「平均65点くらいで過ごそう」。2024年1月1日、自分で立てた目標である。関大スポーツ編集局(カンスポ)のことも、毎日の生活も。頑張りすぎてしんどくなるくらいなら、最初から満点じゃなくて、そこそこを目指そうと思った。30点の日も100点の日もあるだろうけど、だいたいが真ん中よりちょっと上くらいになったらいいな。そしたらきっと、去年みたいに部活をやめたいと思うこともなくなるだろうな。自分のために、決めた目標だった。
4月13日、バレーボール部男子の春リーグ開幕とともに、毎週末取材に向かう日々が始まった。写真を撮り、インタビューをし、記事を書き、プレイバックを作る。文字にすると機械的な作業に見えるかもしれないけれど、毎回本当に苦労した。撮りたかった瞬間を逃した。聞きたいことがもっとあるはずなのに言葉が出てこない。WEB記事は同じような言い回しばかりになってしまうし、プレイバックはいつも期限ギリギリ。約2カ月に1回のペースで締め切りに追われる編集でも、自分の無力さを痛感した。カンスポ2年目になってもできないことばかり。だけど、来年には自分たちが一番上になるからできないといけない。正直、焦りと不安でいっぱいいっぱいだった。それでも、最後はなんとかなると自分に言い聞かせる日々。いつの間にか「平均65点くらいで過ごす」という目標のことなんか忘れて、毎日精一杯の努力をしていた。
6月半ば、2024年も半分が終わったころに、年の初めに自分で立てた目標を思い出した。忘れていたのもそうだけど、全力で一戦一戦に向き合う選手たちを前に、平均だとかそんなことを考えられるわけがなかった。KAISERSたちは、その時に自分たちが思うベストの選択をしている。それならば、私も同じようにありたい。テストみたいに、最初から決まった答えがないカンスポの活動。記事の書き方も、写真の撮り方も、新聞の見出しの内容も、誰かが正解を教えてくれることはない。それならきっと、満点も平均点も生まれないだろう。しんどくなってもいい。頑張った先に何もなくたっていい。「正解が分からなくても、常に最善を」。他の誰でもない自分のために、残り半年の目標を変えた。
新聞を読んで、記事の書き方を学んだ。カメラマンの方のInstagramをフォローして、撮影方法についての勉強を。競技について調べて、メモの取り方を変えてみる。そして一番盛り上がる瞬間を逃すまいと、左手にカメラを持ちながら、右手でペンを握るようなった。それらが正しかったのかは分からないけど、ちょっと自信がついて、選手と話せるように。それから、できない部分をなんとか埋めようと、今までよりも編集に打ち込むようになった。
バレーボール部男子のインカレ後、お世話になった4年生の方にインタビューをさせていただいたときにかけてもらった言葉。「これで最後ですね。いつもありがとうございました。来年もいい写真いっぱい撮ってあげてください」。心の底からうれしかった。いつもカンスポさんと呼ばれていたから、多分私の名前は知らないのだろう。それでもいい。自分が撮った写真が、彼らの思い出の一部になるなら、それほど光栄なことはない。
年が明けて2025年になると、カンスポラストイヤーが始まる。最後の1年も、今年とやることは変わらない。平均点が生まれない活動の中で、最善を尽くす。努力は必ず報われるかは分からないので、結果がどうなったかは、またどこかで。【森奈津子】
▽お世話になった班長競技の紹介も含めて、今年のプレイバックを。1年間ありがとうございました!
1年に1回しか取材に行く機会がない航空部。広大な自然の中で、悠々と飛ぶグライダーを見ていると、心が穏やかになります。いつか私も乗ってみたいです!
超、超、超大盛り上がりの応援が魅力のソフトテニス部男子。見てる人たちも巻き込んで楽しませる力があります。インカレの3本回し、感動しました!
この1年を通して、一番取材をさせてもらったバレーボール部男子。プレー中の冷静な姿と、得点後の笑顔のギャップが本当に素敵でした。「カンスポさん写真撮ってー!」と声をかけてくれるのがうれしかったです!
大好きな同期。全員で集まれることはほとんどないけど、みんなのおかげで頑張れています。いつもありがとう、来年も頑張ろう!
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