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◇2024年度関西学生選手権大会◇10月4日~6日◇新西宮ヨットハーバー

[470級]
久保旬也(商4)・榎本圭佑(法3)
西川哲生(化生4)・田附大和(法2)/奥村悠大(法4)
河野大陸(人3)・森大地(法2)/田附

[団体]
優勝 関大

[スナイプ級]
赤松佑香(商3)・佐田ひなた(人4)
竹田大輝(人2)・福永晃志(シス理3)
竹中麻結(安全4)/𠮷村歩起(文2)・大畑大河(安全2)/𠮷村

[団体]
優勝 関大

[総合団体]
優勝 関大

関大ヨット部が2005年以来となる関カレ総合優勝を成し遂げた。見つめる最大の目標、『全日本インカレ総合優勝』。その夢を達成するべく、日々努力を積み重ねてきた。苦しい状況でも屈せず前を目指し続けた結果、470級、スナイプ級共に目下総合17連覇の関学大を下し、完全優勝で関西王者の肩書とともに11月上旬に行われる全日本インカレに駒を進めた。

MG_8458-200x133 【ヨット】2005年以来19年ぶりの関カレ総合V
△470級のクラス優勝が決まった瞬間

3日間にかけて行われたレース(R)で各校3艇ずつが出場し、その合計得点で結果が出る。関大は初日から両級好発進を見せた。まずは470級。関西個人インカレ覇者、河野・田附組が3位、西川・奥村組が4位といきなり前を走る。団体成績で首位に立つと、軽風模様となった第3Rからコンビを組む河野・森組が第3Rで1位。久保・榎本組が第4Rでトップフィニッシュを果たすなどこれ以上ないスタートとなった。

一方のスナイプ級、第1Rでは竹田・福永組が最高順位4位でフィニッシュ。第2Rでも1艇が最後尾で走るなど波に乗れない。団体成績2位と2日目以降の巻き返しが期待された。

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△竹田・福永組

最終日が軽風予報のため、レース数が減ることも予想される中迎えた2日目。さらに差を広げるべく470級から出艇した。第5Rから始まった2日目。スタートに出遅れながらも、久保・榎本組が2位フィニッシュと弾みをつける。しかしその後、無風の時間が続きレースは一時中断。第7Rでは2艇が2桁順位を叩くなど、点差を詰め寄られる形となった。

第4Rから始まったスナイプ級。全日本女王、赤松・佐田組が8位に沈むなど、3艇ともにこの日も流れに乗り切れない。そんな暗雲な雰囲気を断ち切ったのは竹田・福永組だ。チーム唯一の2年生スキッパーは第5Rで首位フィニッシュを果たすと、続く2Rも2位でゴール。完全に流れを取り戻すと赤松・佐田組も第6Rでトップで帰り、本来の実力を発揮した。

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△久保・榎本組

470級、総合1位、スナイプ級2位で迎えた最終日。「この緊張感を楽しんで。徹底的に圧倒的に勝つ」。出艇前、佐田主将は仲間にそう呼びかけた。午前中は風に恵まれず、我慢の時間が続く。12時を過ぎ、ようやく開始を告げる旗が上がると470級がスタートした。第8R、2艇がシングルスコアでゴールし、クラス優勝を確実なものにすると、圧巻は最終R。河野・森組、久保・榎本組がワンツーフィニッシュを決めトップフォーン。出場した3艇だけでなく、3日間支え続けたレスキュー艇からもガッツポーズと雄叫びが上がった。

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△西川・奥村組

わずか1点差を追いかけるスナイプ級。プレッシャーがかかる中、赤松・佐田組は熾烈(しれつ)な関学大とのスタート争いをタッグで制し前を切る。最初のポイントを竹田・福永組と共に先頭集団で回った。ランニングでも走り負けせず上位を死守し、2、3位でゴール。この時点で首位・関学大をひっくり返し、逆に10点の差をつけて最終Rを迎える。しかしここまで8Rを消化し、体力も限界を迎えていた選手たち。最初のポイントを後方で回る。1艇も失速が許されない中「関学に勝つとかは考えずに、ただひたすら前の1艇を抜くことだけを考えた」と竹中。最終盤でそれぞれの艇が最善のルートを選択し数艇抜く。合計得点で関学大をわずか1点上回り、スナイプ級の優勝も決定。同時に関西インカレ完全優勝を勝ち取った。

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△(左から)赤松、佐田、水谷はるひマネージャー(社3)

歓喜の瞬間、出場した選手のみならず、レスキュー艇、観覧艇に乗るすべての関大関係者から笑顔がこぼれた。ここまでチームを束ね上げ、『完全優勝』を掲げ続けた佐田主将からは思わず涙が見られる瞬間も。「レギュラーメンバーだけじゃなくて支えてくれた後輩たち、保護者の皆さま、首脳陣の方々がいてくれたから優勝できた。信じてついて来てくれてありがとうと伝えたいです」と言葉を紡いだ。19年ぶりに動かしたその歴史。数々の先輩の思いを背負い、結果で示した選手たちは真っ青な海の上で誰よりも輝いていた。まずは関西の舞台で『感笑』を体現した関大。1ヶ月後の全日本インカレでも佐田世代最後の感動を呼び起こす。【文:稲垣寛太/写真:桝井来夢、稲垣寛太】

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