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◇2024秋季関西学生リーグDiv.1第6節◇対関学大◇10月26日◇於・東大阪市花園ラグビー競技場

【第1Q】関大3-7関学大
【第2Q】関大3-10関学大
【第3Q】関大2-7関学大
【第4Q】関大7-7関学大
【試合終了】関大15-31関学大

力負けを喫した。昨年、春秋ともに関学大をくだした関大だったが、この日は宿敵を前に攻守で歯が立たず。全クオーター(Q)でタッチダウン(TD)を奪われると、関大オフェンスはTDを1つに抑えられる。優勝はもちろん、上位3校が進む全日本トーナメントへの自力進出の可能性もなくなった。

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△試合後、整列する選手たち

「俺たちが勝つ」。試合前のハドルでQB須田啓太主将(文4)は短く語った。その気迫に第1Qから選手が呼応する。ディフェンスからのスタートとなった今試合。2度のファーストダウン更新を許し、フィールドゴール(FG)圏内まで進まれる。それでもプレッシャーをかけ相手のキックは失敗。最初のシリーズを無得点で切り抜ける。関大のファーストシリーズもスコアを動かせず、迎えた相手オフェンス。ランプレーを中心にゲインを許すと、最後もランで押し切られ先制点を与えてしまう。

しかし、関大はすぐさま反撃。QB須田主将からWR岡本圭介(文4)、WR塚本響(文4)へのパスで相手陣へ侵入すると、FG圏内まで攻め込む。最後はK中井慎之祐(法3)がFGをしっかりと決め、3点を返した。

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△K中井

第2Q、けがから復活を遂げたDL森本祥希(文4)を中心に、気迫のディフェンスで止めにかかる。DB寺田了(文4)、LB般谷飛向(経4)ら4年生のタックルが光り、相手のオフェンスをFGによる3失点にとどめた。

1ポゼッション差のまま食らいつく関大は直後のオフェンス。3thダウンをWR溝口駿斗(商4)へのパスプレーでしっかり取り切り、ゲインに成功する。着実に相手陣内へ入ると、ここでも最後はK中井が26㍎のFGを決め、4点差に詰め寄った。

しかし、関西優勝60回を誇る相手の強力OLとRB陣を思うように止めきれず。この日2つ目のTDを奪われ、またしても2本差に。前半終了間際、残り39秒から立て続けにWR溝口へパスを通し、最後も3プレー連続でロングパスを試みたが及ばず。11点ビハインドで前半を折り返した。

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△QB須田主将

関大の攻撃権から始まった第3Q。反撃を試みるべく、RB阪下航哉(社4)がいきなりビックリターンを見せる。自陣32㍎からの攻撃とするが、直後のプレー反則を取られ罰退。流れをつかめきれずにいると、その隙を突かれ、逆にTDを献上してしまう。

再び流れを持ち込みたい関大。ビックプレーでその仕事を果たしたのは、スペシャリスト、P金森陽太朗(社4)だった。自陣30㍎からのパントキックを見事に相手のエンドゾーン付近まで飛ばすスーパープレー。窮地を脱すると、その後のディフェンス、ファーストプレーでDL森本が相手RBを捕まえる。セーフティに成功し、副将2人のビックプレーで首の皮一枚つないだ。

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△P金森

第4Q開始前の時点で3本差、残された時間は12分。劇的勝利へ、失点は絶対に許されない局面だったが、相手RBに中央を破られTDを許す。この日はランの獲得㍎、28に対し、相手には279㍎を取られる、ランディフェンスが明確な課題となった。

意地を見せるべく、立て続けにQB須田主将からWR溝口へのロングパスで相手ディフェンスに襲いかかる。関大が誇るホットラインが躍動すると、エンドゾーンまで1㍎に迫った局面で、RB前川礼男(経2)が意地のTD。最後までパスを中心に反撃を試みたが、そこまでがやっとだった。15ー31。点差以上に経験値、準備力、体の強さ、あらゆる面で上回られ、完敗を喫した。

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△RB前川のTD後

これにより関大は第6節を終えて、4勝2敗。同じく2敗の近大と、関学大との最終戦を残す立命大の3校の内、2校が全日本トーナメント進出を果たす。(関学大は今節で優勝が決定)たとえ最終節の京大戦に勝っても、次なるステージへの切符は他力本願となった。

試合後、QB須田主将は駆けつけた大勢の観客に向けて、「ここに並んでいるみんなは頑張ってくれました。勝てなかったのは主将でもあり、QBでもある僕の責任です。ただ少しでも可能性がある限り突き進むので、引き続き応援よろしくお願いします」。何百人もの前で、自らの責任を背負い、覚悟を示した。その後ろに並ぶ選手、スタッフもその光景に並々ならぬ思いを抱いただろう。『須田を日本一に』。4年生を中心に声に出し続けてきたその夢を、ここで終わらせるわけにはいかない。1年越しの全日本行きをかけた最後の戦い。まずは京大に勝って、残されたチャンスを淡々と待つ。【文:稲垣寛太/写真:上田峻輔】

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