◇2025近畿フィギュアスケート選手権大会3日目◇10月5日◇木下アカデミー京都アイスアリーナ
[シニア男子FS]
2位 片伊勢 128.25
5位 木科 115.90
8位 樋口 84.69
[シニア女子FS]
8位 鈴木 85.98
13位 木下 75.39
17位 田邊 70.24
[シニア男子総合]
2位 片伊勢 195.42
5位 木科 180.96
8位 樋口 132.58
[シニア女子総合]
8位 鈴木 128.11
14位 木下 114.20
16位 田邊 111.31
近畿選手権大会(近畿)も最終日。3日目はシニア男女のフリースケーティング(FS)が行われた。シニア男子ではショートプログラム(SP)2位の片伊勢武アミン(法4)がFSでも2位に。総合準優勝に輝き、2年ぶりの表彰台入りを果たした。女子では鈴木なつ(人4)が転倒なしのまとまった演技を披露。8位となり、西日本への切符をつかんだ。

まず行われたシニア男子のFS。最初に登場したのは樋口温之(安全1)だ。力強い音とともに滑り始めるが、冒頭の3回転ルッツで転倒してしまう。さらに続く2つのジャンプでも転倒。しかし、スピードを落とすことなく全身で『Les Miserables』の世界観を表現しながら滑っていく。後半には着氷が乱れながらもコンビネーションを含めた全てのジャンプを降り、右手を掲げて演技を締めくくった。

第3グループに登場した木科雄登(M2)。自身ラストシーズンとなる今年のFSは『Fix You』を演じる。冒頭のトリプルアクセルは両足での着氷に。それでも3回転ルッツや3回転ループ+3回転トーループなどの高難度ジャンプを決めていく。後半のジャンプでは回転が抜けてしまうものも。それでも雄大な音色に乗って伸びやかな滑りを披露し、全力の演技を届けた。

続いて片伊勢がリンクイン。柔らかい音色とともにゆっくりと滑り始めた。最初のトリプルアクセルで転倒してしまうも、続くトリプルアクセル+2回転トーループは着氷を耐える。『Bring Him Home』の男性ボーカルの歌声が響く後半にかけては、リンクを大きく使った優美なスケーティングを披露。回転不足になってしまうジャンプもあったが、スピンは全てレベル4を獲得する。思いを込めた演技でFSでも2位になり、準優勝に輝いた。

午後からはシニア女子のFSがスタート。最初に登場したのは木下咲良(文4)だ。女性ボーカルの歌声が響くと同時に滑り始め、しなやかなスケーティングを見せる。最初の3回転トーループを着氷させ、その後も転倒なく全てのジャンプを降りた。『The Little Mermaid』に合わせて一音一音を丁寧に滑り、コレオシークエンスでは美しいスパイラルを披露。持ち前の表現力を存分に発揮し、見る者を引き込んだ。

第2グループには昨年まで中四国ブロックに出場していた、田邊理緒(人1)が登場する。その場でターンをして滑り始め、回転不足になりながらも最初のジャンプの着氷を決めた。その後も着氷に詰まってしまう場面があったものの、転倒はなし。最後まで滑らかなスケーティングで『Beethoven’s 5 Secrets』を演じ切った。

続いてSP12位の鈴木がリンクイン。『Les Miserables』に合わせて勢いよく滑り始めた。最初のジャンプの着氷を決め、続く3回転サルコー+2回転トーループも降りる。曲の雰囲気に合わせて演じ分けながら、美しいスピンやジャンプを披露。全てのジャンプを転倒なく降り、最後は両手を広げて演技を締めくくる。まとまった演技でFS8位に入り、西日本への切符をつかんだ。

男子は出場した3名と特例措置の朝賀俊太朗(文2)の4名、女子は鈴木が西日本への進出を決めた。多くの選手にとっての次なる舞台は西カレ。近畿からの間は短いが、今回見つかった課題を克服し、さらなる高みへ。日々磨き上げた演技で、まばゆい輝きを放つ。【文:中吉由奈/写真:市場薫】
▼片伊勢
「(準優勝に輝いた)準優勝という結果自体はありがたく受け取っていてうれしい部分でもあるんですけど、やっぱり内容と点数の部分、特にこれまでやったことが点数にあまり反映されていなかったのがすごく悔しかったです。もうシーズンも始まっているので、ここから先はやっぱりきちんとした演技をして、その上で点数を取るということが大事になってくるので、そこは必ず練習から詰めてやりたいなと思います。(振付のこだわり)全体的にすごくゆったり感じの曲ではあるんですけど、テーマが祈りのプログラムなので、すごく感情豊かにというか。特に後半になるにつれて情緒たっぷりにやるというのは、単調だからこそメリハリをつけて、見ている人が飽きないような感じにしたいなとは思ってます。(どんな演技を見せていきたいか)まずはやっぱり自分がきちんと納得した練習をして、納得した演技を全力でやるということが一番自分の中で大切になると思います。あとは今回は無観客でしたけど、今後は見ていただく機会もあると思うので、エレメンツもそうですし、表現の面でも昨年までと違うなというところを見ていただけたらなと思います。(西カレ、西日本に向けて)西カレはフリーのみの試合なので、今回はフリーでの課題が多く見つかった試合だったので、それまでの期間はフリー強化期間にしたいです。そこからは2週間ほどあるので、ショートとフリーを今回のように点数があまり出ないような結果ではなくて、きちんとした形で全日本につながるような試合にしたいなと思います」
▼木科
「(演技を振り返って)トリプルアクセルが決まらなかったことと、それ以外でもミスが出てしまったので悔しい気持ちです。(FSの振付のこだわり)『Fix you』というプログラムで、キャシー先生(キャシー・リードさん)に振付をしてもらって。シニアになってフリーは体力的にしんどい部分もあるので、振付を多く入れるというよりも、スケートの滑りや伸びとをしっかり見せていけるような振付をしてもらったと思っています。すごく滑りやすいですし、途中のコレオシークエンスでは、リンク全体を使ってイーグルを大きく使ったり、自分の良さをしっかり出せているプログラムだと思います。(今年がラストイヤー)残り2試合、西日本と全日本になるので悔いのない演技をしたいです。一回一回、全ての演技、要素に自分の今までやってきたスケート人生の思いだったり、気持ちをぶつけながら演技をしたいなと思います。(西日本に向けて)スケート人生の中で最後から2番目の試合になるので、ここからは本当にミスをなくして、自分も気持ちよく滑りたいです。見ている人たちに大きな歓声を上げてもらえる演技をしたいです」
▼樋口
「(演技を振り返って)フリーは前半のジャンプを全部転倒してしまい、練習でもなかなかしないミスだったので驚きました。スピンやステップなどはプラス評価を全体的にもらえていたのは良かったかなと思います。公式練習や6分間練習ではそんなに調子が悪い感じではなかったので悔しいです。(初のシニアでのブロック大会となった今回を振り返って)ショート、フリー共になかなか練習してきたことが発揮できなかった試合でしたが、今後の西日本に向けてもう一段階ギアを上げて練習しなきゃいけないと思えるいい機会だなと思ってます。シニアになり、ずっと憧れてきた先輩方と同じカテゴリーで滑れることがすごくうれしく思っていました。(西カレ、西日本に向けて)まずは西カレで次につながるいいイメージを持てるような、ミスをしない演技をして西日本に自信を持って臨みたいです。西日本では1年間の練習の成果を全て出し切って、ノーミスの演技をして笑顔で大会を終わりたいです」
▼鈴木
「(演技前の心境)ショートの順位ギリギリということ自体は気にしていたわけではないんですけど、もちろん昨日滑る時も今日滑る時も、同じくらいここで終わってしまったらどうしようというのはずっとありました。今は順位的に次に進めるということが分かって、とりあえず良かったなと思います。(演技を振り返って)行く前に先生に『本気出して』って言われて。行く前にそんなことを言われたのが初めてで、本気出したらできると思っているってことだから結構うれしくて。それまではマイナスな気持ちで、本当にここで終わったらどうしようという気持ちの方が強かったんですけど、その言葉をもらって、もうやるしかないって思って。回転不足とかは結構あると思うんですけど、もう意地で滑り切りましたって感じです。(プログラムの選曲について)曲がすごく好きで、昨年フリーを新しくする時に使おうかなと思ったんですけど、自分的には最後に持ってきたかったので、昨年はちょっと明るい曲にしました。なので今年に持ってこようというのは昨年から決めていて、最後この曲で終われたらと思って選びました。これまでも滑りたいなっていう気持ちはあったんですけど、自分が滑るには若すぎるというか、もっと経験を積んでというか(笑)表現しきれない重さがあると思ったので、ちょっと早いかなとずっと思っていて。使いたいけど最後にしとこうかなという感じで思っていました。(振付のこだわり)何個かあるんですけど、やっぱりコレオかな。今日はちょっと曲に遅れちゃって残念だったんですけど、コレオのところは音楽にすごくぴったりの振付をしてもらって。スパイラルのチェンジも難しいんですけど、そこは練習しています。一番物語の山場になるところだと思うので、これは結構自分の中で大事にしたいポイントではあります。(衣装について)『Les Miserables』を見たことがある人は絶対に分かってくれると思うんですけど、そこに登場するエポニーヌをイメージして、その服を再現してもらった感じです。映画を見てもらったらお分かりになると思うんですけど、本当にそのままなんですよ。緑の衣装を着たことは多分初めてだと思うんですけど、みんなに似合ってるって言ってもらえて、すごく気に入ってます。(今シーズンの目標)全日本選手権に出場することです。(西カレ、西日本に向けて)西カレは今回の近畿でやっぱりしっかりやらないと本戦に行けないと思ったので、今回の反省も踏まえつつ、もっと点数を上げられるような練習をして臨みたいと思います。西日本は本当にみんなが全日本を目指して出場する大会だと思っているので、全日本で集大成ができたらいいですというふうに言いたいんですけど、もう西日本に全てを懸ける気持ちで臨みたいと思いますし、目標が達成できるように頑張ります」
▼木下
「(演技を振り返って)練習してきたことは全然出せなくて、悔しい気持ちでいっぱいでした。でも見ている人とか家族とかコーチとか、みんなすごく良かったって感動してくれて、すごくミスが多かったけど、滑って良かったなと思いました。(これまでのブロック大会を振り返って)やっぱりブロックは独特な緊張感があって、シニア1年目はシニアのことがあまり分からないまま出て、何気なくブロックを通過して西に出れて。そこからすごくブロックを意識するようになりました。毎年すごくしんどくて、今回は今まで以上に悔しい結果だったし、もう1回やり直したいくらいやけど、表現とかそういうところは出し切れたかなって。今この雰囲気も含めて楽しかったと思っています。(プログラムの選曲について)曲を聴いた時から直感で絶対これは自分に似合うから滑ろうと思って、昨年の『La La Land』の前からずっと決めていました。振付した初日から晃平先生(=𠮷野晃平コーチ)は今日試合出られるくらい良いって言ってくれたり、振付途中なのに、なっちゃん(=鈴木)が見て泣いていて、見ている人からプラスの意見をいただくことが多くて、すごく自信を持って滑れるプログラムになっているなと思います。(今後出る試合は)西カレ、インカレと、あとは小さい大会とか。近畿インカレとかも出るし、出られる試合は全部出ようと思っています。(西カレへに向けて)今日はエレメンツとかが失敗してしまって、その他のところの部分で良かったという意見だと思うし、次はちゃんとできることを全部見せられるようにように。ジャンプも表現もそろえていけるように、気を引き締めてまた頑張っていきたいと思います」
▼田邊
「(演技を振り返って)練習でいろいろ構成を変えてみたり試行錯誤したんですけど、これで行こうと決めてからはノーミスもちょっとずつしかできていなかったです。1ミス2ミスくらいに抑えられたらいいなと思っていたところだったので、後半のアクセルはもうちょっと頑張れたかなって思うんですけど、全体としては80点くらいかな思います。(プログラムの選曲について)昨年までは少し明るいアップテンポな曲を使っていたので、本格的にシニアに上がることもあって、ゆっくりな曲を使いたいと思ったので選びました。振付が河野有香さんなので、一緒に相談してこれがいいかなと思って決めました。(西カレ、西日本に向けて)3枠で3人なので枠を争うこともなく行けて、4年生の2人が最後なのもあって全員で通過してインカレに行けたらいいなと思います。個人的には自分の今日の演技以上の演技ができたらいいなと思います」
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