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終盤の逆転劇で首位キープ!

終盤の逆転劇で首位キープ!

◇第102回関西学生リーグ前期第8節◇対大院大◇6月1日◇於・三木総合防災公園第2陸上競技場◇

【前半】関大0-1大院大
【後半】関大2-0大院大
【試合終了】関大2-1大院大

スターティングメンバー
GK 山田和
DF上原、髙橋、木邨、野田
MF村井、藤﨑、和田、真田
FW大矢、淺田

前節、阪南大を1点差で下し、勢いにのる関大。3連戦最後は、今節開始前の時点でリーグ4位の大院大と激突した。今後のリーグを占う上でも負けられない一戦は前半、ゴール前の混戦から押し切られ、先制を許す。しかし後半、コーナーキック(CK)から相手ネットを揺らし同点に。最後はMF真田蓮司(法2)がロスタイムの劇的弾で激闘に幕。3連戦最後の試合を貴重な勝ち点3で締めくくった。

△MF真田

序盤は両者、ボールを回しながら相手の出方を伺う時間が続く。球際で激しく競り合う中、最初に好機を作ったのは大院大だ。前半7分、CKのこぼれ球に反応しミドルシュートを放たれるも、ここはGK山田和季(社3)がファインセーブ。前節に続く好プレーで関大ゴールは割らせない。

一方の関大、ファーストシュートは同14分。FW淺田彗潤(人3)とのパス交換から抜け出たMF村井天(経2)がコースを狙ったシュートを打つが、ここは相手GKに阻まれる。その3分後にはDF木邨優人主将(政策4)の落としにDF上原壮(文3)が反応。積極的にゴールを狙うが、枠を捉えることができない。

△MF村井

均衡した展開が続く中、ついに試合が動く。同32分、左サイドからのクロスをGKとディフェンスラインの間に落とされると、そのままゴールへと流れ失点。嫌な時間帯に先制点を許してしまう。

早めに流れを取り戻したい関大はMF藤﨑琉依(商3)、MF和田健士朗(人2)のダブルボランチがセカンドボールを回収し続け、好機を演出。しかし相手ディフェンスを前にシュートを放てず、1点ビハインドで前半を折り返した。

△MF和田

立て直しを図るべく、後半開始と同時にMF川島功奨(社4)、FW前田龍大(人4)を投入。するとすぐさま経験豊かな4年生コンビが見せる。FW大矢瑞樹(情3)のキープからFW前田龍へ展開。オーバーラップを仕掛けたMF川島にボールが渡ったところで、たまらず相手がファール。その後のプレーが直接得点とはならなかったが、2人の存在が徐々に安定感を取り戻させ、流れを呼び込む。

後半14分にはMF藤﨑に代わり、MF宮川大輝(文1)を投入。中盤の活性化を試みるとその交代が功を奏す。関大がボールを保持する時間が続き、MF村井が起点となり攻撃を展開。立て続けに相手ゴールに迫ると同31分だ。CKの好機にキッカーはMF和田。相手GKの頭上を超えると、そのままボールはネットを揺らす。終盤のスーパーゴールにベンチは沸いた。

その後も前がかりに攻める関大。カウンターを受ける場面でもDF木邨主将のパスカット、DF髙橋哲也(文2)の対応でピンチの芽を摘んだ。両者、気迫のこもったプレーでしのぎを削る中、後半ロスタイムにドラマが。ここまで何度も好機を作ってきた右サイドからMF和田がクロス。混戦模様のペナルティエリア内でボールはMF真田の元へこぼれる。ルーキー時から類まれな技術で存在感を示してきた男は左足を振り抜く。ゴール上に突き刺さると、MF真田は右手を突き上げベンチに駆け寄り、喜びを分かち合った。「チーム全員で戦っている以上、自分が奪ったゴールだけど、チーム全員で取ったゴールだと思うので」。試合後、背番号8は笑顔でそう語った。

△得点後、喜ぶ選手たち

残りの時間を全員で守り切った関大。終了のホイッスルが鳴り響くと前田雅文監督も小さく拳を握るなど、チーム全員が貴重な勝ち点3を喜んだ。

△遠方まで駆けつけた応援団とともに喜びを分かち合った

これでリーグ成績を6勝2分とし、勝ち点も20まで伸ばした関大。連戦が続き、けがで戦線を離脱する選手もいる中でつかんだ今節の勝利は、勝ち点3以上の価値をもたらしただろう。来週からはリーグ戦を一時中断し関西選手権へ。一発勝負のトーナメント戦で問われる新たな真価もその組織力と熱意で見せる。目指すは2年ぶりの頂点のみ。意地とプライドを胸に、再び全国の舞台を目指す。【文:稲垣寛太/写真:上田峻輔】

▼DF木邨主将
「(試合を振り返って)けが人が多い中で、普段あんまり試合に出ていなかったり、試合に絡んでいない選手がスタメンだったが、最後まで諦めずに全員で戦って勝ち切れたことはチームのプラスになったと思う。層が一つ厚くなった試合だったと思う。(連戦が続いた中で上位争いを繰り広げる相手との一戦だった)中2日での試合が続いて、相手も上位にいるということで、自分たちがリーグで優勝するためには絶対勝たないといけない試合だった。逆にここで勝てば突き放せる試合でもあったので、きょうの試合は絶対に勝とうという話はしていた。(メンバーの入れ替えもあった中で、どんなことを仲間に話したか)特別なにかしたということはない。普段からも一緒に練習はしているいる分、どんなプレーをするかは分かっている。味方の特徴も頭に入っているが、普段出ていない選手がリーグの舞台でそれを発揮できるかは別物。そこは普段から出ているメンバーが助けないといけないとは話していた。(個人としても3連戦、すべてフル出場を果たした)疲労感はあったが、それを理由に戦わないということはない。自分が主将を背負っている以上、背中で引っ張って戦わないといけないと思っていた。(決勝点は2年生、MF真田のゴール)蓮司がシュート打った瞬間は見えていなくて、相手との混戦からボールがゴールに入ったところだけを見たが素直にうれしかった。チームを助けてくれる、ゴールを奪ってくれるのはうれしいの感情が一番大きい。(来週以降は関西選手権が始まる)リーグ戦とは違って一発勝負の大会になってくる。負ければそこで終わりである以上、まずはリーグ戦とは違うということをチームに訴えて、足元救われないように一戦ずつ戦って優勝を目指したい」

▼MF真田
「(試合を振り返って)けが人が多いことで、いつもとは違うメンバーで出ていたが前半はチームとして全然良くなかった。後半から選手交代をきっかけに自分たちのペースになり始めて、関大らしく粘り強く戦えたと思う。(連戦が続いた中で上位争いを繰り広げる相手との一戦だった)とにかく疲労を残さないことをみんな意識して、練習後のリカバリーなど力を入れていた。試合で100%を出し切るための準備をチームとしてしてきた。(終盤、自らのシュートで勝ち越し点を奪った)その前にも好機はあったが、自分が潰した部分もあった。最後は特になにも考えていなかったが、自分で決めれて良かった。(ゴール後、真っ先にベンチへ駆け寄った)チーム全員で戦っているので、自分のゴールだけどチーム全員で取ったゴールだと思う。(来週からは関西選手権が始まる)チームのために走ったり、個人としてはゴールやアシストでもっとチームを勝たせられる選手になりたい。(将来的な選手としての理想像)吉村みたいにJ1に行って海外でプレーしたいなと思う」

▼GK山田和
「(試合を振り返って)いつも出ているメンバーがいないだとか、色々な状況があった中で、3連戦最後の試合に挑んだ。個人としてはこの3連戦が復帰後初めての試合だったということで、天皇杯1回戦でチームの無敗が止まったのは自分の責任だと思っている。その中でこの試合は絶対に勝ち切りたいと思っていたので、結果としては良かったと思う。ただ前半の入りや、中盤の部分で良くない部分はあったので、改善していかなければいけないとは感じている。(連戦が続いた中で上位争いを繰り広げる相手との一戦だった)連戦ということで、試合に出ていたメンバー、出ていないメンバーで疲労度やコンディション調整は変わってくる。一人一人が自分の体と向き合ってというのはずっと言われていることで、きょうが3連戦最後だったのでやり切るだけというのは頭にあった。自分としてはいつもと変わらずしっかり戦うことを意識していた。(前節に続ききょうの試合でもビックプレー)自分の足元に入った時に狙われているのは前半からあった中で、何本か自分のミスで相手に勢いづけさせてしまったのは自分の隙だと思う。後半の最初の左足のプレーにしてもまだまだ足りていない部分だと思う。右足は背後を狙うキックやポイントを狙う部分は蹴ることができていたので、そこは成長した部分と捉えていいと思う。でも先制点取られるのはしんどいのでそこはなくして、自分だけでは止められないプレーも出てくるので、味方と連携して止めていくことを練習から突き詰めていきたい。(来週からは関西選手権が始まる)個人としても3度目の関西選手権で、1年生の時に優勝、2年時の関学大戦は自分のミスで負けた大会。目の前の1試合に全力尽くしてやっていきたい」

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