◇令和3年度関西学生リーグ戦◇1部2部入れ替え戦◇6月25日◇滋賀県立体育館◇
[1種目目 フルーレ]
◯関大45-30龍大
1 有働 5(5)-(4)4 小西
2 伊藤 10(5)-(1)5 池戸
3 小坂井 15(5)-(4)9 笹山
4 有働 20(5)-(2)11 池戸
5 小坂井 25(5)-(5)16 小西
6 伊藤 30(5)-(2)18 笹山
7R加賀 35(5)-(2)20 R大后
8 有働 40(5)-(5)25 笹山
9 伊藤 45(5)-(5)30 小西
R 加賀 R大后
[2種目目 サーブル]
◯関大45-22龍大
1 浅田 5(5)-(3)3 金道
2 加賀 10(5)-(2)5 大后
3 橋本 15(5)-(2)7 丸小
4 浅田 20(5)-(0)7 R田尻
5 橋本 25(5)-(5)12 金道
6 加賀 30(5)-(6)18 丸小
7 橋本 35(5)-(0)18 R大后
8 浅田 40(5)-(2)20 丸小
9 加賀 45(5)-(2)22 金道
R 村社 R田尻
2部リーグでの激戦を制し、2012年以来の入れ替え戦に臨んだ関大フェンシング部。入れ替え戦で対峙したのは、3月の練習試合でも勝利した龍大だった。1種目目のフルーレから強さを発揮し、2種目目のサーブルでも圧倒。前評判以上の圧倒的な大差で勝利し、関大の実力を見せつけた。最終種目のエペまで回さず、半世紀ぶりの1部昇格を果たした。
広い体育館に用意された1つのピストに、両校の部員たちの視線が集まる。リーグ戦とは全く異なる雰囲気の中で、入れ替え戦が始まった。1種目目のフルーレは、リーグ戦でも実力を見せた1年生、有働隆汰(商1)がトップバッターで出場。なんとか勝ち切ったが、相手と点数を分け合う展開に。続く2戦目、この日のエース・伊藤真吾(人1)が見事なプレーを見せる。開始後すぐに相手に1点を与えたが、そこからは連続得点で点差を広げた。3戦目の小坂井翼(法2)も、相手に先制を許したものの、きっちり勝利しリレーをつなぐ。中盤も、有働、伊藤がリードをさらに広げる。7戦目にリザーブとして出場した加賀匠馬(商3)も、きっちり相手を引き離す。フルーレチームの層の厚さをみせた。最後は相手エースが3連続得点で意地を見せるが、伊藤もきっちり取り返す。初戦から相手を30点に抑える鮮やかな試合展開を見せ、1部昇格を手繰り寄せた。
2種目目のサーブルには、入部当初から1部昇格を期待されてきた3年生3人で臨んだ。ここで勝ち切れば、最終種目のエペに回さずに勝利が決まるという重要な局面。しかし、フルーレでは後輩を中心に勝利し、関大が1歩リード。さらに、3種目目にはこの日に向け最大限準備をしてきたエペメンバーが控えている。いつも通り実力を発揮するだけだった。
1戦目の浅田悠耶(商3)は、攻撃するもののなかなか得点にならない。そのまま相手にリードを渡すかと思われたが、2得点目から立て直し連続でポイント。5−3で勝利し、快調な滑り出しを見せる。加賀、橋本拓磨(環都3)も順調に点差を広げる。5・6戦目で相手に迫られる場面もあったが、浅田、橋本が相手を0点に抑え圧倒。相手に2倍の得点差をつけ、アンカー加賀へつなぐ。最後も決め切り、サーブルで1部昇格を決めた。
1973年に2部降格して以来、48年ぶりの1部昇格を決めた。1世紀近い歴史の中でも1部に昇格するのは初めて。関大フェンシング部の新たな歴史の始まりとなった。しかし、1部昇格はあくまで通過点。次は1部の舞台で、関大の実力を証明する。【文/写真:牧野文音】
▼浅田主将
「勝てたのがうれしい。やっぱり48年ぶりなので、長い歴史の中でずっと1部に上がれなかったという話は、入学したときからずっと聞いていた。僕の代で1部にあげることができたので良かった。今日はフルーレ、サーブル、エペの順番で。フルーレで負けていたら、サーブルとエペのどちらも勝たないと上がれなかったが、フルーレが勝ってくれた。サーブルは普通にやれば勝てると分かっていたので、あとはそこをきっちり決めた感じ。僕は、普通に関大に入学して、フェンシングをやるつもりはなかった。でも、最初に練習に行ってみたら、サーブルの同期2人に誘われて。それがちょうど関関戦の時期で、ちょっと出てみるみたいな感じになって。1回出てみたらやっぱり楽しくて、高校で終わるつもりだったけど、結局始めてしまったなという感じ。毎日練習もあるし、洗濯物も増えるし、大学生っぽくないなと思うこともあるけど、毎日練習行くことも苦じゃなくて、楽しいなってほんまに思う。サークルだったら、たぶんここまでやりがいも見つけられなかったので入ってよかったな。僕たちは1年生の時からずっと同じ学年の3人でチームを組んでいて。去年は試合がなかったが、1年生の時から3年間一緒のチームでやってきて、この3人で最後に勝てたのでよかったかな。来年からは、もちろん自分たちも試合にも出るし、サポートもするけど、今の1年生が主役になって試合を作っていくと思う。どこまで下の子たちを引き上げられるかが次の課題。(個人としては)1部に上がって、環境が1部の環境になって、これからは他の学校の人からも1部の選手としての僕という認識になる。そこで戦えるような実力はまだまだ足りていない。1部で勝てる実力を個人でつけたら、それが団体にもつながると思うので、まずは個人の実力アップを頑張ろうかなと思っている。(入れ替え戦後から代替わり)でも、やることは変わらないと思っている。前のキャプテンが、1部昇格まで引っ張ってくれて、次は僕が1部に上がってからの仕事をすることになる。フルーレはもう1年生がほぼ主体のチームで、1年生の勢いのある状態でどんどん試合を作っていければいいし、エペも澁谷とか1年生がいて、サーブルも村社がいて、どの種目にも1年生が絶対に入っている。その良さとか、勢いを殺さないように、のびのび1年生がやっていける環境を作るのが大事かなと思う。チームとしても、僕としても初めてのことだし、試行錯誤しながらだけど、1部に残留するのが目標ではなくて、1部で総合優勝するのが、今のチームの次の目標なので、そこに向かった練習をしていきたい」
▼木澤聡志前主将(環都4)
「今日は後輩たちが頑張ってくれた、それに尽きる。今までも、強い人はたくさんいたけど、フルーレとサーブルに関しては、本当にエースが1人みたいな形が結構例年で。これまではリザーブに代えるとかそんな作戦もなく、とりあえず3人で回すというカツカツの状態だった。今は、リザーブでちょっと流れを変えてみようという作戦もできるので、ありがたいこと。今回はたまたま加賀匠馬がフルーレ、サーブルに出たが、今までだったら本当に2、3人は複数種目に出るのは当たり前という感じで回していた。俺が入学した時には、なんなら3種目やらせるぞという感じだった。その中でこれだけ人数が補充できたのは本当に大きいこと。これまでもエペは結構そろっていて、俺が1回生の頃に(1部も出場する)関カレでエペが4位ということもあったが、フルーレ、サーブルに関しては、あまり胸をはれるような結果は出せていなくて。(3種目総合で争う)リーグ戦でも結局ふるわなかった。今回のリーグ戦が終わって、団体に関しては後輩に任せることになるが、1部に昇格できたので、もし関カレやインカレが開催されたら、そこでも結構面白いことになると思う。(後輩に向けて)練習の雰囲気とか、仕切りは代替わりで変わってくると思うけど、いい方向にいくのではないかな。これまで俺がというより、キャプテンが動かないと動かない部分があって、ダメなところだけど、今度は悠耶(=浅田)率いる3年生が中心になってくるので、率先して動いてくれると信じている。(これからの目標)関カレでは、今のところ個人の最高順位が12位なので、最低ラインがベスト8、よければベスト4、決勝に行きたいなと考えている。今まで20何位、12位できているので、今年は本当に1桁台をとりたい。インカレにつながればそっちも頑張りたいし、とりあえず関西で名前残して気持ちよく引退できたらなと思う」
▼橋本
「ひとまず安心した。やっぱり48年ぶりというプレッシャーもある中で、今までの先輩も入れ替え戦にはなにか魔物がいると(言っていて)。その中でも、ちゃんと大差もつけて、勝てたのでよかったな。自分自身としては、ちゃんと自分のプレーして、次につなげる点数で回せたので、それで流れも作れた。良かったかなって思っている。せっかく1部に上がったので、1部でキープするのではなくて、総合優勝をねらっていくくらいの練習とかを、本気でしていきたい。就活とかもあって忙しくなるが、その中でも部活に行ける時間はちゃんと部活に費やして、現状維持だけじゃなくて、自分のスキルを磨いていけたら。去年の関カレは、サーブル団体で3回戦か2回戦敗退でインカレに出られなかった。今年こそは絶対に、インカレ(出場圏内)に入るのが目標ではなくて、インカレに行くのは前提として、その中でも優勝をねらっていけたら。個人でも、自分はまだインカレに出ることができていないので、今年こそはインカレに出ることができたらいいかな」
▼加賀
「率直に、素直に本当にうれしいという言葉しか出てこない。思ったより圧勝だったし、練習試合の時と同じような試合展開というか、内容も似たような感じでできたので、よかったと思う。誘われたというのも大きいけど、自分の今までの経験で関大を2部から1部にあげたいという気持ちで入学して、ずっと1部昇格を目標にしてきてきた。1年生の時は惜しくも2部リーグ2位で、2年生の時はコロナで(リーグ戦が)なくて、僕が入学してから2回とも入れ替え戦すらできなかった。本当に3年生の今年こそは、しっかり1部リーグに昇格したいという思いがあって臨んでいた。もちろん、いろんな方からの応援があって、緊張とかプレッシャーとかもあった。今日の試合を一通り終えて、後輩も同期もみんなしっかりやってくれたので、本当に心の底から感謝の気持ちが大きい。でも、1部昇格というのは、僕の中でも、フェンシング部としても通過点としか思っていなくて、1部昇格したあとに、1部リーグで残る、1部リーグで優勝するというところがゴール。1部に昇格しただけで終わるのではなく、来年の1部リーグで優勝、さらに秋の関カレ、来年の関カレも全部関大がとってやるぞ、関大の勢いは恐ろしいぞと1部の人たちに見せつけることが、僕らが卒業するまでの役目。3年生がチームの中心として引っ張っていくことになるので、先輩も後輩も和気あいあいとして、雰囲気のいいチームを僕ら同期で作りあげていきたい。個人ではもちろん関カレで決勝にいきたい。団体では、この前のリーグ戦では、予想していない相手に結構ボコボコにされしまうことがあったので、そこをなくす、全員に勝つ。そして安心してもらえるアンカーに、リーダーになりたい」
▼小坂井
「今まで練習してきた成果を出し切れたと思うのでよかったが、自分的にはちょっと不完全燃焼感があって、もうちょっと強くなれるなと思った。精神的にもだが、シンプルな自分の技術面で、前回の反省を生かしきれていないところがあった。さすがに2回目はないのでそこはしっかり修正していきたい。僕自身、やむを得ず練習をできなかった時とかもあった。でも、前回よりも自分の気持ちの面で変わって、練習時間は同じでも内容にこだわったりだとか、自分のフィジカルを鍛えたりだとかして、基本的なことから見直して頑張った。本当に試合に向かう気持ちは全力でやっていたので、そこに悔いはない。1部になったので、余裕で残れるような実力をつけていきたい。(フルーレチームとしては)自分としては、いつもよりまとまりを感じていて、これからも1部通用するなという自信はある。そこで後輩に頼りきらず、先輩がいるからとかではなく、自分が引っ張るような存在になれたら。チームでは1部で1位をとるのが目標なので、個人でも貪欲に1位をねらって、関カレだったりインカレでも活躍できる選手になりたい」
▼有働
「ちゃんと勝てたのはうれしい。やっぱり48年ぶりなので、OBの人たちの期待とかもあったが、試合をするのは自分なので、そこはあまり考えないようにして。団体戦なのでまず目の前の試合に勝ちきって、しっかりいい形で次の人のつなぐということだけ考えてやった。龍大とは春休みに1回試合をして勝っていたので、今回も自分のプレーをすればちゃんと勝てるという自信はあった。緊張というか、自分の中で色々やりたいことがあって、こういう時はこの技をやるとか決めていたが、それがうまくできなくて、ちょっと焦る部分もあった。最初は結構動けなかったが、後半は思いっきりできて、調子を取り戻せたのでよかった。実は、リーグ戦の後に練習中に肩を脱臼して、今回2回目の脱臼で、1回目より治り方が良くなくて、8月に手術をする予定。そこから半年くらい試合とかに出られなくなる。脱臼したのは5月の初めで、今回の入れ替え戦まではちゃんと出たいということで、手術を遅らせて今回出場した。そういう意味でも勝ててよかった」
▼伊藤
「48年ぶりに1部昇格できてよかった。今回エースとして出場して、焦らずに点差広げて勝つことができたのでよかったかな。エースの役割ができたかなと思っている。最後は、点差が点差だったので緊張もなかった。かっこつけたかったが、失敗したので、あとは冷静に勝ちにいった。僕はこの前のフルーレのリーグ戦でぶっちぎり(優勝)だった同志社に行くつもりだった。でも落ちて、ギリギリ関大の監督が拾ってくれて。ここにくるまでにもいろんな人に助けてもらって、色々な迷惑をいっぱいかけているので、勝ててよかった。(大学入ってからは)高校みたいに(監督の指導とかは)なんもなくて、しっかりやれば結果が出るし、結果が明らかに分かれるのが練習だと思う。そこが本当に分かれ目。僕たちはリーグ戦までしっかりやっていたので、その結果が1部昇格だった思う。(これからは)個人タイトルはどうでもいいけど、団体で王座行きたい。加賀さんも就活であまり出られないし、あと1年で卒業。僕と有働と翼(=小坂井)さん、この3人でしっかり練習して、どうにか王座行けるようにしたい」
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