◇第76回関西地区大学選手権大会◇対兵庫医科大学神戸キャンパス◇5月12日◇くら寿司スタジアム堺
関 大 011 001 003=6
兵医神 000 002 001=3
(関)藤澤―福永
(兵)佐藤―横野
1(指)藤澤
2(中)佐竹
3(遊)福留
4(右)木下
5(一)今村
6(三)古田
7(左)日高
8(捕)福永
9(二)西田
先発 藤澤
5年ぶりの歓喜から約1カ月。福永翔太主将(社4)率いる準硬式野球部は、関西六大学連盟の代表として関西選手権に臨んだ。試合前の円陣で「関六代表のプライドを持って戦おう」と福永主将。全日出場、そして関西の頂点へ向けて負けられない戦いが始まった。
関大打線は初回からつながりを見せる。1死から佐竹俊哉(情2)が四球を選び出塁。3番・福留涼平(商4)は左安、4番・木下立清(りゅうせい=人3)は四球で続いた。1死満塁と先制のチャンスとなったが、後続が倒れここは無得点となる。
関大の先発はエース・藤澤駿平(政策4)。四球と二塁打で2死二、三塁のピンチを背負ったが、続く打者を三振に抑え、無失点の立ち上がりを見せた。
2回表、早速スコアが動く。先頭の日高涼汰(経4)が左安で出塁すると、二盗を決めた。続く福永主将の三ゴロは進塁打となり、打席に立ったのは久々のスタメン出場となった西田光汰(化生3)。2球目を振り抜くと打球は中堅へ抜け、日高が生還し、1点を先制した。3回にも先頭の木下が右二塁打で出塁。続く今村優真(経3)が犠打でチャンスを拡大すると、7番・日高から適時打が生まれリードを2点とした。
藤澤はテンポの良い投球で、相手打線につけ入る隙を与えない。3回には1死から左安を浴びたが、続く打者のライナー性の打球を一塁手・今村がキャッチ。相手走者は一塁に戻り切れず、併殺に打ち取った。味方の好守にも助けられ、2回から5回まで三凡の山を築いた。
次にスコアが動いたのは6回。先頭の日高が四球で出塁すると、続く福永主将が初球で犠打を決め1死二塁の好機となった。その後2死となり、打席に立ったのは藤澤。初球をスイングすると、打球は相手一塁手の失策を誘い、その間に日高が生還する。先発自らのバットで、自身を援護した。
しかしその直後、藤澤が相手打線につかまる。先頭から2者連続で安打を許し、犠打で走者を進められ1死二、三塁のピンチ。続く打者に適時打を浴び1点を失う。その後も暴投の間に1点を追加されたが、同点とはさせなかった。
7、8回は両者無得点となり、最終回を迎える。9回表、先頭の福留が初球を左前へ運び出塁。続く4番の木下が犠打を成功させ、得点圏に走者を置いた。すると5番・今村から古田大輔(情4)、日高と3連打で3点を追加。打線がうまくつながり、4点のリードを手にした。その裏、藤澤は先頭打者に出塁を許す。直後の打者は一邪飛に打ち取ったものの、味方の失策と四球で1死満塁のピンチを背負った。初球を打たれ1点を追加されたが、冷静さは失わない。続く打者を併殺に打ち取り試合終了。準決勝進出を決めた。
1回戦を勝利し全日、清瀬杯いずれかの全国大会への出場が決定。チーム目標の全日出場まではあと1勝、関西の頂点まではあと2勝となった。残る2試合も気を引き締めて戦い、もう一度福永主将を胴上げする。【文/写真:島田采奈】
▽福永主将
「(リーグ戦終了後からどのような練習をしたか)他校よりも圧倒的な数の練習試合や、紅白戦を行った。実戦形式の練習をして、試合勘が鈍らないように取り組んできた。(今試合でその成果は出たか)練習試合とは違って、いい球場で試合をさせてもらって、観客もたくさんいる中でプレーするのは緊張感があった。自分たちの力を出し切れなかった場面もあったが、逆に本来持っている以上の力を出せた場面もあった。みんなが前向きにプレーをしてくれていたと思う。(1点差の状態から9回に3点を追加した)きょうは当たっていなかった古田から得点につながった。信じて起用して良かったし、期待に応えてくれる古田は大切な存在。(全国大会への出場が決まった)昨年はあと一歩のところで逆転されて負けてしまった。きょうもその試合がみんなの頭の中に残っていたので、最後まで集中を切らさず勝つことができた。(次戦以降への意気込み)あと2回勝たないと優勝できない。再度みんなに関西の頂点を取るという意識を植え付けて、試合に臨みたい」
▽藤澤
「(勝てば全国出場が決まる大一番での先発)自分たちが入学してから初めての関西選手権。きょう勝てば夏につながるという初戦で、大役を任せてもらって緊張していた。(自身の投球を振り返って)緊張もあったせいかリーグ戦通りの投球はできなかった。試行錯誤したが中盤に2点を取られて、最後も1点を許してしまった。それでも味方の援護があって勝つことができ、納得はいっていないが最低限の仕事はできたかなと思う。(6回の打席で相手の失策を誘い1点を追加)後ろの2番に首位打者の佐竹がいるということもあって、きょうは投げる方に集中していた。日高も打ってくれたし、福留、木下もトーナメントになれば打ってくれるので(笑) 一番は投球に集中していたが、初球から振っていったのが結果的に抜けてくれて良かった。(ベンチやスタンドからの応援はマウンドからどう映ったか)今のチームは『チーム一丸』という言葉がぴったり。ベンチ、スタンドからの応援はよく聞こえる。自分が苦しい状況のときでも、応援してくれる人のために頑張れた部分もあった。(次戦以降への意気込み)きょうはあまりよくなかったが、次戦以降はリーグ戦通りの投球ができるように、しっかり準備をして臨みたい」
▽木下
「(どんな意気込みで試合に臨んだか)全国への出場が決まるトーナメント戦で、昨年はサヨナラ負けしてしまった。自分は昨年も試合に出ていて、悔しい思いをしたからこそ、今年こそは絶対に全国に出たいと思い試合に臨んだ。(きょうは3出塁の活躍)きょうはチャンスで打席が回ってくることは少なかったが、先発が藤澤さんということもあって、点を取れれば勝てると確信していた。とにかく出塁することを意識して打席に立っていた。(次戦以降への意気込み)あす勝てば全日出場が決まる。一戦必勝で頑張っていきたい」
▽西田
「(久々のスタメン出場だったが)前回の練習の時にキャプテンに伝えてもらった。この日のために練習してきたので、それを出すだけだと思い試合に臨んだ。(第1打席で先制適時打を放った)キャプテンが試合前から、絶対に先制点を取ろうと話していた。初回は1死満塁のチャンスで得点できなかったので、2回に1死二塁で打席が回ってきて、絶対に先制点を取ろうと思った。打った感触はあまり良くなかったが、抜けてくれて良かった。(次戦以降への意気込み)あす、あさってと勝って、全国へ行けるように頑張りたい」
コメントを送信