「夢なきものに成功なし」。私の座右の銘だ。2021年4月、高校の入学式で校長先生から初めて聞いたこの言葉。それからの高校3年間、聞いた回数は数え切れない。これは元々吉田松陰の言葉で、全文は「夢なきものに理想なし、理想なきものに計画なし、計画なきものに実行なし、実行なきものに成功なし、故に夢なきものに成功なし」。ここでの「夢」とは、目標や憧れのことを指す。小さなものでいい。漠然としたものでいい。夢や理想を持つことは大切であり、それが原動力となって成長につながる。
プロスポーツ選手は多くの人に夢を与えられる存在だ。大学で競技をしている選手であっても、中学生や高校生にとっては憧れの対象になり得る。では、関大スポーツ編集局(カンスポ)の記者はどうだろうか。他の人に夢を与えられる存在と言えるだろうか。
すぐにはその答えが出ないかもしれない。しかし、私には尊敬する先輩が多くいる。その先輩方は私にとって憧れの存在だ。そんな先輩たちのようになることが、私の夢だ。私も来年、入部してくるであろう後輩たちにとって憧れの存在になりたい。自分の姿を見て、「こんな人になりたい」と思ってもらえるような存在を目指したい。そして、誰かに夢を見せられるような記者でありたいと考えている。
人生山あり谷あり。まだ19年間しか生きていないが、これまでにうれしいことも苦しいことも、さまざまな経験をしてきた。そして、これからもそうだろう。カンスポでの活動も例外ではなく、今後2年間、さまざまな思いをするに違いない。苦しい時にすぐ諦めてしまうような姿を見せて、誰がその人を目標にしたいと思うだろうか。誰がその人に夢を見たいと思うだろうか。苦しい時にどれだけ夢を見せられるかが大切だと私は思う。苦しい時には必ず改善点がある。その改善点を探す過程を楽しみたい。それを「困難」だとは思わないように。
しかし、夢に固執しすぎることは逆に危険だと考える。夢にとらわれすぎると視野が狭くなり、新しいことを受け入れる余裕がなくなってしまう。途中で夢が変わってしまったとしても、決して悪いことではない。同じ夢を持ち続けていても、環境や価値観の変化によってその夢が価値を失ったりすることもあるだろう。
だからこそ、変化に対して柔軟に反応し、臨機応変に対応できることも大切だ。もし理想通りにいかなくても、自分の新しい一面を発見できたなら、それだけで価値がある。夢は固定されたものではなく、時に変化し、形を変えるものだ。その変化を受け入れながら歩み続けることが、成長への道ではないか。
私も過去の夢が変化して今の夢がある。元々カンスポに入部した当初は、カンスポの活動をがむしゃらに取り組むことが夢だった。今年を振り返ると、その夢は実現したと思う。学業やアルバイトにも打ち込みながら、新聞編集にも積極的に取り組んだ。このコラムを書いている日は12月23日。2024年も残すはあと1週間ほどだ。今年は新たな道に踏み出した1年だった。今まで知らなかった一眼レフの使い方や、新聞のルールを覚えるなど、いろいろなことに挑戦した。
来年も変わらず最後まで夢を追い続けてみる。数ヵ月後に入ってくるであろう後輩のお手本となれるように全力を尽くす。【桝井来夢】
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