2024年パリオリンピック。今年の夏の一大イベントと言えばこれだろう。スポーツ好きの集まりでもある関大スポーツ編集局(カンスポ)の中でも、一番のめり込んで見ていた自信がある。
7月26日の夜(日本時間27日早朝)、例の物議をかもした開会式によって私の夏は始まった。それぞれの競技がタイムスケジュールを出すやいなや、カレンダーに予定を書き込む。それに合わせてアルバイトのシフトも出した。メインとなるのは、やはり石川祐希(シル・サフェーティ・ペルージャ)率いる龍神NIPPONだろう。バレーボールは近年急激に人気を博し、注目されていた競技のひとつだ。
私がバレーにのめり込んだきっかけは、2019年に開催されたFIVBワールドカップだ。それまでもテレビでやっていれば見ていたが、魅了されたのはこの大会だろう。当時は塾に通っていたので、授業が終わってすぐに帰宅し、バレーを見る、というルーティンが確立されていた。印象に残ったのは、最終戦の日本代表対カナダ戦。家に帰った時にはもうファイナルセットに差し掛かっていた。テレビでは、西田有志(大阪ブルテオン)のサービスエースが決まり、大盛り上がりを見せる。その後も西田が連続でサービスエースを決める。相手にタイムアウトを取られたりもしたが、5本のサービスエースを決め切り、日本を勝利へ導いた。『世界は西田を止められない』。その言葉が本当に似合う選手だった。これが、私がバレーに“ハマ”った瞬間だ。
2024年のオリンピックでも西田は止まらなかった。ここぞというところでスパイクを決め、エースだらけの日本代表で活躍していた。準々決勝で強豪・イタリアと対戦し、フルセットの末準決勝進出とはならなかった。今回の代表はかなり期待されていたため、ショックが大きかった。今後全く同じメンバーの日本代表を見ることはできないが、それでも彼らの活躍にこれからも期待したい。
2024年パリオリンピックで、私が一番胸を熱くさせた試合は間違いなくテニスの男子シングルス決勝だと思う。決勝で対戦したのは、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)とカルロス・アルカラス(スペイン)だ。オリンピックの前、6月から7月に行われていた四大大会の1つ、ウィンブルドン選手権。2023年、2024年と決勝ではこの2人が対戦し、アルカラスが2年連続で優勝している。このウィンブルドンの直後に行われたオリンピック。そんなの結果は目に見えているようなもの。しかし、環境も期待も違うオリンピックの舞台で、ジョコビッチは卓越したテニスを見せた。タイブレークにまでもつれ込む戦いが繰り広げられたが、セットカウント2-0とジョコビッチがストレートで白星を飾った。オリンピックを優勝したことにより、四大大会とオリンピックを制覇し「生涯ゴールデンスラム」を達成した。これは全世界でたったの5人しか成し遂げていない快挙である。もうジョコビッチが頂点を取る姿を見ることができないと思っていたので、本当にうれしかった。
今回のオリンピックの開催がフランスだったことで、日本との8時間の時差はかなり私を苦しませた。体操は午前1時から始まった。バレーも午前4時から始まったこともあった。バスケットボールもバドミントンもハンドボールも。見れるものは全部見たいと欲が出る。オリンピック期間はほぼ寝不足状態。しかし、スポーツを頑張っている選手たちを応援したい気持ちの方が勝ってしまう。私はいつでも見ている側だ。ただ見ているだけというのも少し飽きてきた。大学に入学し、何かを変えてみたいと選んだカンスポ。選手たちの熱量を肌で感じられる距離で応援できる。少しでいいから選手たちのモチベーションになれたらと思う。カンスポのおかげで出会えたスポーツ、選手たち、仲間たちに感謝したい。だらだらと書きつづっているこのコラムも、自分のことよりも頑張ってる選手たちのことを書きたかった。来年もまたコラムがあれば、関大で活躍している選手を取り上げたいと思う。【中山桜希】
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