◇2022年度第60回全日本学生個人選手権大会◇予選ラウンド・個人決勝ラウンド◇9月13・14日◇服部緑地陸上競技場◇
【予選ラウンド】
[男子]
13位 一樂直寿(商4) 624点
63位 住谷和輝(シス理2) 588点
116位 中山健世(文2) 536点
→上位32名が予選通過となるため、一樂が決勝進出
[女子]
37位 波部日葵(政策2) 581点
40位 平井阿佐美(文3) 580点
55位 佐竹稚奈(人2) 564点
78位 中光由陽(文2) 529点
80位 西本亜優(環都2) 523点
93位 松田和瑚(文1) 501点
【個人決勝ラウンド】
[男子1/16イリミネーションラウンド]
●一樂2ー6松川(日体大)
関西学生ターゲット選手権大会(関個)から2週間。個人の実力で日本一を決める全日本学生個人選手権大会(インカレ)が開催された。関個での記録から、関大男子からは一樂、住谷、中山が、女子からは平井女子主将、波部、佐竹、中光、松田、西本の計9名が出場。力を発揮するべく、試合に臨んだ。
13日には、予選ラウンドが開催される。男女それぞれ100名を超える中、予選突破できるのは男女各上位32名のみ。決勝ラウンド進出を目指し、試合に臨んだ。午前、男子の予選から試合開始。風は吹くものの、日光が照りつけ気温は高くなる。うちやすいとはいえない環境の中でも、前半終了時点で一樂が304点で27位と、予選突破圏内に入った。一方、一樂とわずか4点差の住谷は43位。決勝進出を懸け、大混戦が繰り広げられていた。中山も実力が出せず、巻き返しを図るべく後半に挑んだ。そして後半36射もうち切り、一樂が順位を上げ13位に。予選上位で、個人決勝ラウンド進出を決めた。しかし、住谷は後半で失速。調子が振るわず、600点を下回る結果に。悔しさの残る予選敗退となった。中山は前半から30点以上スコアを伸ばす奮闘ぶりを見せたものの、決勝進出ラインには届かず。男子は一樂のみが予選突破となった。
続いて、午後には女子の予選が行われた。関個に出場した6名全員が、インカレ出場権を獲得した女子。全国でも決勝進出を目指し、予選に臨んだ。前半終了時点で、予選通過ボーダーは292点。波部がわずか1点差の291点を記録し、後半に期待がかかる展開となった。平井女子主将も279点で54位と、まだまだ予選突破の可能性がある結果に。各々が課題を抱えながらも、勝負の後半へと移った。不安定な風にあおられながらも、72射をうち切った6人。しかし、惜しくも関大勢から決勝進出する者は出なかった。試合終了時点の予選通過ボーダーは588点。波部は7点、平井女子主将は8点、わずかに届かなかった。佐竹も後半で調子を上げたものの、前半の点数が響き564点で55位。中光、西本、松田も、自分自身と向き合い奮闘した。
そして迎えた翌14日。個人決勝ラウンドが開催され、一樂が挑んだ。決勝ラウンドは1対1のマッチ戦形式。1人3射ずつうち、得点が高い方が2ポイント獲得。6ポイント先取した選手が勝利となる。まずは1/16イリミネーションラウンド。一樂の相手は、強豪・日体大の松川だ。予選順位は20位と格下ではあったが、強敵であることには間違いはない。トーナメントを勝ち抜くべく、まずは初戦に挑んだ。1セット目は矢が右に流れてしまい、相手に2ポイントを献上。しかし2セット目は29点の好得点を記録し勝利する。同点に戻し、3セット目に臨んだ。勢い良くポイント連取したかったものの、ここでも点数が伸びず23点に。26点を記録した相手に軍配が上がり、後がない状況となった。勝負の4セット目。26点と、決して悪くはない得点となった一樂に対し、相手は28点。安定感と勝負強さを見せつけられ、ここでポイントは2-6。一樂の初戦敗退が決まった。
昨年は新型コロナの影響で中止となり、2年ぶりの開催となったインカレ。納得のいかない結果となる選手が多かったものの、9名全員が全国の舞台で最善を尽くした。全国の実力者に刺激され、学ぶことが多い試合になったに違いない。大規模の公式戦はここで一区切りとなるが、すぐにインドアのシーズンがやってくる。さらにその先には、次のリーグ戦が待っている。この期間で各々が心身ともに成長し、もう一段階強い関大へ。これからの関大アーチェリー部が楽しみだ。【文/写真:横関あかり】
▼一樂
「(予選の感想)予選通過できたのは良かったんですけど、前半の点数が低かったので、もっと点数を出せるなというところはありました。少し課題の残る試合でした。(予選で見つかった改善点)テンポ良くうとうと思っていたんですけど、風が吹いたりすると(狙う時間が)長くなってしまって、力が入ってミスしてしまうことがあったので、テンポ良くうつところが課題です。(決勝の感想)相手もうまかったんですけど、いつもの調子でうてたら勝てたと思います。自分の実力不足というか、力が発揮できなかったトーナメントでした。(緊張は)4年生になって、引退間際になっていくごとにあまり緊張しなくなって、慣れかもしれないんですけど、現役ではなくOBのような感じで、楽しむ気持ちが強くなりました。最後だし楽しもうという感じだったので、緊張はそこまでしませんでした。(相手の点数は)聞こえてしまうんですけど、スコープでも見えているのでそこまで気にしないようにしていました。でも相手が高得点をうったら、自分もうたないとという気持ちになりました。(2日間を振り返って)最後の個人の全国大会なので楽しんでうとうと思っていて、楽しんでうてました。いい記録ではなかったですけど、良かったと思います」
▼住谷
「風もあったんですけど、自分のうち方が定まらなくて、左右も上下も出てしまってグルーピングが全然できなかったので、総合的になかなかひどい試合をしてしまいました。改善が必要だなと思います。(昨日までの調子は)昨日は、引き込もうと思っても引き込めなかったので全然点数が出てなかったです。(苦戦したところは)うった瞬間に、真っ直ぐ押していたはずなのにサイトピンがずれてしまって、左右のズレが出てしまうことがあったので、原因を探さないといけないなと思います。(今後に向けて)申請点的に、10月の半ばに全日本(ターゲットアーチェリー選手権大会)に出られると思うので、そこで結果を残せたらいいなと思います。それまでに調整していこうと思います」
▼中山
「悔しいの一言に尽きます。自分がいつも出せているぐらいの点数を出せなかったというのと、試合の最中でも、ダメなところを修正できずにズルズルと低い点数のまま終わってしまったのがすごく悔しいです。(苦戦したところ)風です。僕自身すごく風に弱くて、普段の練習ではあまり風が吹かないので、風を読んであてに行くというのが一番難しかったです。(今日に向けての調整は)調子を落とさないように、ほぼ毎日しっかりとうって、自分の見つけた課題はその場で修正していました。前日までは調整もうまくいっていて、いい感じにあたっていました。(今後に向けての意気込み)今日がとても大きな舞台だったというのもあって、とても緊張もあったし、まだまだ試合慣れができていないなというところもたくさんありました。これからもっと経験を積んで、次は絶対に悔しい思いをしないように頑張っていきたいと思います」
▼西本
「そもそもメンバーに入っていないと思っていて、全国大会に大学に入って初めて出られてうれしい気持ちはあったんですけど、関個決勝のときに、風に流されて点数が下がってしまったので、それよりは点数を取ろうという目標で臨みました。上を目指してはいたんですけど、自分に合った目標で挑んでみようという感じでした。前半はやっぱり点数を取ろうという気持ちになってしまったので、うまくいきませんでした。前半4エンド目とか5エンドめぐらいに、『自分のアーチェリーをしないといけない』というのに行きつきました。点数をあまり意識せずにうっていたら、後々自分の射型がついてきて点数につながったので、それに早く気づけたら良かったなと思いました。(今日の調子は)おととい、公式練習前に、すごく調子が下がってしまって。うつのが怖いという状態でこの試合を迎えてしまったので、前々日が良くなかったです。いつもほどには戻せていないんですけど、まだましな状況にはできたかなと思います。(今後に向けて)初めて大学で全国大会を経験させてもらったので、インドアでもう少し点数が出るように、練習で安定した点数を出したいです。あとは、点数を意識しつつ、自分の射型を忘れずにというのを練習の時から意識できたら試合につながるかなと思うので、そこを意識しながら練習していきたいなと思います」
▼松田
「2日前ぐらいから、いい感覚をつかみ始めて練習していました。感覚がいい時は自分でも納得して赤圏内に入れることができたんですけど、感覚が悪い矢は1点とか2点に飛んでいってしまうので、それを直していかないと、こんなに大きな試合に出られないなと思ったので、頑張ろうと思いました。(今日のコンディションは)いつもよりも風が強いなと思ったんですけど、うった感じはあまり風に影響されずに矢が飛んでいってくれたかなと思います。暑かったけど、集中してうてる環境ではありました。(課題点は)ドローイングが長くなってくると、どうしてもあたらなくなってしまうので、自分が一番いいと思うタイミングで、1、2、3、4で(クリッカーを)切るみたいなのを、これからは10本うったら10本できるようにタイミングをつかむ練習をしようかなと思います。(今後に向けて)来年でもこの大会に出て、上から32人に入って、次の日も活躍できるようにこれから頑張っていきたいと思います」
▼波部
「悔しいという言葉に尽きます。72射うち切っても、最後の1射ですら納得がいっていないまま今日1日を終えてしまいました。インカレという舞台で発揮するために練習をしているのに、それができていないというのをすごく痛感しました。本当にまだまだ実力不足なんだなと思った1日でした。(結果速報は見ていたか)最初は、今日はうち終わるまで絶対に見ないぞと決めていたんですけど、結局前半が終わって見て、自分が(予選通過圏内まで)あとちょっとというのを見てしまいました。自分の性格的に、見れないとウズウズするから、もう見てしまおうと思って。結果を見ながら後半も挑んでいたんですけど、やっぱりそれも精神的にすごく大きかったです。最後の1エンドの前が、予選通過ボーダーと1点差でした。だから、『この1立で決まる。最後の最後まで分からないぞ』と自分に言い聞かせたんですけど、最終エンドが一番悪くて。体はアーチェリーの形を覚えているよとは言われるんですけど、どれだけ体ができても、練習ではない緊張感があったので、本当にメンタルが大事だなと思いました。(今後に向けて)試合になると自分のアーチェリーができていないです。どれだけ練習を重ねても大丈夫だと思えないし、どれだけ練習しても、明日の試合は大丈夫だと思える時があまりなくて。そういう不安があると、その気持ちで挑んでも結果はついてこないと思っているので、やっぱり練習あるのみだなと思います。今後練習していっても、満足はしないです。今後リーグ戦も来年の王座もありますけど、自分がここで『大丈夫だ』と思うことが、自分に対する油断になるので、かなり気を引き締めて、私は負けず嫌いで、来年はスポ薦にも勝ちたいと思っているので、その気持ちを忘れずに、もっと自分に厳しく。言ってもあと残り少しなので、気を引き締めていこうかなと思います」
▼中光
「まず、全然点数が出なかったです。昨日からコンディションの面で悪いところがあって、普段のうち方でうてないという状況の中で臨機応変にやっていかないといけなかったんですけど、それがうまくつかみ切れなくて。普段しないようなミスとかを結構やってしまったので、そこも含めて今日はあまり良くなかったかなと思います。風はあまり感じなかったので自分のフォームだったんですけど、コンディションの部分で自分がいつもやっていることが出せない中で、どういうふうにうっていけばいいのかというのをずっと模索していた感じなので、安定はしなかったのがしんどかったです。(改善点は)セットアップから、何から何まで問題があるなと自分で感じました。レベルが高い選手がたくさん集まっていて(他の選手を)見る機会もあったし、自分のフォームを見つめることもできたので、グルーピングが安定するようなフォームに改善して、練習量も増やしたいです。秋学期が始まると忙しくなるとは思うんですけど、練習時間をきちんと見つけて練習していきたいなと思います。(今後に向けて)去年(のインカレが)中止になったので頑張ろうと思っていたんですけど、なかなかフォームが固まらなくて、思うような結果を残せないことが多かったです。とりあえず全国大会が落ち着いたので、しっかり次の王座やインドアシーズンにもなるので、次の大会に向けてしっかり実力をつけて、大会で力を発揮できるようなうち方をしていきたいと思います」
▼平井女子主将
「自分の慢心があったと思います。2日前に大会に出たんですけど、その時にうまくできたので、そんな感じでやればいいかなと少し気が緩んでいました。それにつられて自分の射がうまくできませんでした。過去の自分ではなく今の自分でいないといけなかったのに、過去の射に気を配りすぎていました。最後の5エンドは自分でうまくうてるようになったんですけど、少し気づくのが遅かったかなと思います。(改善点は)やっぱり過去にとらわれすぎるところです。私は、これだけきちんとすればあたるというのがあるのに、そこまで頭が回っていなかったので、やっぱり緊張していたんだなとすごく感じました。なので、どんな状況であっても、自分のやるべきことができるように練習していきたいと思います。自分にプレッシャーをかけてみたりとかを、毎回やらないといけないなと思いました。(今後に向けて)今後は大きな大会とかはなくなって、定期戦や交流試合が中心になってくるんですけど、やっぱり私たちの目標は王座や次のリーグ戦に向けてなので、そこに向けて後輩たちの底上げをしつつ、私もうまく点を伸ばしていけるように頑張っていきたいと思います」
▼佐竹
「前日の公式練習では自分的にはあたっていて、結構いけるなと思って気持ち的にはいい感じで臨めました。でも、6本うつ中の4本ぐらいは赤内に入るけど、あと2本が左右のどちらかの青に出るみたいな感じで、点数が伸びませんでした。自分的にはなぜなのかがわからなかったので、後ろで見てもらっていた同期にリリースの抜けが悪いよと教えてもらって、少し後半で持ち直したかなという感じでした。(セットアップが以前より高くなっていたが)セットアップを高くするようにコーチから言われていて。それを言われたのはもっと前だったんですけど、どんどん自分で忘れていってしまっていて、そこ以外のところを意識してしまっていたがゆえに少し下がり気味なところもありました。最近そこに気づいて、上げ出しました。私は結構手引きをしてしまって、背中の筋肉を使って引けたらいいんですけど、それをうまく引いてこれていないと言われて。何回かいろいろな方法を試したんですけど、最終的にセットアップを高くすると、後ろの筋肉を自然に使えるということに監督・コーチといきついたので、それで高くしようということになりました。(今後に向けて)インカレという大きな試合が納得のいく形で終われたわけではなかったので、今後だれてしまう可能性もあるとは思います。秋学期が始まって授業もある中で、練習をしていかないといけないというのと相まって、気持ちを高く持ち続けることが大事だと思います。目標を1個見つけて、練習試合も今後組まれるというふうに聞いているので、そういう小さい目標をモチベーションにして、だれないように頑張っていきたいと思います」
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