◇第40回全日本学生個人選手権大会◇10月26日◇パロマ瑞穂アリーナ
[女子の部]
前田 優勝
岩木 3位
中井 ベスト8
大谷 3回戦敗退
平野 3回戦敗退
倉田 2回戦敗退
綾木 1回戦敗退
[男子の部]
内畑谷 3位
後藤 ベスト8
小浜 ベスト8
村井 4回戦敗退
神田 3回戦敗退
山田 2回戦敗退
岡田 2回戦敗退
竹川 1回戦敗退
毛利 1回戦敗退
ついに開幕した全日個人。出場選手16名それぞれが今大会でベストを尽くすべく鍛錬を積んできた。女子は、前田望結(文2)が悲願の優勝を果たす。昨年王者・岩木美朱(法3)は準決勝で敗れ3位に。男子は、内畑谷将(法3)が小浜守哉(商1)との準々決勝を制し3位に輝いた。
先に行われたのは女子の試合。7名が出場した。綾木花純(法2)は、面横蹴りで1本を取り、同点に。時間切れとともに防具が脱げたことにより、警告を取られ敗戦となった。シードで出場した倉田音香(法2)は、1本を先取されるも抑え込み面突きで同点とする。しかし、3本目を取られ敗退となった。
平野陽菜(法1)は、先制されたが面横蹴りで取り返し3分間が終わる。判定勝ちで2回戦に進んだ。2回戦でも苦戦を強いられ互いに1本が出ない。ここでも判定勝ちをつかみ3回戦に進出した。大谷理緒(社1)も、実力を発揮し3回戦まで進む。惜しくも敗戦となったものの、初の全日で存分に戦い抜いた。
中井天鈴(てんり=法2)は、得意の蹴り技で勝利を重ねていく。3回戦も2本勝ちで準々決勝に進んだ。立命大の大型ルーキーに敗北したが、ベスト8と結果を残した。

昨年王者、そして先日の総合選手権大会で日本一に輝いた岩木は、この日も実力を遺憾無く発揮していく。順当に準々決勝まで進むと、大谷を下した川合(立命大)から1本を先取。勝ち切り準決勝に進出した。前田も、総合選手権大会準優勝の実力を存分に発揮する。相手を圧倒し準決勝進出を決めた。

続いて行われた男子のトーナメント。山田航(環都4)は、面突きで2本勝ちを収める。しかし続く2回戦で敗れ、敗退となった。竹川敬治(法4)は細やかなステップで隙を狙うが、2本を取られ敗戦に。毛利和真(ビジ1)は、突きで積極的に好機をうかがうが、初の全日は初戦敗退となった。岡田英努主将(文4)は、なかなか1本が決まらず、先制の1本を相手に許してしまう。そのまま時間切れとなり、敗北を喫した。神田アレクサンダー蒼輔(法3)は、初戦を抑え込み面突きで1本を奪いそのまま勝ち切る。しかし、3回戦で1本を先取されるとそのままブザーが鳴り、3回戦敗退となった。村井博信(経1)は、ルーキーながら実力を示す。1回戦、2回戦と2本勝ちを収め、3回戦は不戦勝で4回戦へと進出。惜しくもベスト16入りとはならなかったものの、実力を出し切った。後藤琉碧(るきあ=文3)、内畑谷、小浜は、シードで出場し初戦から終始相手を圧倒していく。後藤は、初戦、3回戦と2本勝ちで進める。4回戦は1-1から最後は胴横蹴りで勝利を収めると、5回戦は、わずか5秒で試合に決着をつけた。準々決勝では、開始3秒で1本を奪ったが、すぐさま取り返されてしまう。試合時間半分のところで相手に隙を付かれ審判の旗が上がった。準決勝進出とはならず、惜しくもベスト8に。

小浜は、3回戦まで2本勝ちを収めると、勢いに乗り準々決勝に進出。そして内畑谷も、苦戦を強いられながらも準決勝進出を決める。ベスト4を懸けた関大対決が実現した。普段から共に切磋琢磨(せっさたくま)している2人は、互いに1本を狙い攻撃を続ける。先に1本を取ったのは小浜。それでも内畑谷が取り返し、1-1に。互いに譲らない戦いは、3分間を終える。勝負が委ねられた審判の判定は内畑谷。今大会3度目の判定勝ちで準決勝に進出した。

先に行われた女子の準決勝。岩木の相手は、高校時代からの戦友・野村(立命大)だ。互いに攻略の糸口を見つけられず、試合は1分間一本勝負に突入。1分間で勝負がつかない場合は判定となるため、ここからは積極的に攻撃を仕掛けた方が有利になる。相手の攻めもかいくぐり、突きを繰り出して1本を狙うが、なかなか決まらない。1分が経過し、審判の判定を待つ。旗が上がったのは野村(立命大)。連覇とはならず、惜しくも準決勝で姿を消した。
先輩の敗戦を見守り、より一層ギアが上がった前田。中井を下した立命大のルーキー・穴生から1本を先取すると、そのまま勝ち切りついに決勝の舞台へ上がった。
優勝を決める大一番に緊張感が漂う。序盤から互いに隙を見せず、試合は延長戦に突入。無制限一本勝負が始まった。徐々に自身のペースに持ち込んだ前田。コートの隅に詰めると、組み技を仕掛ける。「相手が見えていた」と、胴膝蹴りで華麗な1本。悲願の全日制覇果たした。

内畑谷は準決勝で惜しくも敗れたものの、堂々の3位に。そして常に頂点だけを見据え、努力してきた若きヒロインは、ついに悲願の全日女王に君臨した。今大会で、輝かしい結果を収めた者も、悔し涙をのんだ者もいる。それでもあとは、今年の集大成となる全日団体を残すのみ。歓喜にあふれ、岡田世代を笑顔で幕締めしたい。【文/写真:水井陽菜】

▼前田
「(優勝した今の気持ちは)正直めっちゃ気持ちいいです。いつも2位とかであと一歩で負けていたので。1本を取った瞬間、あー!みたいな気持ちいいー!ってなりました。(先に岩木が敗れて、どんな声掛けをされたか)頑張ってって、背中を押されたというか。その瞬間にはっとなってやらなあかんなと思いました。(決勝は延長戦で取り切った)相手が一瞬空いているのが見えて。場外かなとか思いながら(技を)出してみようと思って出したら、音が鳴って旗が上がって。めっちゃうれしかったです。(全日団体への意気込み)個人は優勝できたんですけど、全然だめなところとかがいっぱいあるから、また1から見つめ直して改善して、もっと圧勝できるようにみんなで頑張っていきたいと思います」
▼内畑谷
「(全日で初の表彰台。今の気持ちは)優勝を狙っていたので、自分の課題がよく見つかった試合だったと思います。(準々決勝で小浜と対戦)楽しかったです。日頃練習している相手と試合で当たるというのは、普段感じることがない感情というか。とても楽しかったです。(準決勝では1本先取したが敗戦)やっぱり自分の悪いところが出てきた試合だっとと思います。先に1本取るというのは、必ずしたいことなので、2本目3本目というところをこれから意識してやっていきます。(全日団体に向けて)もちろん全国優勝は頭の中に入れていて、1年生を引っ張っていけるような拳法をしていけたらいいなと思います」
▼岩木
「(全国3位。今の気持ちは)昨年優勝して、今年の総合も取って、『優勝でしょ』という周りの空気もある中で、優勝したかったですけど、最後負けてしまって悔しい気持ちです。(準決勝の相手はライバル・野村(立命大)だった)試合の展開的には全然悪くなかったかなと思って、自分から攻めれている試合で、相手のパンチも当たらず見えていたので良かったかなと思ったんですけど。投げた後、決め切りたかったのこともあって、バランスを崩して自分がピンチになってしまったので、そこをもっと冷静にやっていれば勝てたのかなと思いました。(今回は後輩の前田が優勝)自分も昨年優勝して、(前田は)下級生の中でも上級生に勝ちたいという気持ちがあって。下級生でありながらもつよいというのはわかっているので、プレッシャーの中だったと思うんですけど、望結ちゃん(=前田)が勝てて良かったです。(全日団体への意気込み)決勝まで絶対に行くことと、決勝に行ったら立命大と当たる確率も高いと思います。今回負けてしまったので、絶対に次は負けずにみんなを引っ張っていって、今年最後なのでみんなで気持ち良く勝って終わりたいと思います」
▼後藤
「(ベスト8の気持ちは)もったいないところで負けてしまって、準決勝、決勝を狙えた感じなので、練習が足りなかったし実力不足です。(準々決勝は開始3秒で先制したが、敗戦)1本を取って余裕を持ってしまったのがあって、逃げたところもあるので、すぐ2本取って終わるような形にできたら良かったのかなとも思います。(全日団体への意気込み)僕は自分の仕事をするだけで、あとはチームがなるようになってくれるので、岡田主将を優勝させられるように頑張りたいと思います」
▼小浜
「(初の全日でベスト8。今の気持ちは)1年でベスト8入れたのは率直にうれしいんですけど、目標にしていたベスト4以上という自分で挙げていた目標には届かなかったので、そこは来年以降しっかりクリアして、年上がいる間に優勝したいと思っています。(準々決勝で内畑谷との関大対決に)普段から一緒に練習している先輩なので、やりづらさというのは人一倍あったんですけど、そこで1本を取れたことに関しては率直にうれしくて。でも勝ち切れなかったことに対しては反省しかないです。(試合後には内畑谷と抱き合っていた)普通に悔しくてちょっと泣きそうになってしまったのと、あとはやっぱりこういう場でお互いに上がっていって当たれることは結構珍しいことだと思うので、そこに対しての感謝と頑張ってくださいという思いを伝えさせてもらいました。(全日団体に向けて)きょうは先輩方がみなさん悔しい思いをしたので、自分もより一層頑張って全日で最後に4年生にはなむけできるようにしっかり努力して優勝をつかみたいと思います」
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