◇第57回西日本大学男子選手権大会◇対島根大・中京大◇７月20日◇熊本県八代市球磨川河川緑地

［１試合目］
島根大　０００　０００　０＝０
関　大　５００　１００　Ｘ＝６

１（左）倉田
２（ＤＰ）田和
３（二）榎
４（捕）末廣
５（中）長尾
６（三）神藤
７（右）野見山
８（一）小葉竹
９（遊）金谷
ＦＰ（投）井上勝

西カレ２日目も、強い日差しが照りつける中行われた。島根大と対峙（たいじ）した関大は、初回から一挙５得点の快進撃。そのまま相手に１点も与えることなく、準々決勝へ進出した。

先発のマウンドに立ったのは、井上勝裕（情３）。初回から打たせて取る投球を見せ、三者凡退で終わらせる。絶好のスタートを切った。それに呼応するかのように、攻撃は打線が爆発。１番・倉田雄太（情３）が四球で塁上へ。続く公式戦初出場の田和直人（法１）は、敵失で無死一、三塁に。この好機に、榎上総（かずさ＝経３）が初球を捉え、二塁打を放つ。２点を先制すると、４番・末廣亮主将（あきら＝商４）の内野を破る強烈な安打で、さらに１点を追加。長尾翔太（商４）の安打で無死一、二塁とすると、神藤光男（化生４）が二塁打を放ち５－０に。初回から、５点を獲得し相手を大きく突き放した。

２、３回は、両者共にスコアボードに０が並ぶ。井上勝は、４回まで１安打無失点の好投を続けた。４回裏、金谷柊（情１）が四球で塁に出ると、倉田の中前安打が飛び出し、とどめの１点を奪取。試合の流れを完全に掌握した。５回表、井上勝が２つのアウトを奪ったところで、三浦航生（こう＝人４）に交代。落ち着いて三振を奪い、この回も３人で抑えた。６回、神藤と金谷の好守が光り、相手に得点の隙を与えない。最終回は、小松琉晟（るいせい＝法２）がリリーフでマウンドへ。先頭打者をわずか３球で仕留めると、さらに２つの三振を奪う快投。攻守で相手を圧倒し、準々決勝へと駒を進めた。

［２試合目］
中京大　００３　０２０　０１＝６
関　大　０００　００２　３０＝５

１（左）倉田
２（一）荒木
３（中）長尾
４（二）榎
５（右）野見山
６（三）神藤
７（捕）小葉竹
８（投）三浦
９（遊）金谷
ＦＰ（投）井上勝

同日午後に行われた、中京大との準々決勝。おととしのインカレ初戦で対戦し、１－２で悔し涙をのんだ相手だ。中盤まで、追いかける展開となるが、一気に巻き返しタイブレークに突入。しかし、わずかに及ばず、関大は準々決勝敗退となった。

先発投手は、ここまで全試合に登板している三浦。初回を３人で仕留め、幸先の良いスタートを切る。しかし３回、先頭打者から本塁打を浴びてしまう。そこから２つの三振を奪うも、２死一、二塁で適時二塁打を放たれ０－３に。４回は、互いに三者凡退に倒れた。

５回表、三浦がマウンドを降り、小松に継投。だが、この回にも痛恨の本塁打を放たれる。さらに、４番打者に適時二塁打を浴び、５点を追いかける展開に。しかし、ここで関大が気持ちを沈めることはなかった。６回、小松が３人で斬って取ると、関大の猛追が始まる。先頭・倉田が四球で塁に出ると、続く荒木誠人（情４）が敵失でセーフに。１死一、二塁の好機に、４番・榎の強烈な二塁打でついに１点を返す。さらに、野見山心（社４）が犠飛で１点を追加。３点差まで追い上げた。

小松が無失点に抑えて迎えた、運命の７回裏。ベンチ、そして保護者の応援にも一層力が入る。小松が四球で出塁すると、金谷が二塁打を放ち２点差まで詰め寄る。１死二塁の場面で打席に立ったのは荒木。島根大戦では、暑さによる体調不良でスタメン外に。そこから復活を遂げた荒木の渾身（こんしん）の一打。追い風を受け飛距離を伸ばすと、フェンスに当たって外へ。これが本塁打と認められ同点に。関大は喜びを爆発させた。

延長８回のマウンドには井上勝。１点を献上したが、３つのアウトを全て三振で奪い、力強く拳を握った。８回裏、２点を挙げれば準決勝進出が決まる大一番。両者の応援がさらにヒートアップする。２死三塁で打順は井上勝に。フルカウントまで粘るも、最後の一球に手が出ず三振に。関大に勝利の女神が微笑むことはなかった。

西カレはベスト８で終幕。厳しい暑さの続く２日間だったが、関大は最後まで一丸となって戦い抜いた。次の舞台は、９月に富山で行われるインカレ。４年生にとっては最後の大会だ。悔いのない結果を残すため、あと１カ月に全てをぶつける。【文・写真：早川莉央】