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◇第 29 回大阪選手権大会決勝◇対桃山大◇5月12日◇於・J-GREEN堺S1◇

【前半】関大1-1桃山大
【後半】関大1-0桃山大
【試合終了】関大2-1桃山大

スターティングメンバー
GK 安田
DF 上原、大西、木邨、吉村瑠
MF 川島、宮川、三木仁、村井
FW 淺田、大矢

3年連続の決勝の舞台に立った関大イレブン。前半、試合の入りが悪く、先制点を献上してしまう。しかし、5分後にMF川島功奨(社4)の右足の一振りで、試合は振り出しに。両者決定機がある中で両GKのセーブが光り、1-1で前半を折り返した。後半から途中出場したDF桑原航太(社2)。開始直後の決定機をものにし、逆転ゴールを決めた。その後は、足をつる選手が出るなど厳しい戦いが強いられたが、逃げ切りに成功。大会3連覇を達成し、天皇杯進出を決めた。

今年も大阪選手権の決勝に舞い戻った紫紺の戦士たち。両校の凄まじい熱量の応援が、決勝の舞台にふさわしいムードを作り上げる。

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△応援に駆けつけた部員たち

試合は相手ボールでキックオフ。開始直後から球際の攻防が激しい展開に。なかなかボールを保持することができず、前半11分を迎えた。「前半の立ち上がりは、今年に入って1番悪い立ち上がりだったと思う」とDF木邨優人主将(政策4)。中央から抜け出され、失点を喫した。前半の早くから追いかける形となったが、慌てることなく試合を進める関大。サイドを起点に攻め上がる中、同16分のことだった。ルーズボールを拾ったMF宮川大輝(文1)。少し時間を使いMF村井天(経2)へとつなぐ。MF村井がドリブルで突破を図るも、相手DFが対応。しかし、近くにいたMF川島功奨(社4)の元にボールが流れ、ダイレクトで右足を振り抜く。MF川島は「チームの流れがちょっと悪い中でも、右足の一振りで流れを変えてやろうと思っていた」。ネットに突き刺さり、試合は振り出しに。

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△同点ゴールに喜ぶ選手たち

このゴールで勢いづいた関大は、相手ゴールに襲い掛かる。同27分、MF村井からパスを受けたFW淺田彗潤(人3)が、中央から仕掛けシュートまで持っていくも得点とはならず。2分後には、DF上原壮(文3)が右サイドからカットインで中に切り込みシュート。しかし、相手GK正面でゴールとはならない。

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△DF上原

また、同32分には、DF上原からのパスをFW淺田がターンで相手を交わし、ペナルティエリアに進入。GKと1対1の決定機だったが、セーブされまたもネットを揺らすことはできない。5分後の同37分には、ロングボールに反応したDF吉村瑠晟(経3)。スピードを活かして左サイドを突破し、クロスを上げる。ボックス内でFW淺田が合わせるも相手GKに阻まれた。

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△FW淺田

追加点を奪えないまま迎えた同42分。相手GKのロングボールから、ひっくり返されペナルティエリア内に侵入を許してしまう。しかし、前の試合でPKストップに成功した頼れる副将、GK安田翔悟(シス理4)がスーパーセーブ。これ以上の失点は許さない。互いに決定機を演出するが、両GKのセーブが光り、同点で前半を折り返した。

負傷によりハーフタイムに、DF上原に代えDF桑原を投入。関大ボールで後半が開始し、わずか3分後のことだった。中央でボールを受けたMF川島が右サイドのDF桑原へ。トラップは少し大きく流れたものの、うまく処理して相手DFを1人交わし、右足一閃。シュートはネットに突き刺さり、逆転ゴールを決めた。「個人としては成功プレーから入るというのと、思いきりよく入る。チームとしても勢いづける入りをできたらと思った」とDF桑原。その後の守備でも存在感を魅せ、後半開始からチームに勢いもたらした。

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△DF桑原

相手も黙っておらず同9分、14分、15分にゴールに襲い掛かられる場面が。しかし、GK安田が難なくキャッチ。相手にゴールを割らせない。同18分、随所で攻撃の起点となり続けたFW大矢瑞樹(情3)に代えFW堀颯汰(人1)、MF村井に代えMF真田蓮司(法2)を投入。1点リードで時計の針を進める中、アクシデントが。今季公式戦初スタメンのルーキーMF宮川が足をつり、交代を余儀なくされ、MF和田健士朗(人2)をピッチに投入した。

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△MF宮川

しかし、その10分後にもDF大西志有太(文3)が足をつり、DF髙橋哲也(文2)がピッチイン。同35分、MF三木仁太(政策3)からFW淺田へ、相手の高いディフェンスラインの裏を狙うスルーパスが通る。ドリブルで仕掛け、バイタルに位置していたMF川島へ。フリーの状態で受けたが、シュートは枠の外。この一振りでMF川島も足をつる事態に。交代カード使い切った関大は、MF川島とFW堀がポジションを代え、総力戦で桃山大の攻撃を迎え撃つ。「足をつってしまったことは想定外だった。でも、その中でチームのために走るとか声を掛けるというのはやれること」とMF川島。FWのポジションとなった後も、前線からのプレスを怠らない。その後、1点ビハインドの桃山大は同点ゴールを狙うべく攻め続ける。シュートを打たれる場面もあったが、GK安田の守備範囲内。ゴールを割らせない。終了間際には相手にコーナーキックを与えてしまうも、相手のキックミスに救われ難を逃れた。

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△GK安田
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△下村哲平(政策4)

「カップを紫紺に染めよう」。応援の言葉と共に、終了のホイッスルが鳴り響いた。今季初タイトル獲得に、選手、スタッフ、応援に駆けつけた部員たちが各々に喜び合う。その後、桃山大から「僕たちの思いと大阪府代表として、天皇杯の1回戦頑張ってほしい」とエールが。両者健闘をたたえ合い、大会は閉幕した。

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△前田雅文監督を胴上げする選手たち

見事大会3連覇を達成し、3年連続19回目の天皇杯進出を決めた関大。しかし、優勝もつかの間、中2日でリーグ第5節立命大戦を迎える。「目指すのは勝ち点3だけ、それ以外は何もいらない」とMF川島。8日間で3試合の過密日程だが、落とせる試合は1つとしてない。「全員サッカーで日本一」への道のりは、まだ始まったばかりだ。【文・写真:岩口奎心/写真:市場薫】

▼DF木邨主将
「(8日間で3試合の日程が始まった)3連戦で厳しい戦いが続くと思うけれど、目の前の試合を全員で全力で戦おうという話はずっとしている。(前半を振り返って)前半の立ち上がりは、今年に入って1番悪い立ち上がりだったと思う。決勝という舞台でそういう姿を見せてしまった。自分たちとしても絶対してはいけないこと。今日の前半のようなことがないように、この先の試合でも取り組まないといけないと思った。(ハーフタイムで話し合ったこと)監督から1つ1つの局面でもっと戦うということを言われた。(後半を振り返って)後半はピッチが結構乾いてた。結構芝生の感じがつりやすいような芝生の感じだった。決勝というところで、緊張とかで足に来るものはある。そういうところから、足をつる選手が増えたとも思う。(ピッチが滑りやすい中で、DF陣とGK安田と話したこと)後半はピッチが結構乾いてはいたから、ボールが前半みたい伸びないというところがあった。裏へのボールの対処はGK安田と話しながら後半を進めた。(大会3連覇の率直な感想)素直にうれしいというが1番。(中2日でリーグ戦を迎える)リーグ戦はまだ負けていない。ここで勝って、連勝の数を増やせるようにチームでやっていきたい」

▼GK安田
「(8日間で3試合の日程が始まった)3連戦が始まるというところで、次の試合のことをどうしても考えてプレーしてしまうと思う。でもそうではなくて、まずは目の前の一戦に、今回で言えば大阪選手権の決勝に向けて、最高の準備をいつも通りしようという部分はチームで話し合った。桃山大はリーグが2部で、関大は1部。ハーフタイムに前田監督から言われたが、心のどこかで隙があった立ち上がりだと思う。(前半を振り返って)1失点目に関して言うと、僕のキックミスから始まった。その中で自分がどんな風に挽回していくかという部分をずっと考えていた。キックの部分であったり、シュートストップの部分で、チームを多少は救えたかなと思う。(後半を振り返って)ハーフタイムに前田監督から、こんな立ち上がりをしていては観客にも応援団の方にも顔向けできないという話をされて、これは関大の入りではない、関大のサッカーではないということを言われた。そこでもう1度自分たちがやるべきことを考えた。後半に入って立ち上がりの早い段階で先制できたのは良かったと思う。そこからつる選手が多かったのは、環境の要因もあると思う。そこで交代選手も含めてしっかり勝ち切れたというのは、非常に良かった。(前半はピッチがすべりやすかった)水をまくということはわかっていたこと。そこの対策は頭の中でもしっかり準備してきた。ちょっと怖かったのが、後半の途中ぐらいから水が乾いてきて、バウンドが読めなかった。場所によってはバウンドが変わったりするところもあった。自分の個人的なところで言うと、裏へのボールの対処であったり、クロスボールの部分だったり、そういう部分は非常に難しかった。でも、しっかり後半に関しては0で抑えられたというのは、非常に良かった。(決勝の舞台で起用されたこと)一昨年はメンバーには入っていなくて、去年はベンチだった。本戦1回戦と準決勝にも出させてもらって、過度な緊張はせずに、ある程度緊張した中リラックスした状態で挑めた。応援、ベンチメンバー、スタッフを含めて自分にいい刺激を与えてくれた。その中で自分の力を発揮できたというのは非常に良かった。(大会3連覇の率直な感想)3連覇という名誉を得られたことは非常に良かったと思う。でも、関西大学体育会サッカー部が目指してる姿というのは、ここで終わりではない。次の富山代表や、勝てばヴィッセル神戸との試合がある。昨年の話をすると、浦和レッズと試合をして、感動を与えることができた。その舞台にもう1度戻るというところと、勝ち切るというところを考えながらやっていきたい。(中2日でリーグ戦を迎える)天皇杯とリーグの頭を切り替えてやっていかないといけない。しっかり回復させてチーム一丸となって勝ちたい」

▼MF川島
「(8日間で3試合の日程が始まった)個人としてもタフになるというのはあらかじめわかっていた。僕たちは今シーズン、1点差の試合が多い。油断することは全くなかったし、2部の相手だからというのも全くなかった。プレシーズンでも負けたから、全員が気を引き締めてやっていこうというのは常に意識していた。(前半を振り返って)ゴールが見えたら打っていこうというのは常に思っている。チームの流れがちょっと悪い中でも、右足の一振りで流れを変えてやろうと思っていた。それが結果につながったことは良かった。(後半を振り返って)足をつってしまったことは想定外だった。でも、その中でチームのために走るとか声を掛けるというのはやれること。日頃のトレーニングの強度とかもうちょっと見直して全員がやっていけば、こういうことも減っていくと思う。(大会3連覇の率直な感想)僕は3大会とも出さてもらっている。素直にうれしいし、3連覇できたというのはなかなかない経験。昨年は浦和レッズといい試合ができたが、今年はJリーグのチームを倒す勢いでやっていきたい。(中2日でリーグ戦を迎える)目指すのは勝ち点3だけ、それ以外は何もいらない。次も点を取ってチーム勝たせたい」

▼DF桑原
「(交代で入る際の心境)ハーフタイムで前田監督から関大らしくないと言われた。個人としては成功プレーから入るというのと、思いきりよく入る。チームとしても勢いづける入りをできたらと思った。(逆転ゴールを振り返って)功奨くん(=MF川島)から良いパスが出て、タッチはちょっと流れたがうまく持ってくことができてよかった。(大会3連覇の率直な感想)昨年も今年も先輩が連れていってくれた。もっとチームに貢献できるようになりたいなと思う。(中2日でリーグ戦を迎える)リーグ戦は続いていく。しっかり回復して連勝できるように頑張りたい」

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