◇ JOCジュニアオリンピックカップ大会、第93回全日本フィギュアスケートジュニア選手権大会 ◇11月17日◇ひろしんビッグウェーブ
[ジュニア男子FS]
3位 朝賀 135.75
[ジュニア男子総合]
5位 朝賀 201.00
全日本フィギュアスケートジュニア選手権大会(全日本ジュニア)のフリースケーティング(FS)。ショートプログラム(SP)で6位となった朝賀俊太朗(文1)が挑んだ。自身でも納得の演技を披露。FS3位で、総合5位となった。表彰台は逃したが、今大会の結果により、年末に行われる全日本への出場も濃厚。ジュニアラストシーズンとなる全日本ジュニアを笑顔で終えた。
最終グループの1番滑走で登場。昨年から継続のプログラム、タンゴの『Buenos Aires winter』を披露した。冒頭のトリプルアクセル+3回転トーループのコンビネーションジャンプでは乱れがあったものの着氷させる。その後は次々とジャンプを決めた。前日のSPでは無効となってしまったシットスピンでも、レベル3を獲得。終盤は、得意とする鮮やかなステップで会場を魅了した。音に合わせてリズムを刻む。力強く、感情を込めた魂の演技を披露した。演技直後は、何度もガッツポーズ。喜びをかみしめた。この日一番の拍手と歓声が沸き起こる。スタンディングオベーションで絶賛された。
笑顔でリンクを去ると、コーチと抱き合う場面も。キスアンドクライでは、「悔しいところもあるけど、ようやくまとめられた」と顔を覆った。これまで西日本ジュニアまでは好成績を残せていた朝賀だったが、全日本ジュニアでは、けがで思うような演技ができなかった。得点が発表されると、「よっしゃー」と喜びを爆発させ、涙した。総合得点は200点を超え、FSと合計得点でパーソナルベストをたたき出す。「ようやくこの舞台、FSを笑顔で終わることができたので、今は素直にそこが一番うれしいです」。
また、今大会の推薦枠で、年末に行われる全日本への出場も濃厚。「自分のスケートへの意欲を一段と高めることができたなと思っています」。納得の演技で、最後の全日本ジュニアを笑顔で締めくくった。来年からはシニアの舞台で戦う。朝賀の豊かな表現力と情熱的な演技は、多くの人を魅了するに違いない。【文/写真:貴道ふみ】
▼朝賀
「(今の気持ち)ようやくこの舞台、FSを笑顔で終わることができたので、今は素直にそこが一番うれしいです。(200点超えについて)FSも合計得点もパーソナルベストなので、素直にうれしいのですが、やはりミスっていうのが、ところどころSPもFSもあったので、そこを直せば、もっと上に行けるなという自信にもつながったので良かったのではないかなと思います。(演技を振り返って)まとまりとしてはすごく良かったなと思っていて。自分自身も踊っていてすごく楽しかったので、それが見ている方々にも伝わっていると信じて、今日は本当に踊りながら楽しいなという思いでいっぱいでした。(コレオシークエンスについて)コレオシークエンスは本当に見せ場だと思っているので、身体を最後の力を振り絞って、大きく使うというのをずっとやってきていたので、今回もそれができたと思います。(コーチから言われた言葉)あまり覚えていないのですが、本当に良かったとずっと言ってくださっていて。ここまで支えてくれたコーチなので、リンクサイドを上がった瞬間に僕自身も涙が出てしまって。抱き合った瞬間にかなり熱いものがあったのですが、本当に(本田)武史先生とじゃないとここまで来られていなかったので、本当に尊敬しています。(全日本に向けて)今年大阪での開催なので、地元ということもあり、出たい気持ちでいっぱいでした。もし出ることができたら本当にうれしいことですし、その舞台で、今回やり残したことをSP、FSともに果たせるように、まだまだここから練習していかなければなと感じたので、自分のスケートへの意欲を一段と高めることができたなと思っています。(トリプルアクセルについて)1本構成でまとめられるということを目標としていたのですが、次の大会でFSを滑ることがあれば、2本入れて必ず成功させるというのを目標にはしているので。今回は、3回転トーループでオーバーターンがあったのですが、アクセル自体はSP、FSともに悪くはなくて。着地の感覚がなかったので、アクセル自体は本当に自分のものになりつつはあるので、このまま同じ練習以上のものをやっていければ必ず自分のものになって必ず次にもつながると思います。(FSのコンビネーションジャンプについて)今回、SPでもミスがあったトリプルアクセルだったので、トリプルアクセル自体には強い気持ちがあったので、まずそこでトリプルアクセルがきれいにはまったというので、安心につながって、3回転トーループをつけるかは直前まで悩んでいたので。つけられるなという思いでつけただけなので、そこはコンビネーションが1つ減ったという思いしかなかったので、次には引っ張られなかったです。(朝からやっていたこと)今年は例年と違って、全日本ジュニアへの緊張があまりなく来られたので、朝の公式練習の時は普段と何も変わらない練習ができたので、落ち着いて試合に臨めたのではないかなと思っています。(良くできた点)近畿から含めて今シーズン、前半が良くても後半が良くないという試合が多かったので、後半には力を入れてきました。その後半がミスなく滑れたというのは本当に良かったなと思っています。(次の試合に向けては)トリプルアクセルを2本入れ滑り切るというのを練習して、次の大会では必ず2本入れて、ノーミスの演技をするということを目標としています。(表現の面では)まだ全然指先や肘の使い方がうまくないと自分では思っているので、バレエのコーチの方に指導してもらってまだまだブラッシュアップできたらなと思っています。(2年間の道のり)ジュニア時代は苦しい期間も多くて。今シーズンでようやくFSを最終グループで滑ることができて、チームの変更などもあって、気持ちの整理も付きづらいところもあったのですが、ようやく本田コーチとも意思の疎通をはかれて、自分の滑りたいこと、表現したいこと、やりたいことを話し合いながら練習できてきたので、それが今年になってようやく実を結んだのではないかなと思います。(仲間との関係性)僕のことを応援してくれるお兄ちゃん的存在の人もいるので、演技前に連絡をくれたりして、切磋琢磨(せっさたくま)し合うじゃないですが、お互いに高め合いながら他のチームのメンバーだったりもできているのではないかなと思います。(最後の全日本ジュニアで緊張しなかったのは)毎年けがが続いてしまっていて、そこの不安が今までも大きくて。試合自体の緊張は今までもあまりしたことはなくて、近畿ジュニア、西日本ジュニアでもしなくて、全日本ジュニアでも本来はしないのですが、けががあってそっちの方に気を取られてしまうことが多く、今年は万全の状態で来られたのでそれが緊張なく滑れたと思います。ようやく本来の自分のやりたいことができたと思います」
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