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◇2024年度関西学生個人選手権大会◇7月6・7日◇新西宮ヨットハーバー

[470級]
優勝 河野大陸(人3)・田附大和(法2)
8位 久保旬也(商4)・榎本圭佑(法3)
12位 西川哲正(化生4)・奥村悠大(法4)
18位 大澤聖夢(商2)・森大地(法2)
30位 谷香凛(経1)・中川理愛(情1)

[スナイプ級]
4位 赤松佑香(商3)・佐田ひなた(人4)
7位 竹田大輝(人2)・福永晃志(シス理3)
11位 竹中麻結(安全4)・大畑大河(安全2)
18位 𠮷村歩起(文2)・睦修翔(人1)
28位 宮田直武(商1)・洲鎌哲(社1)

昨年、まさかの全艇予選敗退となり、涙をのんだ関大。厳しい練習を乗り越え、1年越しのリベンジの時が来た。470級、スナイプ級、それぞれ2日間で8レース(R)を消化した今大会。470級では河野・田附組が全レースで5着以内に入り、堂々の優勝を果たす。スナイプ級でも赤松・佐田組が4位で全国への道を切り拓いた。

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△河野・田附組
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△赤松・佐田組

1日目、快晴かつ風も申し分のない最高のコンディションで大会が幕を開ける。第1R、まずは470級から。西川・奥村組はスタートから勢いに乗ると、最初のポイントマークを2位で通過。フィニッシュラインでの着順も2位だったが、反則の判定があり、大幅な減点となった。

470クラスでエース級の活躍を見せたのは河野・田附組だ。5Rを消化した1日目、第1Rは5位となったものの、その後コンスタントに順位を上げ、第5Rでは首位フィニッシュ。冷静なコース取りとスピーディーなランニングを武器に、初日終了時点で総合でも1位に躍り出た。

一方のスナイプ級、第1Rから出場した5艇のうち3艇が1桁順位でフィニッシュ。上位を戦い抜ける強さを証明した。その後のRでさらに輝きを放ったのは赤松・佐田組。先日の関西女子インカレで個人3連覇を果たした、関西女子最強ペアの呼び声高い2人は、男子も出場する今大会でも引けは取らない。第4、5Rでそれぞれ2位、1位でゴール。総合成績でも3位につけ、全国行きはもちろん個人優勝も射程圏内とした。

初日に続き、猛烈な暑さが海面に照らし続ける中迎えた2日目。1日目を終えた時点で470級は久保・榎本が7位、スナイプ級では竹中・大畑組、竹田・福永組がそれぞれ8、9位とボーダーラインにつける。一つでも上の順位で走り、インカレ圏内に入りたいところだ。

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△久保・榎本組

レースは470級からスタート。最初のポイントを関大勢3艇が5位以内で回る最高の出だしを見せる。上位争いが混戦を見せる中、久保・榎本組、河野・田附組と西川・奥村組が首位こそ関学大に許したものの、2位、3位、4位で続き意地を見せた。

第7Rも河野・田附組が2位フィニッシュで上位をキープすると、西川・奥村組も3位。ラストイヤーを迎える2人は今大会、柔軟な対応力を見せ、9月に行われる関カレへとつながるレースを見せた。

470級最終R、河野・田附組は7Rを終えた時点で2位とわずか数ポイント差で首位。緊張感が漂ったが河野は冷静だった。「他艇との点差、位置、風向き。全て把握できていた」と話すように、クレバーな試合運びで対応。3位で最終Rを締め、総合成績での首位も決定した。

一方のスナイプ級、初日4位の赤松・佐田組はもちろん、竹中・大畑組、竹田・福永組も8位、9位と逆転可能な位置につけている。第6R、抜群のスタートを切ったのは竹田・福永組。下側(しもがわ)から攻めるのが優位だと踏んだ同ペアの予想は的中した。最初のポイントを6位で回り前を走ると、ランニングでもひた走り、5位でフィニュッシュ。総合5位、6位の甲南大、神大ペアにプレッシャーをかける。

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△竹田・福永組

しかし、続く第7Rでは思うように差が縮まらず。最終8Rに命運は委ねられた。竹田・福永組、竹中・大畑組が逆転するためにはワンツーフィニッシュが絶対条件。大逆転でのインカレ進出をかけて、選択したのは上側(かみがわ)からのルート。風も後押しし船を進めるが、他艇にスピードで競り負ける。そのまま前を走り切られ、インカレへの道は途絶えた。

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△竹中・大畑組

先日の関西女子インカレに続き、2度目の全国大会につながった今大会。宿敵・関学大は両級3艇が突破を決めたのに対し、関大は両級1艇ずつ。力の差を見せつけられた形となった。課題として浮き彫りとなったのは、リコールをはじめとする反則。「あのレースの反則がなければ」が重なった。「インカレ総合優勝」。何度も口にしてきた目標に対し、確かな成長を遂げてきたがまた一つ越えなければならない壁ができた。個人としての技量、体力、レースを迎えるまでの準備。今大会で露呈した課題を潰し、勝負の関西インカレへ。悲願の優勝へのカウントダウンが今、始まる。【文/写真:稲垣寛太】

▼佐田主将
「個人としては優勝を狙っていたので、そこは悔しいという気持ちと、ライバルの関学大は両級3艇ずつ全国を決めている現実に対して関大は1艇ずつしか通っていないことが悔しいです。(レース中はどんなことを意識したか)プレッシャーのかかるレースが続いたので、ペアの赤松と常にコミュニケーションを取ること。レースの展開もそうですし、レース以外のところでもお互いに緊張していたので、和らげるような話をすることも心がけました。(強風、他艇とのポイント差などの難しさもあった)西宮特有の風とは違っていつもとは違う条件ではあったんですけど、決め打ちをせずに、いつもの傾向とかも考えずにその時の風の情報をできるだけその瞬間に集めて、あとは他艇との対戦になるので他艇の状況をよく見て、展開するように心がけていました。(今大会で見つかった課題)1日目は安定してスコアを出していたんですけど、2日目に崩れて課題はスタートかなと思います。あとはいつもとコンディションが変わった時に、その日の特徴を掴むのが遅かったことがペアとしての課題だなと思います。(男子も混ざっての大会で赤松と組む機会は少なかった)オーバーのコンディションになると体重の差は出てはいたんですけど、軽量コンビなりにどうやって力を伝えるかを工夫しながら、走りで負けないようにというのは意識していました。(全日本個人に向けて)初めての個人選手権で、レベルの高い選手が集まると思うんですけど、負けずに頑張ります」

▼赤松
「全国行きを決められてうれしい気持ちがあるんですけど、目標としていた1位通過で全日本に行きたかった気持ちが大きくて、それが成し遂げられなかったことが悔しいです。(レース中意識していたこと)レースとはいえいつも通りのことを意識したことと、レース中は自分の立ち位置よりも上位にいる選手の真似をしたり、レース中でも技量を上げれるようにしながら取り組めたことがこの結果につながったかなと思います。(強風、他艇とのポイント差などの難しさもあった)レース前から自滅はしないようにしようと思っていたんですけど、結果的に反則が出たりとか、ケースを起こしてしまった部分もあったので、悔しいです。普段通り走っていれば良かったんですけど、初日英語をつけてしまったことで、2日目、メンタル的にも追い詰められている状態だったので、トップを目指してはいたけど2桁順位につながってしまったかなと思います。(男子も混ざっての大会で佐田と組む機会は少なかった)リーチング(ランニング時の技術の一つ)は男子よりも、関西の中では一番くらいの自信はあって、実際どのレースでも1艇は抜くことができました。女子ペアということもあって、体重の面で不利な部分はあるんですけど、ひなたさんとのペアは3年目にもなるので、コミニュケーションも取れているので、男女の差関係なく走れたかなとは思っています。(全日本個人に向けて)目標は優勝です。関西で優勝できなかったのは本当に悔しいんですけど、残された時間で技量を上げないといけないですし、全国で戦うために8月の合宿を全力で頑張って、関西女王だけじゃなくて、全日本王者の座もつかみたいと思います」

▼河野
「昨年の関西個人は負けてしまって、今年は絶対関西王者として全国に行くことを掲げていて、それが実現できたことと、優勝できたことがすごくうれしいです。(初日から安定したレースを展開)今大会は毎年関西個人は少ない点数での戦いになるので、全レース5位以内を掲げて。その中で全レース3位以内でスコアリングできたことが勝因だと思います。(強風、他艇とのポイント差などの難しさもあった)自分のポイントと2位、3位のポイントを考えながら自分たちがどうすれば優勝できるのかを考えながら走りました。(ペアを組む田附の存在について)2年生クルーで最近は一緒に乗っていなかったんですけど、今大会で一緒に組ませてもらって2年生ならではの活気あるレースをしてくれたので、それのおかげもあって優勝できたと思います。ありがとうって言いたいです。(今大会で出た課題)ランニングでのコース展開をもう少し上げられると思ったので、全国になればそれだけで差が広がってしまうので、ランニングを主に頑張りたいと思います。(全日本個人に向けて)一昨年に個人戦出たんですけど、1年生だったこともあって、練習不足が露呈したんですけど、今年は3年生として自分の実力を発揮して優勝目指して頑張りたいと思います」

▼田附
「1年間と少しやってきて、初めて関西の大きな大会で総合1位になれたことがうれしいです。(初日から大崩れしない安定したレースを展開)メンタル面で良い時も悪い時も、前向きに強気で攻めることができたと思います。(強風、他艇とのポイント差などの難しさもあった)風は2日間通して強かったんですけど、終盤でフィジカル面の弱さが出てきたかなと思うので、夏合宿でそこの強化をしっかりしたいなと思います。(暑さも激しい中8R、体力面について)8R目は風も上がって、総合点も1、2位を争っていた中、きつさはあったんですけど、なんとか耐えて技術面もうまくいったので、結果につながって良かったです。(ペアを組む河野との目標について)全レース5位以内で優勝することを話していました。1R目5位がカットになって、全レースまとめて安定させられたことが良かったかなと思います。(河野の存在について)普段陸での生活からチームを引っ張ったいってくれる存在なので、いつまでも頼ることなく、ただ頼るところは頼って尊敬している存在です。(全日本個人に向けて)まだまだ頼っている部分が多いので、クルーとして伝えられる情報だったり、相手の情報だったりをできる限り伝えてコミュニケーションをいっぱい取りたいと思います」

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