◇ 2024年度関西学生女子秋季リーグ後期第4節◇対大国大◇9月29日◇於・関西大学高槻キャンパス第1グラウンド
【前半】関大1ー1大国大
【後半】関大1ー0大国大
【試合終了】関大2ー1大国大
スターティングメンバー
GK瀬古
DF山田志、徳弘、岩川、瀧澤
MF植田、吉尾、吉田り、藤田、前田柊
FW冨田
大事な試合を制した。前半16分、右サイドを駆け上がったMF植田真央(情1)がクロス。中でMF前田柊(政策1)が頭で上手く合わせ先制した。しかし、同34分にコーナーキック(CK)から失点。前半を同点で終える。後半も決定機を何度か迎える中、同24分にMF植田のCKからFW冨田歩花(政策4)がヘッド。勝ち越し点を奪った。その後も攻め込むが追加点を奪えず。終盤にはロングボールで攻め込まれるが見事リードを守り抜いた。
17時試合開始とのこともあり、関西大学高槻キャンパス第1グラウンドは涼しさを感じた。日は傾き、試合前からナイターが点灯。プレーしやすい環境の中、関大ボールでキックオフした。序盤はDF徳弘海羽(みはね=人3)を中心に、右サイドのスペースにロングボールを入れ込む展開に。MF植田やFW冨田がスペースに走り込み、サポートした選手を使いながらゴールを脅かす。同4分、DF山田志穂(人3)がサポートで受けアーリークロスを、同8分にはMF𠮷尾香音主将(社4)がポケットに抜け出しチャンスを演出。中盤のMF吉田りん(政策2)なども関わり、テンポの良いパスをうまくつなぎながらゴールへと近づく。しかし、大国大DF陣が形成するブロックは固く、序盤15分間はシュートを打つことができない。同16分、ゲームが動く。自陣右サイドで受けたMF植田が、スピードを生かしサイドを駆け上がる。敵陣深くまで侵入しクロス。逆サイドにはMF前田柊が待ち構えていた。「クロスに対して中に入るのが得意ではないので、空いている所を見つけ、真央(=MF植田)を信じて走った」(MF前田柊)。頭でうまく叩きつけたボールは、相手GKの手をかすめ、右サイドネットへ。関大のファーストシュートが貴重な先制ゴールとなった。
ゴール後も関大の猛攻は続く。同21分にはFW冨田が、1分後にはDF岩川雛(政策1)のパスを受けたMF𠮷尾がGKの位置を見てロングシュート。相手に隙を見せない。同24分にも、中央で上手く収めたFW冨田が、右サイドのスペースにMF植田を走らせるパスを出す。受けたMF植田は冷静に、中央後ろから走り込むFW冨田へマイナスのリターンパス。ワンタッチで合わせるが、わずかに枠を外れる。その後も、ショートコーナーや左サイドでプレーするMF前田柊が中央へ入り込むなど、工夫されたプレーが目立つがシュートを決め切ることができない。すると同34分、大国大はCKから打点の高いヘディングシュートを叩き込む。ワンチャンスをものにし、試合は振り出しに。失点後も関大はチャンスメイクするが、決定機とはならず。引き分けで試合を折り返した。
後半も変わらず、序盤から関大ペース。MF植田の背後を使い右サイドから得点を狙う。同5分、関大に決定機。MF前田柊から中央のMF藤田祐穂(法1)へつながり、MF藤田はFW冨田へ絶妙なスルーパスを出す。FW冨田は上手く抜け出し相手GKと1対1となったが、シュートは好セーブに阻まれた。同12分にも、DF徳弘からMF植田へロングボール。MF植田からパスを受けたMF藤田が右サイドでドリブルを仕掛け、相手を完璧に抜ききりコントロールショットを放つ。コースは捉えたが、相手GKが右手一本でかき出すスーパーセーブ。直後のCKでも、クリアミスを拾ったDF岩川がつなぎFW冨田がヘディングシュートを放つ。今度は相手DFがゴールラインギリギリでクリア。好機を何度もものにできず、嫌な雰囲気が流れる。
関大ベンチは同17分、DF山田志に変えFW木田陽花(経1)を投入。ワントップにFW木田を置き、FW冨田が中盤、中盤のMF藤田が右サイドへ。この交代が、関大右サイドをより活性化させた。「真央(=MF植田)とはすごくやりやすかった」(MF藤田)。MF藤田とMF植田のコンビネーションで右サイドからの攻撃が目立つ。すると同23分、相手DFがクリアミス、CKを得る。キッカーはMF植田。今日のMF植田のキック精度は抜群だった。ファーサイドへのボールにFW冨田がドンピシャリのヘッド。「真央(=MF植田)のボールが良かったので、叩くだけだった」(FW冨田)。FW冨田のリーグ戦2試合連続ゴールは、関大にとって大きな勝ち越し点となった。得点後も点差を広めたい関大は、MF吉田りを中心に相手の攻撃を潰し、サイドへボールを配球。同32分、MF前田柊のクロスのこぼれ球を拾ったMF藤田が右足を振り抜く。見事にコースをついたが、クロスバーに直撃、関大の3点目は近いようで遠い。1部昇格へ負けられない大国大も、試合終盤はサイドからクロスを入れる展開に。しかし、DF瀧澤美冬(人3)などが体を張ったプレーを見せ関大はゴールを守り続ける。最後までDF陣が集中を切らさず、1点リードのまま試合終了のホイッスルが響いた。
2部リーグ優勝へ、大きな「勝ち点3」を得た関大なでしこ。しかし、試合を支配した中での「2得点」と「1失点」という1部リーグ昇格、そしてインカレ出場に向けての課題も浮き出た。さらなる高みへ進むために。より高い内容を追い求め、最高の笑顔で2部優勝を決めてみせる。【文:上田峻輔/写真:合田七虹、岩口奎心】
▼FW冨田
「(試合を振り返って)今日の相手はこのリーグ戦で1番強いかなというのは自分たちが1節目からずっと言っていて、そこに勝てたのはすごく良かったなと思う。(前半を振り返って)コーナーを一番警戒していたのに決められたのは、みんな精神的にキツかったんじゃないかなと思う。だが、しっかり立て直してそこから連続失点なく終えられたし、むしろ攻めていたほうだと思うので、切り替えてやれていたので、終わり方は良かったと思う。(自身の得点を振り返って)気づいたらボールがそこにあったので、真央(=MF植田)のボールが良かったので叩くだけという感じだった。本当に4年生マジックだなと思う。最終学年ってすごいなと思った。(次節の同大戦の意気込み)春は引き分けだったので、レベル的には自分たちの方が上だと思うが怖い部分もある。しっかり準備して、今けが人もすごく多い中でやっているので、これ以上けが人を増やさないよう、全員でリカバリーしてしっかり勝って終われるようにしたい」
▼MF前田柊
「(前節から個人、チームとして取り組んだこと)個人としては、リーグ開幕前にけがをしてしまって、第1節も思うようにできなかった。この試合に向けてリハビリや自分が全力を出せるように頑張ってきた。それが結果として試合に出たのが良かった。チームとしては、練習試合を重ねながら、改善点をみんなで映像分析したり、練習を変えたりしてやってきたから、勝てて良かった。(秋季リーグ初スタメンで試合前の気持ちは)春季リーグで悔しい思いをした試合が多かった。今季は毎試合得点に絡むという目標を立てていたから、1点でも多く得点に絡めたらいいなという気持ちで入った。(ゴールシーンを振り返って)あまりヘディングで決めることがない。でも、真央(=MF植田)からいいクロスが来るというのは予測して入れた。最後当てて決め切ることができて良かった。(ゴールシーンのポジショニング)クロスに対して中に入るのが得意ではない。空いてるところを見つけて、後はもう真央(=MF植田)を信じて入った。(後半を振り返って)疲れがたまってくるにつれて、正確性が落ちてきたり、シュートもキックも一つ一つの質を高めていきたいと思った。(自分自身にに点数をつけるなら)ちょっと高めで10点中7点(笑)得点に絡めたことは大きいけれど、ディフェンスのところで、戻り切るとか、最後足つりそうになっていたりとか、そういうところはまだまだ突き詰めていかないといけないと感じた。(次戦への意気込み)試合に出場すれば、しっかり得点に絡む。今回の試合でできなかったことや悔しかったことを次節で晴らせるように、これから1週間頑張っていきたい」
▼MF藤田
「(前半と後半でポジションが違ったが、難しさはなかったのか)メンバーが(怪我等で)少なく、直前にスタメンも変わったりして、 ずっと(練習で)やってきたこととはちょっと変わったが、自分は前からトップ下での出場は決まっていたので、トップ下でできることはやろうって思っていた。(苦労したか) 元々サイドで試合に出ていたので、後半は特になかったが、前半(トップ下で出場時)相手のアンカーの脇を狙うっていうのをミーティングで話していたが、あまりうまくいかなかった。後半からサイドハーフにポジションが変わり、得意なポジションでもあるから、後半の方が自分的には良かったと思う。(積極的なシュートが目立った)結構狙っていた。後半とかは特に、得点が必要となり、サイドでプレーしていたので結構(積極的に)攻めて、クロスの選択肢を見ながらも、たまにはシュートを打とうと思っている。(MF植田との相性は)すごく(プレーが)やりやすかった。初めて組んだが、結構真央(=MF植田)も攻撃タイプで、サイドハーフの選手でもあるから、 入れ替わりながら(プレーできた)。自分もサイドを1人で行くっていうよりかは、サイドバックを使って一緒に崩したいタイプなので、真央(=MF植田)とはめっちゃやりやすかった。(次節へ)同志社は前節1対1で引き分けている相手だけど、自分ら(関大)は2試合連続2対1で勝利し、流れはついてきてると思う。このまま絶対勝って個人としても点を決めれるように頑張る。(次は得点を決めるか)次は決める!」
▼MF植田
「(序盤から裏抜けが目立ったがチームの狙いがあったのか)はい、(相手の)3番が常に前にいたので。(1点目のアシストとなったクロスの手応えは)いや、でも意外ときついかなって思ったけど、柊(=MF前田柊)がすごくいいヘディングをしてくれたのでよかった。(MF前田柊は見えていたのか)はい、(中に)いるなとは。(2点目のアシストとなったCKについて)そこら辺(のスペース)に蹴れば誰かいるかなって感じで。(2アシストで貢献できた気持ちは)貢献できてほんと嬉しく思う。(スタメン起用が増えた、意気込みは)次回もチームに貢献できるように頑張る」
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