◇令和6年度関西学生秋季リーグ戦第2節◇対立命大2回戦◇9月15日◇マイネットスタジアム皇子山
立命大 000 000 000=0
関 大 010 000 00X=1
(立)芝本、荒井ー加藤、平田全
(関)足立、荒谷、金丸ー越川
1(左)河田
2(二)森内
3(三)下井田
4(右)藤原太
5(一)久保田
6(遊)山田
7(捕)越川
8(中)渡邊
9(投)足立
秋季4連覇に向けてもう1戦も落とせない関大。立命大との2回戦は1点勝負のしびれる投手戦となった。2回、久保田翔太(人4)の三塁打で好機を作ると、7番・越川海翔(人4)のスクイズで先制。そのリードを3投手の継投で粘る立命大打線を振り切る。1点差ゲームを制し、勝ち点の行方を3回戦に持ち込んだ。
1回、関大の先発マウンドには足立幸(人3)。先頭打者を三球三振に抑え幸先の良いスタートを切る。しかしその後、四球と安打で一、三塁のピンチを招く。迎えるは立命大4番・竹内。初回から厳しい場面を迎えるが、最後は内角の真っすぐで見逃し三振に仕留めた。
早めにスコアを動かしたい打線は2回。無死から5番・久保田が一塁線を破る三塁打で出塁する。1死となり打席には越川。追い込まれながらもファールで粘りチャンスをうかがうと、重圧のかかる場面でスクイズを成功させる。足立を助けるだけでなく、チームを勇気づける1点にもなった。
援護を受けた足立は初回以降危なげない投球で立命大打線を封じる。3回、5回にはそれぞれ2つずつ三振も奪うなど、抜群の安定感を見せた。
緊迫した展開が続く中、グラウンド整備明けの6回。両チーム好機を迎える。まずは先攻の立命大。1番から始まる好打順を前に、安打と犠打で得点圏に走者を背負うと、打席には再びプロ注目の4番・竹内。捉えた打球は三遊間を襲うが、これを山田悠平(商3)がダイビングキャッチ。今年から正遊撃手としてチームを支える男が好守で足立を救った。
一方の関大は1死からこの日4番に座った藤原太郎主将(法4)が安打で出塁。2死となり、打席には先ほど好守の山田が立つ。捉えた打球は三塁線ギリギリに落ち長打コース。一塁走者が一気に本塁突入を狙ったが、ここは立命大守備陣の中継プレーに阻まれ、追加点とはならない。
両校7回は走者を出しながら互いに好機を逃し、スコア変わらぬまま迎えた8回。関大のマウンドには依然として足立が上がるが、1死一塁、相手打順も4巡目を迎えたところで荒谷絋匡(法3)を投入する。経験豊かなリリーフエースは走者をためながらも後続を併殺。この試合最大のピンチを脱し、大きなガッツポーズを見せた。
関大1点リードで試合は9回へ。足立、荒谷とつないできたマウンド、指揮官は最後を金丸夢斗(文4)に託す。試合前から『リードして9回、金丸さんにバトンを託す』という後輩たちからの思いを受け登場したエース。1死から二塁打を浴び、一打同点のピンチを招くが動じることはなかった。後続を連続三振に仕留め、3アウト。1回からスコアボードに刻み込んできた『0』を9回表にも記した。
きのうの零封負けから一夜。打席での次へつなぐ姿勢、おのおのが任された場面で役割を果たした投手陣。派手さはなくとも勝利のために、全員が目の前のプレーに泥くさく向き合った積み重ねが1-0というスコアにつながった。追い込まれている状況に変わりはないが、誰1人として優勝は諦めていない。春から一歩一歩成長を続けてきた戦士たちの秋は、まだ終わらない。【文:稲垣寛太/写真:湯浅あやか】
▼藤原主将
「(打線として、きのうの試合から意識を変えた部分)相手捕手にうまくリードされて、迷った状態で打席に入っていたので、きょうは迷わずに、思い切って振っていこうという話はしていました。初球から実践できていたので、1点にはとどまりましたけど、打席の内容なども含めてあすにつながるものになったかなと思います。(春から一歩一歩チームとして成長を続けてきたチーム)春の成績も踏まえて秋やっているんですけど、いろいろ試行錯誤しながらですけど、春の負けが無駄になっているわけではないので、ここからまだ優勝の可能性もあるので、しっかり3回戦も勝ちたいと思います。(誰1人として諦めていない優勝。チーム内での意識について)あとがないというのは分かっていることなので、その分攻める気持ちも強くなっていますし、やりきって結果どうなるか分からないですけど、過程の部分でやり切ることは常に口に出していたので、守備でもいいプレーがありましたし、結果につながっているのかなと思います。(ベンチに入っていない4年生もスタンドに数多く詰めかけている)試合前に早く来て4年生が声をかけてくれたり、守備につく時も名前を呼んでくれて、そういう声を聞くと、いつもの関大の野球やなって思います。応援って本当に力になるなと思いました。(あすに向けて)勢いに乗って攻める気持ちをもってあしたも頑張りたいと思います」
▼荒谷
「(交代する時、足立投手とどんな言葉をかけあったか)本当に頼むぞっていうふうに言ってくれて。足立もここまでいいピッチングしてくれてたんで、途中からの出場なんですけど、0で抑えるしかないなっていう気持ちで臨みました。(安打で好機拡大された中でどんな気持ちで臨んだか)多分ヒットは出るだろうなっていうのは自分でも思っていたので、そのヒットが出た後、どれだけ粘れるか、どれだけ1球1球丁寧に投げれるかっていうのをマウンド行く前から思っていました。本当にそれで1球1球丁寧に投げれたんで、その結果ダブルプレーにつながったかなと思います。(足立と金丸と抑えた後どのような会話をしましたか)やっぱりここで負けてしまうと優勝っていうのはなくなるんで、次につなげたっていう意味で本当にナイスピッチングっていうのは全員で言い合えたんでそれはよかったです。(明日の立命大戦3戦目に向けて)やっぱりあすも負けられないなって。しっかり勝って、優勝争いに組み込めるようにやっていきたいと思います」
▼足立
「(試合を通して力の出し入れが効果的だった)夏のオープン戦から社会人相手に長いイニングを投げさせてもらった経験が今回のリーグ戦につながっていると思います。(ピンチでない場面でも真っすぐの出力が上がっている)大学に入ってから出力を上げるために自分のフォームを見直していたんですけど、夏前、結果を出すために自分が一番投げやすいフォームに戻しました。腕の位置を少し下げたら、肩と肘の負担も減って長いイニングを投げられるよくなりました。(きょうは制球も安定し、テンポの良い投球を見せた中で、意識したこと)初球を絶対ストライク取ることと、3球で追い込むことを意識しました(きょうの投球で一番手応えを感じた部分)初回のピンチを切り抜けたことと、それ以降のイニングを球数少なく投げられたことです。(ときおり笑顔を見せるなど楽しそうに投げる姿が印象的だった)三塁手と遊撃手には同期がいて、声もかけてくれます。試合前には僕結構内野ゴロが多いタイプなので『きょうも任せたぞ』と言って試合に臨んでいるので、投げている時はやっぱり楽しいです。(一番の山場は直前の好機を逃した後の8回だった)後半に入った時に監督からいけるところまでいくと言われていたので、8回途中で変わることになったのが申し訳なかったです。(8回途中降板とはなったが、首脳陣や荒谷との会話について)監督からはあしたもあるから準備しておけということと、荒谷には『本当にありがとう』ということを伝えました。マウンド上がる前は『頼んだぞ』という言葉と荒谷からは『ナイスピッチ』という言葉をもらいました。(8回まで切り抜けた荒谷とともに金丸のもとへも声をかけに行った)試合前から金丸さんに『絶対9回つなぐんで。僕らが1点でも勝ち越した状態でつなぐので』と話していました。9回の前には『あとはお願いします』って言いました。(あすに向けて)きょうと同じようにチームが勢いづく投球がしたいです」
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