◇令和6年度関西学生対抗リーグ男子4戦目◇対近大◇9月13日◇於・江坂テニスセンター
●D1 堤・岩本組0(4ー6,2ー6)2伊藤・ 蔡組
〇D2 井戸垣・坂本組2(6ー2,6ー4)0桃山・谷畑組
●D3 薦田・糸永組1(4ー6,6ー1,7ー10)2新出・藤井組
〇S1 岩本2(6ー4,3ー0RET)0蔡
〇S2 井戸垣2(6ー3,7ー6(2))0新出
〇S3 薦田2(6ー1,6ー0)0大沼
〇S4 堀川2(7ー6(1),6ー3)0宮田
●S5 堤0(2ー6,2ー6)2桃山
〇S6 武方2(6ー7(7),6ー4,6ー1)0川田
〇関大6ー3近大
現在、リーグ3連勝中の昨年王者・関大は、同じく開幕3連勝の近大と対戦し、6ー3(複:1ー2、単:5ー1)で勝利し、リーグ戦唯一の開幕4連勝で連覇に王手をかけた。
D1の堤隆貴(社3)・岩本晋之介(商3)組は、第1ゲームをブレイクから始まる幸先の良い立ち上がりに。しかしその後は両者一歩も譲らず互いにキープゲームが続く。ゲームカウント4ー4で迎えた第9ゲームでは、相手のボレーに隙を突かれてしまい、苦しい状況に。劣勢のラリーにねばり強く対応するも、関大のミスが続いた。そして2ゲーム連続でブレイクを許し、第1セットを落とす。巻き返しを図りたい第2セットでは、岩本のサービスエースが決まり、第1ゲームを奪った。勢いこのままに試合を進めたいところだったが、第2ゲームで相手のアタックが決まったことを皮切りに、3ゲーム連取されてしまう。堤がボレーで返球し点を重ね、ゲームカウント2ー3に追い付くも、その後は一気に畳みかけられ、関大の反撃はここまで。ゲームカウント2ー6で第2セットも奪われ、敗北を喫した。
12番コートでは、D3薦田直哉(商2)・糸永龍矢(政策1)組の試合が行われた。ゲームカウント1ー2になり、これ以上離されたくない関大。第4ゲームに薦田のボレーで得点を重ね、見事奪取し試合を振り出しに戻した。しかしここから3ゲーム連続でブレイクを許し、もう後がなくなってしまう。糸永が緩く返ってきたボールをすかさずアタック。そして2人の連係プレーで相手のミスを誘い、ゲームカウントは4ー6に。追い上げたいところだったが、試合の流れが相手に渡ってしまい、第1ゲームを落とした。一方で、第2セットでは薦田・糸永組が反撃を開始する。相手に1ゲームしか与えない好内容で第2セットを奪うと、10ポイントタイブレークにもつれ込んだ。薦田のアタックが決まり、得点は5―2と関大がリードしていた。しかし相手のショットが連続で決まり、5ー5の同点に。その後は点の取り合いが続き、7ー7になったところで試合の流れが相手に傾き、最終スコアは7ー10で敗北。激戦を繰り広げた両校に大きな拍手が送られた。

11番コートに登場したのはD2の井戸垣一志主将(人4)・坂本健英(たけひで=人1)組。井戸垣主将のストロークがネットにかかるなど、相手に連続得点を与えてしまい、第1ゲームのブレイクを許す。しかし、坂本のサービスエースが何度も決まり、3ゲーム連続でブレイクに成功した。4年生と1年生コンビの息の合ったプレーで相手を翻弄(ほんろう)する。第8ゲームでは、坂本のボレーが大きく跳ねて相手は返球できず。ゲームカウント6ー2で第1セットを奪った。第2セットでも、第1ゲームはブレイクされてしまうものの、第1セット同様に3ゲーム連続で奪取する。その後も関大が勢いに乗ったまま試合が進み、ゲームカウントは5ー2になり、勝利に王手をかけた。しかし、隣コートで行われていた薦田・糸永組の敗北が決まり、ダブルスは2敗に。仲間の勝利に続きたい相手の士気が上がる。ここから2ゲーム連続でブレイクを許し、ゲームカウントは5ー4に。そして迎えた第10ゲーム。先ほどまでの盛り上がりが嘘のように会場全体が静まりかえり、皆が息をのんで坂本のサーブを見守る。相手のネットで関大が先制すると、井戸垣主将の渾身のボレーがさく裂し試合終了。ゲームカウント6ー4で第2セットも取り、見事勝利を収めた。
ダブルスで1勝2敗となったため、シングルスでは6戦中4勝が必須となった。12時過ぎから試合が始まった、S4の堀川莞世(文4)。序盤から勢いに乗り、3ゲームを連取する。その後1度ブレイクをされるも2連取で返し、ゲームカウントは5ー2に。このまま第1セットを難なく先取するかと思われたが、ここから相手の猛攻が始まる。3連続でゲームを奪われ、ゲームカウントは5−5に。その後互いに1ゲームずつ分け合い、タイブレークに突入した。タイブレークでは相手を圧倒し、6ー0と一気に引き離す。1点を返されるが直後に得点し、ゲームカウント7ー1で第1セットを先取した。第2セットでは、第1セットの勢いをそのままに試合を形成する。ゲームカウント6ー3で第2セットを奪い取り、長時間に及ぶ戦いを制した。

堀川と同時刻に試合が始まった、S6の武方駿哉(人1)。第1セットは互いに譲らない拮抗(きっこう)した展開が続く。ゲームカウント5ー6となった第12ゲームを、デュースの末に獲得した。タイブレークでも取っては取られての展開が続き、ゲームポイントはいよいよ7ー7に。応援も盛り上がりを見せる中、流れを引き寄せたのは相手だった。巧みな返球にネットを誘われゲームポイントを献上。最後は左右に振られ、武方のオーバーで第1セットを奪われてしまった。巻き返したい第2セット、序盤は相手ペースで試合が進む。ゲームカウント1−3と離されてしまうが、一気に3連取でゲームカウントは4ー3に。ここから勢いに乗り、ゲームカウント6ー4で第2セットを奪い取った。ファイナルセットは、武方が流れを引き寄せる。ゲームカウント2ー1から一気に4ゲームを連取し、勝負あり。約4時間に及ぶ激戦を制し、チームに大きな1勝をもたらした。

S1に登場した岩本は、春関決勝で対戦した蔡(近大)との対戦。互いのブレイクゲームが続く、白熱した試合展開となる。拮抗(きっこう)した状況の中で、1枚上手に立ったのは岩本だった。サービスエースが連続で決めるなど、得意のサーブで得点を重ねる。ゲームカウント5−4で迎えた第10ゲームをしっかりキープし、ゲームカウント6ー4で第1セットを先取した。第2セットは、一気に3連取する幸先の良いスタート。このまま岩本のペースで試合が進むかと思われたが、ここで相手が棄権し試合終了。白星となった。
S3の薦田は、大沼(近大)と対決。一気に4ゲームを連取し、幸先の良いスタートを切る。直後1ゲームを返されるが、冷静さを失わなかった。第1セットで献上したのはたった1ゲームのみ。ゲームカウント6−1と、好内容で第1セットを先取した。第2セットも、薦田の勢いは止まらない。ゲームカウント6ー0で第2セットを奪取する完璧な内容で、チームに貴重な1勝を持ち帰った。

薦田の試合が終わり、同じ11番コートに現れたのはS5の堤。相手のサーブから試合が始まり、いきなりライン際を狙ったショットを決められてしまった。その後は自身のミスも続きブレイクを許すも、第2ゲームはサーブが光りキープする。このまま勢いに乗りたいところだったが、1ポイントも奪えずストレートでゲームを献上してしまい、試合の流れは一気に相手に傾いた。ゲームカウント2ー5で迎えた第8ゲームでも、相手の巧みなボールさばきにネットやアウトボールなどのミスを誘われ、第1セットを献上する。続く第2セットも勢いは未だ相手のまま。第1セット同様、ゲームカウント2ー6で試合終了。惜しくも黒星となる。
堤が試合開始後すぐに、シングルス最後のS2井戸垣主将の試合も始まった。自身のミスが続き、第1ゲームは献上してしまうも、ここから一気に2ゲーム連取し逆転に成功する。しかし、第4ゲームでは3度ものデュースの末、井戸垣主将のボールがネットに。ゲームカウントは2-2となり、試合が振り出しに戻った。このまま相手が勢いに乗るかと思われたが、主将の意地を見せつけ、渾身のスマッシュがコートに刺さる。ゲームカウント4ー3で迎えた第8ゲームは、相手に1ポイントも与えない好内容。そして最後は長いラリーを制し、ゲームカウント6ー3で第1セットを奪取した。第2セットでは、ゲームを取っては取られての展開に。ゲームカウント5―5になった時、4時間に及ぶ激戦を制した武方の結果により、関大の勝利が決まった。全員が応援に駆けつけ、「ここでもしっかり勝ちきろう」と応援にもより一層熱が入る。何度も相手のミスを誘い点を重ね、左右に揺さぶり逆サイドを狙った力強いストロークがイン。ゲームカウントは6ー5になり、勝利まであと一歩のところだったが、そう簡単には勝たせてもらえない。第12ゲームは相手に献上し、タイブレークに突入した。相手にサービスエースを決められてしまうこともあったが、最後は井戸垣主将の鋭いショットに相手が追い付かず勝負あり。チーム一丸となってつかんだ勝利に思わず喜びがあふれ出した。

強敵・近大を相手に、関西王者の意地を見せつけた関大。リーグ優勝をかけて15日に同会場で1敗の関学大との最終戦に挑む。【文:合田七虹、藤井海/写真:上田峻輔】
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