◇第57回春季関西男子学生リーグ戦◇対立命大◇4月19日◇ 立命館大学原谷グラウンド
関 大 100 02=3
立命大 000 01=1
昨年は春に1部復帰、秋に1部2位と好成績を収めた関大。勢いに乗り、今季はさらなる高みを目指す。迎えた春季リーグ開幕戦。強敵・立命大と対峙(たいじ)した。関大は初回に相手失策で先制する。5回には2点を追加し3点リードで最終回へ。このリードを譲ることなく三浦航生(こう=人4)が完投し、開幕戦を勝利で飾った。
リーグ優勝に向けて勢いをつけたい開幕戦。先攻の関大は1、2番が初球を積極的にスイングしていく。2死となったものの榎上総(かずさ=経3)が中前へ弾き返し、簡単に3人では終わらない。さらに暴投の間に二塁へ。スコアリングポジションに走者を置き、4番・末廣亮主将(あきら=商4)を迎える。ここは打ち気にはやることなく、低めの変化球を見極め四球を選び一、二塁に。続く長尾翔太(商4)が左方向へ運び、相手左翼手の失策で先制に成功。持ち前の攻撃力を生かし、幸先良くリードを手にした。開幕戦の先発マウンドを託されたのは三浦。「人生で一番冬場の練習を頑張った」。その自信を胸に初回から2個の三振を奪う。2回は三者連続三振を奪い、抜群の立ち上がり。

3回表は1死から神藤光男(化生4)が内野安打で出塁。さらに暴投の間に二塁を陥れ、好機を作り出す。榎の痛烈な打球は遊直となるも、末廣主将が四球で初回と同様の2死一、二塁に。再び長尾のバットから得点が生み出されるかと思われたが、三振に倒れ無得点。4回表は先頭の福田一心(文2)が相手失策で出塁する。さらに野見山心(社4)が中前に運び、無死一、三塁の絶好機を迎えた。しかし、倉田雄太(情3)は三振に倒れ1死。続いてルーキー・金谷柊(情1)が打席に。何としても1点がほしい関大ベンチはエンドランを仕掛けるも痛恨の三直。スタートを切っていた三塁走者・福田は戻り切ることができず、併殺となってしまった。

攻撃が機能せず、流れが傾きかねない4回裏。それでも三浦の快投は止まらない。2個の三振を含む三者凡退でリードは許さず。援護したい打線は5回表。「もう1点取ってピッチャーを楽にしよう」と末廣主将から声が飛ぶ。1死から神藤が泳ぎながらも、左手1本で左前に運び出塁。すかさず盗塁を決め、塁上からプレッシャーをかける。さらに末廣主将、長尾が四死球で2死ながら満塁の好機を作り出した。この場面で福田が打席に立つ。振り抜いた打球は遊撃手の頭上へ。この一打で2点を追加し、関大ベンチが大きく沸いた。

試合時間の規定により、最終回となる5回裏。ここまでノーヒットピッチングの三浦は先頭を三振に取る。さらに次打者のピッチャー返しも反応し、2死を奪った。いよいよノーヒットノーランまであと1人となって、迎えるは相手9番打者。抑えたいところだったが右安打を許し、記録達成ならず。これでリズムを崩し、四死球で満塁のピンチに。さらに野選で1点を失う。ここで相手4番を迎え、球場のボルテージは最高潮に。井上勝裕(情3)と小松琉晟(るいせい=法2)もブルペンで準備をするが、関大は三浦を続投。両者のプライドがぶつかり合う中、最後は三浦が気迫のこもった投球で三振に斬って取る。見事、開幕白星発進となった。

打線は2回を除いて毎イニング好機を演出。守りは三浦が5回11奪三振の投球と、磐石の勝利を収めた。また、三浦だけでなくマルチ安打の神藤や全打席出塁の末廣主将など、今リーグが大学最後のリーグとなる4年生の活躍も光る。この勢いのままあすは神院大と対戦。強敵・同大を前に連勝で弾みをつけたいところだ。【文/写真:櫻田真宙】
▼末廣主将
「(どのような心境で開幕戦を迎えたか)相手が好投手だと分かっていて、打てなくてもしょげないようにと考えていました。今までやってきたことは間違いないから、気持ちを安定させれば大丈夫だと思っていました。全力でやっていこうと全員に言っていた中で、今日はそれができた思います。(三浦に先発を任せた要因は)3月にたくさん練習試合を組んで、ずっと三浦の調子が良かったということと、最終学年なので最後のリーグへの気合もあって。一番燃えているなと感じたので選びました。(捕手として受けていてどうだったか)最高でした。もう1段階上を目指したい思いもありますが十分でした。(次戦に向けて)負けても沈まないということを意識してやっています。また、目の前の一戦に対して全員が全力で臨めるよう気持ちを1つにして、優勝を目指して頑張りたいと思います」
▼三浦
「(どのような心境で開幕戦のマウンドに上がったか)自分自身、人生で一番冬場の練習を頑張った中で先発を任されて、しっかりと練習の成果を出し切れたのかなと思います。(投球を振り返って)最終回はピンチ作ってしまって、ちょっとそこがあすからの課題かなと思うのですが、自分の中では良かった部分もあったのかなと思います。(この冬に自身が一番成長した部分は)ライズボールです。自分の武器であるライズボールをしっかりと磨いて、今日もライズボールで押すことができました。(ノーヒットノーランへの意識はあったか)最後はほしがっちゃって(笑)三振を取りにいこうとして真ん中に入ってしまったので、そういう意識をなくして、あすからはチームの勝利につながるようなピッチングにしたいと思います」
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