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遂に3度目。3回目のコラムは関大スポーツ編集局(カンスポ)生活の終幕が示されている。書きたいことが多い一方で、書きたくない。楽しかったカンスポ生活にまだ幕を下ろしたくない気持ちであふれている。これまで、言葉の力をタイトルにコラムを書いてきた。2年間貫いたテーマはもちろん今年も。希望や幸せを意味することもあり、「虹」を一文字に選択。最高な3年間だったため、昨年の彩と合わせて「さいこう」とも読めるように。さあ、最後に何を残そうか。思い出の引き出しをたくさん開けながら、このコラムを書いていこうと思う。

世に出る前の情報や試合中に見せる選手たちの真剣なまなざし、掛け合う言葉の数々に隠された思いは、カンスポだからこそ見られること、聞けることも多かった。カンスポである私しか知らないし、伝えることはできないと、時間を忘れてキーボードを押し続け、号外や企画を出す。そして、少しでも選手の魅力が伝わるような1文と1枚を。それぞれの選手でその人の良さを最大限に引き出すことのできる角度も探し、毎試合KAISERSに没頭。さらに魅力を伝えるべく、毎大会前には試合告知を制作するなど、楽しいラストイヤーの幕開けだった。

同時に、ラストイヤーでは、常に良い結果があるわけではないことも痛感する。なんとなく結果を想像して取材へ行くことのほうが多かった2年間。2024年7月14日だけは予想外の展開だった。関西で1番の優勝候補の選手であり私の戦友がまさかの失敗で優勝圏外。周囲から起こる驚きと落胆の声に胸が締めつけられ、カメラのシャッターが切れなかった。その一瞬は、自分の中で空白の時間になり、今でも思い出すことはできない。「記者失格」の文字だけが頭に浮かぶ。“このままじゃダメだ”。 『報道』を行うカンスポとしての自分を見失った。その時、関学スポーツ編集部の記者仲間に言われた言葉が思い出される。「望乃ってつらい系というかさ、悲しいほうの涙とか、あんま撮らへんよな。案外いいで。撮ってみな」。正直、マイナスな涙を撮影するのに抵抗があった私は、「撮っていいのかな。選手がその時のつらさを引きずらないかな」という不安でいっぱい。でも、それがリアルを伝える『報道』。

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△戦友を撮る(撮影・同志社スポーツアトム編集局)

9月、漕艇のインカレにて初めて涙を写真に残した。シャッターを押す指は重たかったが、選手の4年間の思いが詰まった1枚を残せたようないい感覚。カンスポ生活残り3カ月で新たな自分になれた気がした。そこからは、良い部分だけではなく、苦い部分もカメラに収め、つづる。1年時にコラムで書いたように、『報道』という立場にもどかしさを感じ苦しかった日々が嘘のように、『報道』を心から楽しんでいる自分がいた。

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△このコラムを書きながら最後の取材をしていますin青森

大好きな競技の班長を持つことができ、常に心躍る日々。あと何回この会場に来ることができるのだろうか。秒で過ぎていく毎日にどこか悲しさを募らせながら勇姿を見届ける。自分自身、KAISERSから贈られた言葉の数々や景色で人生のページは彩られた。カンスポ生活が終わる喪失感に恐怖を感じるほど、活動は充実し、毎日が心から楽しかった。班長競技の皆さん、それ以外の競技でも私と出会ってくれたKAISERSのおかげ。3年間本当にありがとう。

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△漕艇部MG・春名美佳(社4)さんとの1枚(撮影・漕艇部)
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△高校時代から応援していた男子ハンドボール部。先輩方との1枚

カンスポを通して出会ったすてきな人々のおかげで活動内容に後悔はない。だが、なにかやり残している。そのモヤモヤ感が消えないままこのコラムを執筆中。班長競技の選手たちにはメッセージを送ったが、KAISERS全体には?昨年のコラムで彩を還元すると宣言したのにも関わらず、常にKAISERSからうれしすぎる言葉や感動のシーン、そして喜びや悔しさなどの数々の感情をもらうばかり。何も贈り返すことができていない。少しでも還元できることを信じて。KAISERSに向けての気持ちを書いて、自分勝手ではあるがやり残しのない引退にさせてもらおう。

私がカンスポ活動をする中で、1年の頃から「負けてごめんな」、「この競技の何がよくて来てくれるの?おもしろないでしょ」の2つを言われることがとても嫌でした。皆さん、そんなこと言わないで。競技そのものだけをカンスポは取材しているわけではないから。いつも上を向いて全力でプレーするKAISERSが与えるものは想像以上。普通の大学生からしたら予想外で想像を絶するトレーニングの数々やチームでのぶつかり合い。試合のある一瞬のために努力を積み重ねる。結果の裏に隠された部分に勝ち負けなんて関係ない。試合中のかっこいい姿はもちろん、簡単には見ることができない陰の部分にも心を動かされ、私は頑張れていました。3年間、私はその輝く姿を毎週末自分の目で見ることが幸せで楽しみで、毎日の活力になっていました。2つの言葉を言わせたくなくて必死になったカンスポでの3年間が届いていたらうれしいです。部活動を通して、つらいことも多くあると思いますが、KAISERSの絶対的ファンであるカンスポがこれからもついています。後輩が皆さんの輝く瞬間を届けてくれるはず。堂々と自分らしい姿を見せ続けてください。関大に入学し、カンスポへ入部した自分の選択は間違っていなかった。KAISERSの報道ができたことが誇りです。

唯一無二のKAISERS。その一員にさせてもらえたことが本当に幸せ。たくさん泣いて、笑ったカンスポでの3年間は代わりが見つからない宝物。【村中望乃】

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△大好きな他大学の記者仲間と

きっと読んでくれていると思うから。学生記者仲間の京ちゃん(関学スポーツ編集部)、真菜ちゃん(同志社アトムスポーツ編集局)へ。選手たちは当然ライバル同士。それでも、記者の私たちは取材地で協力し合い、ともに成長し合えて最高にうれしかった。2人がいたから自分の学生記者としての能力は格段上がりました。カンスポのメンバーに加えて、2人の存在が自分にとってすごく大きくて。さらに活動を頑張れたし、嫌なこと、つらいことを乗り越えられたよ。2人に出会えたこともあって、三木ホースランドパークは大好きな場所です。ありがとう!

最後に寛太へ。昨年のコラムの最後に決意を述べていたからコラムでお返し。幹部で何度もぶつかり合い、「編集長でしょ?」と、不満を口にしたことも多かった。逆にされたこともね(笑)それでも、後輩には嫌な顔一つ見せずにやり切ってくれた。主務として常に横で見ていたけど、部員にとっての最善を考え、やり抜く姿には毎回驚いていました。ありがとう。寛太が編集長で良かった。

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