◇令和6年度関西学生リーグ戦入れ替え戦◇対京産大◇5月25日◇滋賀県立体育館
[男子第1試合(フルーレ)]
○関大45-30京産大
①伊藤 5(5-(3)3 関本
②有働 10(5)-(6)9 林
③上村 15(5)-(2)11 横手
④有働 20(5)-(6)17 関本
⑤伊藤 25(5)-(0) 17 横手
⑥上村 30(6)-(4)21 林
⑦R保知 35(5)-(3)24 R大矢
⑧上村 40(5-(4)28 関本
⑨伊藤 45(5)-(2)30 林
R保知 R大矢
[男子第2試合(サーブル)]
○関大45-38京産大
①村社 5(5)-(0)0 渡辺
②陰平 10(5)-(9)9 安藤
③小野原 15(5)-(2)11 石山
④陰平 20(5)-(6)17 渡辺
⑤村社 25(5)-(4) 21 石山
⑥小野原 30(6)-(5)26 安藤
⑦陰平 35(5)-(1)27 石山
⑧小野原 40(5)-(3)30 渡辺
⑨村社 45(5)-(8)38 安藤
R上村
[最終結果]
男子1部昇格
2部総合優勝を果たし、チャレンジャーとして挑む入れ替え戦。22年の入れ替え戦で敗北した因縁の相手、京産大と対戦した。第1試合のフルーレは、序盤からリードする展開に。安定した試合運びで、余裕を持って逃げ切り勝利を収めた。続く第2試合のサーブルは、連続で失点する場面が見られるも、応援の声が背中を押す。この試合も制し、見事2戦2勝。全員でつかんだ勝利で、3年振りの1部昇格を決めた。
第1試合はフルーレ。3種目のうち先に2勝した方が1部昇格であるため、ここでまず王手をかけたいところだ。トップバッターを務めたのは、フルーレのエース、伊藤真吾主将(人4)。先制さえ許すものの、その後は一挙4連続得点を獲得した。ベンチから「あと1本」の声が飛ぶ。そのまま決め切ることはできず2点を献上したが、5-3とリードする形で番手を終えた。続いて登場したのは、有働隆汰(商4)。開始の合図で相手が動き出し、奥まで追い込まれる。攻撃を避け切ることができず先制されると、その後3連続失点。5-7と逆転されてしまった。このまま差を広げられたくない場面で、応援の声が有働の背中を押す。一気に3ポイントを奪取し、スコアは8-7。その後点の取り合いとなり、10-9でバトンを上村明武(社2)につないだ。大事な局面を任された上村だったが、安定した攻撃で着実にポイントを重ねる。15-11と差を開くことに成功した。
2巡目に入り、4番手の有働。このまま流れを完全につかみたいところだったが、相手は長く1部で経験を積んできた大学。そう簡単に勝たせてはもらえない。6得点を献上してしまい、スコアは20-17に。逆転こそ許さなかったものの差を縮められ、相手が勢いに乗ってきた。悪い流れを断ち切ったのは、5番手の伊藤主将。果敢な攻撃で相手を圧倒し、あっという間に5得点を獲得する。部を支える主将が、チームのピンチを救った。
ここから勢いに乗った関大。後続も安定したプレーでバトンをつないでいく。9番手には、リザーブで保知純乃介(文2)が登場。緊張した面持ちだったが、冷静に相手の動きを見極める。3失点のみに抑える好内容で番手を終えた。そして、40-28で迎えたアンカーの伊藤主将。初手に失点を喫するが、その後は完全に持ち直す。一気に5連続ポイントを獲得し、勝負あり。45-30と余裕のあるスコアで白星をつかむ。これからの流れを大きく左右する大事な第1試合を見事制し、1部昇格へ王手をかけた。
第2試合はサーブル。京産大はエペを得意としているだけに、ここで勝負を決めたいところ。1番手を務めたのは、村社瑠輝也(人4)だ。開始の合図で勢い良く飛び出すと、相手の胴を一突き。先制に成功し、そのまま一挙4得点。5-0で番手を終える最高の内容に、応援からも大歓声が沸いた。2番手は、陰平尚弥(情3)。いい流れに続きたいところだったが、相手の積極的な攻撃に苦戦を強いられる。9失点を喫し、10ー9と差を縮められた。3番手に登場した小野原寛斗(社3)は、点の取り合いとなる展開に。それでも実力を見せつけ、スコアを15-11とした。
2巡目に入ると、両者一歩も譲らない拮抗(きっこう)した試合展開となる。1巡目のリードを保ちながら、追いつかれまいと懸命に逃げる関大。6番手の小野原は、体制を崩しながらも相手の胴を突くファインプレーを見せる。30-26で、最後の3巡目へ望みをつないだ。
7番手は陰平。1巡目の不調と打って変わって、相手の動きに対し良い反応を見せる。1失点のみの好内容で終え、35-27と大きく差を開くことに成功した。ここからエンジンがかかった関大。続く小野原は、開始の合図で飛び込んできた相手を避け、素早いカウンターに移る。相手を奥まで追い込み、一突き。その後も安定して得点を重ね、40-30で最後のアンカーへと託した。満を持して登場した村社。先制されるも、すぐに2得点を取り返す。直後6失点で差を詰められる場面もあったが、「大丈夫、大丈夫」とベンチからの声がプレッシャーを跳ねのけた。開始の合図で大きく飛び込み、得点。いよいよスコアは44-37となり、勝利まであと1点となった。部員全員がベンチ横に集まり、息を呑んで見守る。そしてついに、その瞬間は訪れた。村社の渾身(こんしん)の一撃が刺さり、スコアボードに45の数字が表示される。試合終了のあいさつが終わったと同時に、部員たちがサーブルメンバーの元へ駆け寄った。監督やコーチ、OBOGの方も含めた全ての人の表情に、笑顔があふれている。おととしに敗れた宿敵を見事撃破し、1部昇格を果たした瞬間だった。
女子に続いて男子も1部昇格を果たし、最高の結果で終えたリーグ戦。男女ともに、若い世代の活躍も大きく目立った。関大フェンシング部の黄金時代が、いよいよ来たる。【文/写真:合田七虹】
▼伊藤主将
「(第1試合を振り返って)負けたら相手に流れが生まれちゃうので、勝利が大前提でした。体ガチガチだったんですけど、何とか勝てていい流れを渡せたので良かったです。(自身のプレーで良かったところ)良かったところは正直本当に全然なくて。強いてゆうならなら3点目、4点目のアタック、攻められている状況でのコントルアタックは良いタイミングで決まってたので、そこをしっかり冷静に取れたので良かったのかなと思います。(第2試合のフルーレを見て)フルーレが勝って、流れ的にも絶対勝てる自信があったので、あとは本当にチームにいい流れを呼び込めるように声を出してというのを心がけてやってましたね。(第2試合で声をかけたこと)やっぱり点数を取られちゃうと、焦っちゃったり、パニックになってしまいがちなので、そこを何とか選手が落ち着けるように、絶対普通にやったら勝てるからねと、落ち着かせるような言葉をかけていました。(1部の舞台で後輩たちに期待すること)自分たちが築き上げた土台がやっと1部昇格できたので、あとは本当に円陣でも言ったんですけど、来年プレイするのは今の3年生、2年生なので。今日出てない椿(=椿樂)とかがすごく悔しいって思いをしてくれてるから、そこを僕らが、4年生の僕と有働で頑張って伸ばしていきたいですね。去年とかも悔しい思いしてる保知と明武(=上村)が、この1年間頑張ったからこその結果なので、あとは僕らが引退するまで伸ばしていこうと思います」
▼村社
「(第1試合を見て)やっぱりみんなしっかり頑張ってくれて、気持ちよくきれいな勝ち方をしてくれたので、応援する側も気持ち良かったです。だからこそ、次でしっかり決めたいなっていう自分の気持ちを上げるっていうところで、フルーレの試合はすごく応援する側として楽しめたと思います。(第2試合を振り返って)緊張しましたね。普段はあんまり緊張しないんですけど、最後のリーグ戦もそうでしたし、入れ替え戦っていうのもあって、何としても気持ちよく終わりたいなっていう部分があって。すごく緊張したんですけど、最初の試合1巡目は、思ったより落ち着いて入れたので、このままいけるかなと思ったんですけど、最後は結構慌てながらも時には冷静になってっていうそこの繰り返しで何とか勝ち切ることができて、安心しました。(1部の舞台で後輩たちに期待すること)今回入れ替え戦に出たメンバーは4年生だけじゃなくて、後輩もすごく多い中でのチーム編成があったので、1部でもやり合ってくれるんじゃないかなと思っています。来年はトップ3ぐらい入れるんじゃないかなと期待しています」
▼小野原
「(1部昇格して)僕が1年生の時に先輩方が入れ替え戦で負けてしまって2部に降格して、僕が出てからは2部のステージでこの2年間戦ってきましした。やっぱり1部に上がりたいっていう気持ちと、来年が最後なので1部で戦って終わりたいという気持ちがあったので、その気持ちが通じたのか、今日はすごく雰囲気も良くていい形で終わることができたのかなと思います。(第1試合のフルーレを見て)前々からすごくフルーレ陣も調子が良くて、絶対勝ってくれると信じていました。サーブルが2戦目で、2回勝ったら終わりなので、チーム全体としても、フルーレ勝ってサーブル勝って、エペまで回さないという強い気持ちで見守っていました。(第2試合を振り返って)団体戦なので、1人が調子悪くても最終的にチームでカバーしあって勝ちが取れたらそれでいいので、今日は本当にみんながお互いをカバーしあって、100%以上の力を出せたんじゃないかなと思います。(来年1部で戦う意気込みと目標)もちろん、1部に上がった以上、サーブルだけじゃなくて、フルーレ、エペ全部1位を目指します。もう入れ替え戦は絶対に行きたくないので、そういう強い気持ちで残り1年、僕もラストなので頑張りたいと思います」
▼上村
「(1部昇格して)1部を目標にして関西大学に入学したんですけど、昨年はあと一歩のところで1部に届かなかったので、1年間ずっとそれだけを目標にして頑張ってきたので、心からうれしいです。(第1試合を振り返って)結果的に見たら余裕な点数だったと思うんですけど、僕自身、同じ県出身の先輩や後輩など個人的に関わりのある選手が相手にいたので、内心すごくやりにくい試合でした。それでも自分の実力がしっかり出せて、最後勝ち切れたので良かったと思います。(第2試合のサーブルを見て)誰かがけがとか不調で、替えるとなった時にいつでも出れるように心の準備だけはずっとしていました。第1試合をしっかりフルーレで勝ち切った分、サーブルも後についてしっかり勝ちたいなと思っていて、先輩方が頑張ってくれていたので、応援という形で貢献できたんだったら、良かったと思います。(来年1部で戦う意気込みと目標)1部昇格して最初の試合が、自分が3年生の代になって、今のキャプテンが抜けて自分の中での安心感がなくなって、逆に自分が引っ張っていかないといけない立場になるので。チームをしっかり引っ張っていきながら、王座にしっかり出て、王座でも関東の大学を倒せるように頑張りたいと思います」
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