◇令和6年度関西学生秋季リーグ戦第1節◇対近大2回戦◇9月8日◇わかさスタジアム京都
関 大 110 002 000=4
近 大 020 000 000=2
(関)足立、荒谷、金丸ー越川
(近)森、矢田、西本、伊藤暖、淵本ー伊藤愛
1(右)藤原太
2(二)森内
3(三)下井田
4(左)富山
5(一)久保田
6(遊)山田
7(捕)越川
8(中)渡邊
9(投)足立
昨秋王者の実力はやはり色あせていなかった。開幕戦、近大相手に完封負けを喫した関大。この日を落とすと勝ち点だけでなく、リーグ4連覇への道も一気に険しくなっていた。しかし、投手陣はリーグ戦初先発の足立幸(人3)が試合を作ると、荒谷絋匡(法3)、金丸夢斗(文4)の継投でリードを死守。打ってはルーキー・久保慶太郎(商1)が犠飛を放ち接戦を制す。勝ち点の行方を3回戦に持ち込んだ。
先攻の関大、春から課題としていた打撃面でこの日は初回から快音を残す。今季初スタメンの2番・森内大奈(情2)が初球を捉え二塁打を放つと、下井田悠人(経3)の安打で好機を拡大。2死となりながらも5番・久保田翔太(人4)の右前適時打で幸先良く先制点を挙げた。
リードをもらった足立。「先制してもらって楽に投げられた」と話した通り、初回を三者凡退に切って取る最高の立ち上がりを見せる。すると直後の2回表。先頭の越川海翔(人4)が中前へ弾き返すと、犠打と安打で1死一、三塁とする。ここで打席には1番・藤原太郎主将(法4)。一塁手前に転がしスクイズを成功させ貴重な追加点をもたらした。
関大ペースで試合が進むかと思われた2回裏。先発の足立が2本の安打でピンチを背負うと、内野ゴロと失策の間に2点を失い、瞬く間に振り出しに戻された。それでも足立はその後5回まで、渡邊貫太(経2)、越川の好守にも助けられスコアボードに0を刻む。
次の1点が試合を決めかねない展開の中、グラウンド整備直後、ゲームは動く。6回表、6番・山田悠平(商3)が左翼線を破る二塁打でチャンスメークすると、1死一、二塁とし打順は9番へ。ここまで好投の足立に代え、代打・久保を起用する。ボークで二、三塁と状況が変わると5球目。変化球にバットを当てると打球は右翼へ。ほぼ定位置の飛球に三塁走者・山田がスタート。激走を見せわずかに先にホームイン、勝ち越しに成功した。さらに敵失も絡み2点のリードを得た。
その裏、マウンドには経験豊かな荒谷が登る。抜群の制球力と球の出し入れで近大打線を翻弄(ほんろう)。8回までのしびれる終盤で近大打線を封じ込んだ。
スコア変わらぬまま迎えた最終回、勝利まであとアウト3つ、点差は2。小田洋一監督は9回のマウンドにエース・金丸を送り込む。夏の期間、けがの影響もあり思うような調整ができなかった左腕。1死満塁と一打逆転のピンチを招きながらも、そこからがしぶとかった。持ち前の精神力と経験値で、後続を二飛と三振に切り、試合終了。今季初めて試合後、関大の勝利の応援歌が鳴り響いた。
偉大なエースを追いかけ今季の躍動を誓う3年生投手陣の踏ん張り。ルーキーの決勝犠飛に、チームに勢いをもたらす2年生のファインプレー。9回を戦い抜く上で1人1人が己の役割を全うし、勝利を掴んだ。7回には4番・富山が犠打を決めるなど随所に勝利への執着心を感じた。もう悔し涙は流さない。成長続ける紫紺の戦士があすも勝利へひた走る。【文:稲垣寛太/写真:櫻田真宙】
▼藤原主将
「(1人1人が役割を果たした試合を振り返って)攻撃の面で昨日の試合から今日どうしていこうかという話をしていました。昨日話していたことが今日実践できたので、チャンスも作れましたし、それが得点につながったのかなと思います。(勝ち越しの瞬間はどういった気持ちだったか)グラウンド整備をしている間の集合の時から、次どっちが先に点を取るかで試合の流れがすごい左右すると話をしていて、そのすぐ後の点数だったのですごくうれしかったです。その1点があってこういう試合の流れになったのかなと思います。(自身も2回のスクイズや6回にガッツポーズを見せた場面もあった)リーグ戦は1点差の勝負になるので、 作ったチャンスでいかに点を取る確率を上げるかというところが勝ち続ける上で大切なことになります。自分も今日の試合のようにもらったチャンスで点を取っていけるようにしたいです。(3回戦に向けて)1勝1敗で並んだんですけど、あす勝たないとまだ勝ち点はないので、しっかり勝ち切ればまたあす以降の試合も流れに乗れると思うので、しっかり勝ちたいです」
▼久保田
「(初回の適時打を振り返って)昨日から調子が良かったのでいけいけで行けたと思います。(適時打直後の心境は)打った瞬間に落ちるかなと思ったので、その瞬間が一番うれしかったです。(大応援の声援に応える場面もあった)本当に野球部のみんなが応援してくれていて、自分の同期もいますし、みんなが応援してくれていて心強かったです。(次戦に向けて)もう今日の流れのままで。何なら今日以上にいい流れで点を取って、勝ち点を取りたいと思います」
▼足立
「(念願の先発のマウンドをどのような心境で迎えたか)昨日、負けてしまったので、なんとしてもあすにつなぐという意味で先制してもらったので楽な気持ちでマウンド上がりました。(立ち上がりは緊張があったか)想像していたよりはあまりなかったです。先制点を取ってくれたというのが大きかったです。(投球を振り返って)点を取ってもらった次の回に先頭を出してしまったことが自分としては悔いが残る部分です。(自身がマウンドを降りた後もリリーフ陣が踏ん張った)荒谷と金丸さんは本当に信頼できる2人なので、もうそこにつなぐという気持ちだけで投げました。(次の登板に向けて)おそらく次も2戦目になると思うので、1戦目勝っても負けても絶対に勝つという気持ちで頑張ります」
▼荒谷
「(緊迫した場面で秋リーグ初登板となったが振り返って)やっぱり後ろに夢斗さん(=金丸)がいたので、なんとしても勝っている状態でバトンをつなぎたかったので、もう1人ずつ、1球1球を丁寧にと思って。その結果、0を並べることができてよかったです。(投球の出来はどうだったか)最近は調子自体は良くなくて、その中でもちゃんと工夫しながら試合で0点で抑えることができたので良かったです。(次戦に向けて)今日勝っても3戦目に勝って勝ち点を取らないと意味がないので、しっかり勝ち点を取って、優勝に向けて1歩ずつ積み重ねていければいいなと思います」
▼久保
「(打席に入る前はどのような心境だったか)昨日は結果を出せなかったので、今日はなんとかして結果を出してチームに貢献しようという思いでした。(追い込まれたが心境の変化は)なんとか食らいつくという、チャレンジャーの気持ちで、粘り強くいこうと思いました。(同点に追いついた時の気持ちは)(三塁走者の)山田さんに感謝だなと思いました」
▼金丸
「(久しぶりのマウンドを振り返って)今までたくさん経験をしたとはいえ、実戦となるといつもと違うような感覚もありましたが、そこは冷静に打者と勝負できたと思います。(手応えはあったか)球も良かったですし、あとは感覚だけの問題なのでこれから上げていけるようにしたいです」
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