にペナルティエリア前へ。これに対し相手選手はファールで対応。直接ゴールを狙える位置で、フリーキックを獲得した。MF真田が直接ゴールを狙ったが、ボールは相手の壁に当たり先制点獲得とはならず。同33分には、MF真田の華麗なスルーパスで、背後へと抜け出したMF川島。ゴール前へ供給したクロスを相手GKがキャッチし切れず、ボールはFW淺田の下へ。無人のゴールへシュートしたが、相手選手のカバーが間に合いネットを揺らすことはできない。時間が進むにつれ拮抗(きっこう)した展開を見せるも、スコアが動くことはなく試合を折り返した。
選手交代なし後半戦へ。前半の終盤同様、互いに譲らない試合展開の中で迎えた同10分。DF木邨主将からのロングボールを、FW堀颯汰(人1)がペナルティエリア内で収める。MF真田がパスを受けゴール前へ侵入。その際、相手に倒されたが、主審はノーファールの判定でペナルティキック獲得とはならなかった。同14分には、MF三木仁太(政策3)のキラーパスを、うまくトラップしたFW淺田。左サイドのMF真田へと展開し、この場面でも積極的に仕掛けるもゴールには結びつかない。
同20分、FW堀とMF村井に代え、FW梅野雄大(商2)とMF北村を投入した。この2選手が攻守共に積極的なプレーを見せると、迎えた同29分。ついに待望の瞬間が訪れた。前線からのプレスで相手陣地でボールを奪った関大。FW淺田から技ありのスルーパスを受けたMF北村が、ペナルティエリア内でボールを受ける。スペースに走り込んできたDF川島。MF北村からの落としをダイレクトでシュートし、ネットを揺らした。「ずっと練習していたワンタッチシュートが形になって良かった」とDF川島。攻守共にチームを支える大黒柱が、チームに勢いをもたらす先制点を決めた。
1点を追うびわこ大は、果敢に同点ゴールを狙う。しかし、関大は全員の集中した守りで、ゴールを割らせない。試合はアディショナルタイムへと突入。同45+2分、カウンターから途中出場のFW兎澤玲大(法1)が抜け出す。得意の形から強烈なシュートを放ったが、かすかに相手GKが触りゴールとはならない。その後のCKでは、途中出場のMF松名大輝(法3)とDF和泉圭保(社1)がキープで時間を使う。そして、試合終了のホイッスルが鳴り響き、関大は勝ち点3を手にした。
約2カ月、これはTOPが公式戦で勝利を収めることができなかった期間だ。前期は他を寄せ付けない強さで首位を独走していたが、残り2節で2連敗を喫し首位の座を譲る形に。総理大臣杯も3年連続初戦敗退と、チームは苦しい状況にあった。試合後、DF川島も「すごくみんなが苦しい思いをした2カ月間だった」振り返る。その中でつかんだ勝ち点3を、次につなげていかなければならない。次節は、前期リーグ最終節に逆転負けを喫した因縁の相手である甲南大だ。DF木邨主将は警告の累積により、次節は出場停止。チームの主将、守備の柱が抜け、試されるのはチーム力だ。紫紺の戦士たちの真価が、今問われる。【文/写真:岩口奎心】
▼DF川島
「(ボールを持たれる時間帯が多かった)ボールを取りに行く選択肢を準備していたが、試合に入るとなかなかうまくはまらない時間が多かった。ボールを持たせてもゴールを割らなかったらいいかなと思い、持たせるように切り替えた。(前半終了時にげきが飛んだ)前半の内容は悪くも良くもなくて、1点取れればというのはあったが、終了に近づくにつれチームの雰囲気が乱れたり、良くない雰囲気になってしまった。そういうところで自分がチームを締めることだったり、キャプテンだけなく4年生である自分が意識して言った。(マッチアップの選手について)目の前の相手に負けないというのは常に意識していること。大臣杯の時にもみんなに言ったが、目の前の選手に負けることに対してアレルギー反応を持ってほしいというのは、ずっと言っている。それを自分が体現できなかったら口だけの人間になるので、自分が先頭に立って体現できたことが良かった。(前の試合と違うポジションで出場する時に意識していること)そんなに変わることはないが、球際のところで自分が奪いに行く場面が、後ろの方が多くなると思う。そこで負けないようにというのは意識して入るが、大きく変わることはない。(ゴールシーンを振り返って)ずっと練習していたワンタッチシュートが形になって良かった。なかなか点が取れない中で、自分がいるから大丈夫やという安心感を与えられる部分もあるから、大きな1点だったと思う。(今節を臨むにあたって意識したこと)絶対に勝ち点3は必要。リーグが混戦している中で勝ち点を1つでも落としてしまうと苦しくなる。そういうところでも、勝ち点3にこだわってやろうというのはみんなで意識した。(TOPチームとして2カ月以上公式戦での勝利がなかった)すごくみんなが苦しい思いをした2カ月間だったと思う。自分もチームを離れたり戻ったりとかで。チームを離れる時期の方が長かったかもしれないが、成長した部分をチームに還元する、チームの苦しい状況を一変させるというのが自分の役目。1つ形として出せたのが良かった。(次節甲南大戦への意気込み)求められるのは勝ち点3だけ。次は木邨(=DF木邨主将)が出れないが、自分が先頭に立って絶対に勝ち点3を取りたい」
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