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◇関西学生春季トーナメント7日目◇6月4日◇於・モリタテニスセンター靭

[女子シングルス決勝]
●山口0(6(4)-7,2-6)2石川(姫大)

[男子シングルス決勝]
○岩本2(3-6,6-3,6-4)1蔡(近大)

いよいよ迎えた春関最終日。昨年の王者・岩本晋之介(商3)と、女王である山口花音(経3)が連覇の称号をかけ最終日に挑んだ。山口は第2シードの石川(姫大)に悔しいストレート負けを喫し、準優勝。岩本はファイナルセットまでもつれ込む接戦を制し、見事逆転勝利を果たす。プレッシャーを跳ね除け、大会連覇の快挙を成し遂げた。

IMG_7337-200x133 岩本がシングルス連覇の快挙!
△表彰式で笑顔を見せる岩本

女子シングルス決勝。山口花音(経3)の相手は、ダブルスでタッグを組んだ経験もある石川(姫大)だ。相手のサーブから始まったファーストゲームをブレイクし、幸先の良いスタートを切る。しかし続く第2ゲームをブレイクで返され、互いに主導権を譲らない。続く第3ゲームを相手にキープされ、迎えた第4ゲーム。ここを再びブレイクされ、厳しい展開に追い込まれた。第5ゲームは、デュースにもつれ込む接戦に。3度目のデュースで、ネットインに反応できず相手のアドバンテージ。さらにアウトを誘われ、このゲームをブレイクすることができなかった。続く第6ゲームもブレイクを許しゲームカウントは2-4に。窮地に追い込まれた山口。しかしここから、昨年女王が意地を見せる。甘い球を見逃さずスマッシュするなど、積極的な攻撃で着実にポイントを重ねた。ゲームカウント6-6まで追い上げ、タイブレークへと持ち込む。相手の鋭く回転がかかったサーブに苦戦し、なんとかリターンするもアウト。先制を許すが直後にすぐさま取り返した。その後は拮抗(きっこう)した点の取り合いとなる。一時4-3とリードする場面もあったが、流れを手繰り寄せたのは相手。一気に4連続でポイントを献上し、接戦となった第1セットを落とした。

IMG_7306-200x133 岩本がシングルス連覇の快挙!
△山口

なんとか巻き返したい第2セットは、山口のサーブ権からスタート。ここをきっちりキープし、迎えた第2ゲーム。何度もデュースになり、アドバンテージを奪い合う。ブレイクしたいところだったが、相手のキープでゲームを献上した。続く第3ゲームをブレイクされ、またもや相手に流れが渡りかける。

第2セット奪取が絶対条件という焦りからか、山口も思うように得点を重ねることができない。1ゲームを返すが、その後連続でゲームを奪われる。ゲームカウントは2−5となり、四面楚歌の状態に。3ゲーム連取が必須となった。迎えた第8ゲーム。相手もここで勝負を決めようと、プレッシャーをかけてくる。ポイントが30ー30となった場面で、山口の返球がネットにかかりマッチポイントを献上。しかしすぐさま取り返し、デュースに持ち込んだ。決勝ならではの、独特な緊張が会場を包み込む。リータンがオーバーしてしまい、アドバンテージを与えてしまった。なんとか食らいつきたかったが、ここで力尽きる。ラリーの末ネットにかかり、ゲームセット。昨年女王の春の挑戦は、準優勝という結果に終わった。

IMG_7305-200x133 岩本がシングルス連覇の快挙!

男子シングルス決勝、岩本は蔡(近大)と対戦した。昨年の春関対戦時は難なく勝利した相手だったが、「今大会の勝ち上がりを見ると、すごく状態を上げてきてるのは分かっていた」と分析。その予測通り、第1セットは苦戦を強いられる。相手のサーブから始まったゲーム。ファーストサーブはネットにかかり、続くセカンドサーブからは長いラリーとなる。打ち合いの末ネットにかかり、先制を許した。直後、一気にポイントを奪われ、第1ゲームをブレイクすることはできなかった。

第3ゲームを岩本がブレイクするが、その後は互いにキープを譲らない拮抗(きっこう)した展開に。試合が動いたのは、ゲームカウント3−2で迎えた第6ゲーム。「思った以上に、相手の球の質と球威が良かった」と岩本。パワーに押され、ブレイクを許してしまった。続く第7ゲームも相手にキープされ、ゲームカウント3−4で迎えた第8ゲーム。2度目のデュースで最後はスマッシュを決められ、再び相手にブレイクを許す。試合の主導権は完全に相手の手中となり、ゲームカウント3−6で第1セットを落とした。

IMG_7339-200x133 岩本がシングルス連覇の快挙!

決勝までの全5試合を1セットも落とさず勝ち進んできただけに、初めて追いかける試合展開を強いられる。第2セットも両者のキープゲームが続いた。試合が動いたのは、ゲームカウント4−3で迎えた第8ゲーム。30ー40まで追い込まれるが、ここから一気に連続ポイントを獲得。第2セット初めてのブレイクを先取し、相手のいい流れを断ち切った。この勢いのまま第2セットを奪い取りたい第9ゲームは、3連続で失点し追い込まれる。しかしここから岩本が真価を発揮。長いラリー戦を立て続けに制し、30ー40と追い上げる。さらに連続でサービスエースがさく裂し、アドバンテージを獲得。最後は強烈なスマッシュが刺さり、相手は微動だにできず。第2セットを6−3で奪取し、試合を振り出しに戻した。

いよいよ運命のファイナルセット。第2セットの勢いそのままに、試合の主導権を握ったのは岩本だった。ゲームカウント1−1で迎えた第3ゲームのブレイクに成功すると、一気に畳み掛ける。ゲームカウントは5−4となり、優勝に王手をかけた。正念場の第10ゲーム。「サーブのギアをもう1つ上げるということを意識した」。その言葉通り、渾身(こんしん)のサーブで3連続サービスエースを獲得し、ポイントは40ー0に。優勝まであと1つ。集中力と正確さが試される大事な場面で、底力を見せた。ラリーの末相手の返球がネットにかかり、勝負あり。ファイナルまでもつれ込んだ逆転勝利に、勝利の瞬間、仰向けになって喜びを現す。第1シードのプレッシャーを跳ね除けつかんだ連覇の快挙に、笑顔が弾けた。

IMG_7338-200x133 岩本がシングルス連覇の快挙!
△優勝の瞬間

男女シングルス優勝とはならなかったものの、関大テニス部の威厳を知らしめる大会となった。インカレでは、関東の強豪たちと対峙(たいじ)する。日本一の称号をつかむ、本当の夏はここからだ。【文:合田七虹/写真:藤井海】

▼岩本
「(今日の試合を振り返って)ファーストセットは相手が思った以上に球の質と球威が良くて。自分の中でストロークのベースで負けてるなと思ったんですけど、自分の武器であるサーブから流れを作れるように、セカンドセットは切り替えることができたので、そこが逆転できた要因かなと思います。(第1セットの献上は想定内か)第1セット取られるのは想定外でした。今大会の目標がセットを取られないことだったので、相手がファーストセットが強いという情報はあったんですけど、取られたから切り替えてという感じで、すぐ頭を使って考えて、作戦を練ってやりました。(ファイナルセットについて)セカンドセットは3-3から3ゲーム連取して6-3で取ったんですけど、その流れを切らさないというか、自分のサーブとストロークと、ネット際に出て相手に圧を与えてるというのができてセットが取れたので。そこは徹底していくことと、サーブのギアをもう1つ上げるということを意識してやって、そこがうまく自分の体と感情に合致できたかなと思っています。(今大会で得られた収穫と課題)収穫は自分のプレーの自信です。プロに勝てる可能性のあるプレーというのを1年生の時から追い求めてやってきたので、最近プロに勝てる試合も多くなりましたし、学生を圧倒するというところを今回もできたので、そこは自信になりました。課題は、決勝戦は体重のあたりで負けていたというか、キレとか伸びじゃ補いきれないパワーを相手から感じたので。3大会連続で体が少しずつ弱くなってる時期ではあるんでけど、もう1回インカレまでに作り直して、もう1つ体を大きくできたらまた楽になるかなと思うのでそこは課題かなと思います。(インカレの目標と意気込み)目標は優勝だけです。去年も優勝だけ考えてベスト8だったので、今年はもう1つ上の全日本選手権で勝てるテニスというのを求めてインカレで優勝したいなと思っています。2ヶ月間しっかり自分を見つめ直してやっていきたいと思います」

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