◇令和6年度関西学生春季リーグ戦第8節◇対近大2回戦◇5月26日◇わかさスタジアム京都
近 大 000 404 040=12
関 大 100 000 000=1
(近)森、伊藤暖、西本、矢田、石井ー中丸、木森
(関)荒谷、栗谷、中原、足立、米沢ー笠井
1(遊)山田
2(二)佐藤
3(三)下井田
4(左)富山
5(一)久保田
6(中)藤原太
7(捕)笠井
8(右)岸上
9(投)荒谷
最終節、優勝を逃しながらも、なんとか意地を見せたい関大。1回戦では今季3度目の完封負けを喫するなど、なかなか歯車がかみ合わない、苦しい戦いを強いられている。そんな重たい雰囲気はこの日も払拭(ふっしょく)されなかった。初回こそ幸先良く先制したものの、ここまで粘りを見せてきた投手陣がまさかの12失点。近大を前になす術なく敗戦し、勝ち点2、リーグ5位での終戦となった。
初回、今季2度目の先発マウンドに立ったのは荒谷絋匡(法3)。抜群の制球力を武器に二つの見逃し三振を奪う最高の立ち上がり。攻撃へとリズムを作ると、その裏、関大の攻撃は2死からだった。3番・下井田悠人(経3)が放った打球は右翼スタンドに突き刺さる今季1号ソロ。1年時から公式戦経験を持つ頼れるスラッガーが結果でチームを鼓舞した。
荒谷は直後の2回も打たせて取る投球で近大打線に付け入る隙を与えない。3回には、安打と犠打でこの試合初めて得点圏に走者を背負うものの、三振と内野ゴロに切って取り、堂々たる投球を披露した。
一方の打線は2回裏、2死からこの日初めてスタメンマスクの7番・笠井康生(法2)が一、二塁間を破る安打で出塁する。しかし後続は相手投手のテンポの良い投球を前に凡退した。
1点リードで迎えた4回。ここまでほぼ完璧な投球の荒谷が突如崩れる。安打と四球、味方の失策も絡み満塁のピンチを招くと、野選と2本の適時打を許し逆転。一挙4得点の猛攻を受けた。
流れを変えるべく、6回からはルーキー・栗谷星翔(せいが=社1)をマウンドに送る。高校3年時には夏の甲子園経験も持つ期待の新星だったが、先頭に四球を許すと、2本の適時打を浴び3失点。ほろ苦いデビューとなった。後を受けた中原海晴(商2)も流れを食い止めきれず失点。4回に続きこの回も4点を失う、苦しい展開となった。
一矢報いたい関大は6回に山田悠平(商3)、7回には5番・久保田翔太(人4)がそれぞれ二塁打で出塁。しかし後続は鋭い打球を放つものの、野手の正面に飛ぶなどなかなか歯車がかみ合わない。
8回には4番手として足立幸(人3)にマウンドを託す。リーグ中盤から戦線復帰し、ここまで数々の修羅場を乗り越えチームの窮地を救ってきた右腕。しかし、その足立でさえも今の重苦しい雰囲気に飲まれ、みたび4失点。試合はそのまま1-12でゲームセット。守備でも試合を通して三つの失策が生まれるなど、昨秋王者の面影はもうそこにはなかった。
近大戦で2連敗を喫し、4勝6敗1分の勝ち点2、リーグ5位で閉幕した関大。29年ぶりの春栄冠への道のりはやはり険しかった。打線の低迷、守備の乱れ、投手陣の駒不足。この春、露呈になった課題を乗り越えない限り、秋季4連覇はない。今季味わった悔しさを晴らすために。「やっぱり秋の関大は強かった」と言わせるために。この夏、どの大学よりも厳しい練習を乗り越え、1位の座へ返り咲く。【文:稲垣寛太/写真:島田采奈、市場薫】
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