◇HELIOS POWER 2020◇12月18日◇吹田市文化芸術会館メイシアター◇
全体練習の減少や無観客、スタンツの制限など、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、様々な制限の中での開催となった今回。それでも、KAISERS TVでのライブ配信が行われ、画面越しで人々を魅了。苦難の中作り上げた最高のステージで、元気とパワーを全国各地の人々に届けた。

幕が開けば、いつもと変わらぬHELIOSの姿がそこにあった。声を表情で一気に視線をくぎ付けにすると、息の合ったダンスでさらに観客を引き込む。今回許される最大限のスタンツを1つ1つ丁寧に披露し、限られた練習の中作り上げたとは思えない完成度の高さを見せる。


次に行なわれたMUSICAL Chapter~CATS~では、「CATS」の世界観をHELIOSオリジナルに再現し、様々なジャンルのダンスを披露。 昨年10月頃から考え抜かれ、 自粛期間中にはリモートでダンスレッスンを行った、「今回一番力を入れた」(森岡美紀=情4)というこのステージ。主人公のヴィクトリア役を安部風夏(社3)が演じ、物語へと誘った。最初は敵同士だった猫たちが最終的には和解し、共にジェリクル舞踏会を楽しむ姿を熱演。いつもの応援風景とは違ったHELIOSを見せ、観客を楽しませた。





第2部の始めに披露したのがKAISERS Chapter。今年はどの競技も無観客開催や入場規制、さらには応援が禁止を余儀なくされた。そんな1年間の思いを全てぶつけるかのような全力ステージとなった。特に野球ステージでは、球場アナウンスが流れる演出も加えられ、よりリアルな風景を作り上げる。この暗い世の中の状況を吹き飛ばすような、明るい応援を届けた。



Final Chapterでは、卒回生紹介やエンディングステージなどを行った。このチームとなって最初で最後のFLASH「ONE HEART」を披露し、感動のフィナーレを飾る。1人1人が輝き、そして見るものを元気にする、最高のHELIOS POWERを完成させた。






「この3年間、幕が開いたら大歓声がある、という中でやっていた。いつもみたいに『わっ!』ってなる感じはなかったのが正直な感想。でも、温かな拍手を送っていただいて、すごい嬉しくて。大歓声の中でやりたかったのが1番の気持ちだが、それよりも、みんなと目を合わせたり、サプライズで声をいっぱいかけてくれたり、部員同士の繋がりを感じた。いつもやっていないことができて良かった」(門屋薫乃部長=政策4)。試行錯誤を重ね、開催さえも危ぶまれた今回のHELIOS POWER。苦難の日々を乗り越えたからこそ、輝くものがそこにはあった。【文:中西愛/写真:坂井瑠那・中西愛】
▼門屋部長
「新型コロナウイルスの影響で、練習が制限された中、どうやってHELIOS POWERを開催するかということを、自粛期間ずっと同回生で話してきた。 HELIOS POWER だけは絶対みんなでやろうという強い気持ちでやってきた。本来 HELIOS POWER は全員で作るものだけど、人数制限もあって。でもどうしても全員で作り上げたいという思いが強く、大変やったことも、もどかしい気持ちもあった。その中でも、うちらができることは絶対にあるから、それを全力でやろうという気持ちでここまできた。(制限されたところは?)3層という華やかな技を本当はできる予定だったが、2層(手の上に乗る)のパートナースタンツしか、チア協会の規定でできないことになった。赤信号が2回目出た時は、スタンツすらやったらだめという状況になった。さらに、練習すらしてはいけないという状況になった。それでも、いつか収まるということだけを信じて。できない日は、ダンスや平場をメインでずっと練習してきた。本番直前までスタンツの練習はできてなかった。でも、チア協会に確認とったら、許可が出たから、練習を始めた。それでも状況が目まぐるしく変わって、大変やなと思った時もあった。それでもほかで成長できた部分がある。ダンスだけでもヘリオスって成り立つんやなと、この期間で感じた。(やってきた感想)この3年間、幕が開いたら大歓声がある、という中でやっていた。いつもみたいに「わぁ!」ってなる感じはなかったのが正直な感想。でも、温かな拍手を送っていただいて、リーダー部や吹奏楽部が手拍子を送ってくれたことは、すごい嬉しくて。大歓声の中でやりたかったのが1番の気持ちだが、それよりも、みんなと目を合わせたり、サプライズで声をいっぱいかけてくれて。部員同士の繋がりを感じた。いつもやっていないことができて良かった。(サプライズとは?)スタンツの目を合わせるときに『大好き』って言ってくれたことや、後ろから『ありがとう』と抱き着いてくれたり、エンディングの幕開けの時に『今までありがとう』と声を掛けてくれたり。部員の繋がりや温かさ、大切さをさらに感じられた。(HELIOS POWERを終えて)感謝しかない。みんなに支えてもらってここまでこれたし、できないとしか思ってなかったので、多くの人が支えてくれて、ここまで支えてくれる人がこんなにもいたんだと気づいた。そばで支えてくれたOGの方々やリーダー部も練習にたくさん来てくれた。感謝、ありがとうしかない。チアができことはもちろん、何気ないハイタッチや手をつなぐことさえ、今日の今日までできなくて。今日が最初で最後だった。会えない日が続いていた分、みんなでできる週に1回の練習がとても楽しくて。みんなでチアができるって最高やな、と感じた。(同期について)怒られることが多く、なかなか自分の殻を破って思いを伝えることができない学年だった。最後はみんなが胸を張って言葉にできるぐらい成長できたし、本当に優しいメンバーで、どんなときも絶対励ましてくれた。絶対に笑顔にさせてくれる存在だった。私をずっと支えてくれてありがとうという思い。辛いこともたくさん一緒に乗り越えてこれて良かったという思い。(後輩に向けて)来年とかまだどうなるかわからないが、すごく意思の強い学年だと思うので、しっかり下回生と一緒にHELIOSをお願いしますという気持ち。どんな状況であっても、HELIOSは元気を与える存在であるからこそ、自分たちが輝いて、最高の学年になるように頑張ってほしい」
▼HELIOS POWER総監督・森岡美紀(情4)
(無観客、スタンツの制限など、多くの例年とは異なるHELIOS POWERとなったが、それでも開催に踏み切ることができた理由)成長した自分の姿、チームの姿を見てもらう場を作りたかったというのが1番の理由。制限があって例年通りのヘリパが出来なくても、1年間この代で活動してきて良かったと全員が思える場を作りたいと思い、開催を決断した。無観客ではあったが、ヘリオス史上初生配信を行ったことで、多くの方々に見てもらえたことが本当に良かった。(ヘリパの準備に取り掛かり始めた時期はいつか)初めてミーティングを開始したのは昨年の7月頃。『ONE HEART〜全員が主役のヘリパ〜』というコンセプトのもと、一人一人の良さを活かせるようなヘリパにしたいと思い、取り組んできた。主役というのは一番真ん中で演技するような技術面のことだけでなく、たとえステージ上に乗っていなくても、一人一人一番輝くことの出来る場が絶対にあると思っている。だからこそ、やりきったと全員が胸を張って言えるヘリパにしたいと思い、全員で作り上げることを目標に取り組んできた。一番大変だった点は、練習に制限があったこと。今まで全員で練習することが当たり前だったが、今回は振りを揃えることやスタンツができないことが多かった。全体を通して練習が出来る日がほとんど無かったことが、本当に大変だった。今回一番力を入れたところは、企画ステージの「キャッツ」。このキャッツは、昨年10月頃から考えており、沢山の思い入れがある。自粛期間中、みんなと対面で会って練習が出来なかった時から、リモートでダンスレッスンを行ったりもした。だからこそ練習した時間も長く、細かいところまでこだわりをもって取り組むことができた。(実際に開催してみた感想)制限は沢山あったが、このようなコロナ禍でも開催出来たことが本当に嬉しい。終演後、たくさんの方々から嬉しいお言葉をいただき、改めて自分達をサポートして下さる方々の存在の大きさを感じた。(点数をつけるとしたら?)100点満点!HELIOS POWERの練習を始めた頃はやり切った、楽しかったという質問に対して全員が手をあげることができなかった。幕が閉まった後、同じ質問を聞くと57人全員が手を挙げてくれたこと、これだけで私はヘリオスパワーを開催した意味、1年間この57人で頑張ってきた意味があると感じた。(4年間を振り返って)HELIOSは人生で一番自分を成長させてくれた場所。4年間を振り返ると正直大変だったことや、しんどくて悩んだ事の方が多かった。そんな中で毎年1年間の集大成としてHELIOS POWERのステージに立つたび、HELIOSで活動していることの素晴らしさ、来年もまた頑張ろうと感じることができました。今年は例年通りではない異例なHELIOS POWERだったけれど、後輩にもそんな風に思ってもらえていたらいいなと思う。(同期に向けて)大好きな11人の同回生がいたからこそ、私は4年間頑張ることができた。本番当日までたくさん支えてもらって本当にありがとう。頼りない総監督だった私にとって11人の同回生は本当にかけがえのない存在。いっぱい怒られて泣いたことの思い出の方が多いけど、今ではいい思い出です。みんなと同じ気持ちで頑張れたこの4年間は私にとって宝物です。みんな大好き。本当にありがとう。(後輩に向けて)この1年間異例なことばかりだったが、4回生について来てくれて本当にありがとう。来年はもう少し思うように活動が出来るようになっていればいいなと願うばかり。来年のヘリオスパワーは30周年。引退してもみんなの力になりたいと4回生全員思っているのでいつでも頼ってきて欲しいなと。みんながキラキラと輝く姿、これからの成長を本当に楽しみにしている。頑張れ!」
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