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サヨナラ勝利で全日初戦突破!

サヨナラ勝利で全日初戦突破!

◇文部科学大臣杯第76回全日本大学選手権大会◇1回戦◇対九大◇8月24日◇嬉野総合運動公園野球場

九 大 000 000 001 0=1
関 大 001 000 000 1x=2

(九)谷口、山本―竹内、寺尾
(関)藤澤―福永

1(投)藤澤
2(中)佐竹
3(遊)福留
4(右)木下
5(一)今村
6(三)古田
7(左)日高
8(捕)福永
9(二)永村

リーグ制覇、関西選手権準優勝を果たし、7年ぶりの全日に挑む福永翔太主将(社4)率いる準硬式野球部。負ければ4年生は引退となる。福永準硬の集大成を見せる大舞台の初戦は、九大との一戦となった。

前の2試合が悪天候により度々中断し、会場を移動しての異例のプレーボールとなった。関大の先発はエース・藤澤駿平(政策4)。相手先頭打者を2球で投ゴロに打ち取るも、2番には左安を浴び、いきなり走者を背負った。しかし2死となった後、一塁走者が福永主将の送球で盗塁死。無失点の立ち上がりを見せた。

△福永主将

打線は初回から積極的に攻める。佐竹俊哉(情2)、福留涼平(商4)の連続四球で1死一、二塁の好機を演出。木下の打球で佐竹がタッチアップし、2死一、三塁で打席には今村優真(経3)が立つ。ヒット性の当たりを放つも、打球は惜しくも遊撃手のグラブに収まり、先制とはならなかった。

両投手好投を続ける中、3回に試合が動く。1死から四球で出塁した佐竹が盗塁を決め、2死二塁。4番・木下立清(りゅうせい=人3)がフルカウントから振り抜いた打球は一塁強襲の適時打となり、1点を先制した。援護をもらい、さらにギアを上げた藤澤は4~6回を三者凡退で切り抜け、1点リードで試合は終盤戦に突入。

△木下

7回、味方失策で先頭打者に出塁を許した藤澤は、続く2人の打者のゴロの間に進塁を許し、この日初めて得点圏に走者を背負う。2死三塁からは、5球連続ボールとなるなど制球が安定せず2者連続四球。満塁のピンチとなったが、最後は相手代打を二ゴロに仕留め、無失点で切り抜けた。

1―0からスコアが動かないまま迎えた9回表。先頭打者に右安を浴びると、次打者の犠打をうまく処理できず野選となり無死一、二塁のピンチとなる。さらに犠打で好機を拡大され、1死二、三塁。続く打者を空振り三振に斬り、勝利まであと1死だった。しかし失策の間に三塁走者が生還。土壇場で同点に追いつかれたが、逆転は許さなかった。

その裏、先頭の日高涼汰(経4)が四球で出塁し、福永主将の犠打で1死二塁。ここで登場した代打・柳澤颯(情2)が右前へのクリーンヒットを放ち、1死一、三塁の好機となる。しかし後続が倒れ得点できず、試合はタイブレークで行われる延長戦へ。

△柳澤

無死一、二塁から始まった延長10回表。犠打で1死二、三塁とされるも、藤澤は続く2人の打者を連続で投ゴロに打ち取った。打球が外野に飛べば複数失点の可能性もある緊迫した場面でも冷静な投球を披露し、サヨナラの場面を待つ。

△藤澤

延長10回裏、関大も先頭の福留が犠打を成功させ、打席にはこの日2出塁の木下。「1点を取れればいい場面だったので、自信を持って打席に立てた」と4球目を振り抜いた打球は中堅手の前へ。粘投を見せた三塁走者・藤澤が生還し、試合終了。劇的な幕切れで、2回戦進出を決めた。

△木下(中央右)を迎えるナイン

10回にわたる投手戦を制し、2回戦・名城大戦へと駒を進めた。サヨナラの場面では涙を流す部員の姿もあり、それだけ今大会に懸ける思いは強い。残る試合も持ち前のチーム力を発揮し日本一へ。福永準硬の視線の先には、頂点しか見えていない。【文/写真:島田采奈】

▽福永主将
「(長い投手戦となった)試合前は乱打戦というか、打ち合いになるかなと思っていた。打って、勝てるのかなと。序盤から中盤にかけて1点を争うゲームだなと幹部陣でも気づいた。捕手としてミスはできないし、投手を引き立たせなければいけない。藤澤と一緒に、毎イニング0点で切っていこうと話をしていた。(僅差のゲームをものにできた要因は)フィールドでプレーしていた選手はずっと試合に出ていたメンバーだったので、責任というか自分の役割を分かっていて、それを全うしてくれた。それ以上にベンチのメンバーの声が本当にすごかった。フィールドの選手の気持ちが少し切れそうになった時には『このまま気持ち切らしたらズルズルいくぞ』と。意味のある声をみんなが出してくれていた。スタンドのメンバーの人数も多いし、応援団の方も大きな応援をしてくれていて、自分たちが応援されていることを改めて実感できた試合だった。(あす以降への意気込み)きょうは自分の力不足でチームに迷惑をかけた。みんなのおかげでまた明日も野球ができるので、明日こそはチームを勝たせるキャプテンになりたい」

▽藤澤
「(投手戦で意識したことは)相手投手も野手で1番打者で自分と似ている選手。だからこそ負けられないという気持ちが強かったし、いつも通り0で抑えていれば味方が援護してくれるだろうと信じていた。(試合開始時間が読めない、直前の試合会場変更などがあったが)普段とは違う環境で、リーグ戦では絶対に起こらないことが起きたのは大きかった。チーム全体で勝つということは朝のミーティングでも話していたし、方向性は変わっていなかったので、多少の焦りはあったがチームの統一感はあった。(10イニングの登板だったがスタミナ面は)7回のピンチの時点でガス欠で、体力的にもしんどい部分はあったが、ベンチやスタンドを見て、応援してくれる方々がいると言い聞かせて。いつもはコースの意識しているが、みんなの思いを乗せて、『気持ち、気持ち』と意識していた。(あす以降への意気込み)日本一まではあと4戦。目の前の1戦1戦を勝ちに行って、その結果が日本一につながると思う。明日も悪天候が予想されるがチームの目的は変わらず。1戦1戦を勝ちに行って、日本一を目指したい」

▽木下
「(今大会に懸ける思い)4年生が最後の試合。ここまで引っ張ってもらったし、1日でも長く一緒に野球がしたい。4年生のために頑張った。(3回の先制打を振り返って)1打席目にいい感覚が得られたので、2打席目はいけるかなと。予想通りの結果が出て良かった。(サヨナラ打を振り返って)1点取れればいいという楽な場面だった。延長10回表を0点で抑えられたからこそ、自信を持って打席に立てた。(あす以降への意気込み)まずは1勝できた。それを積み重ねて、1日でも長く先輩と野球をする。最終的には優勝を目指して頑張りたい」

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