◇令和6年度関西学生野球春季リーグ戦第3節◇対立命大2回戦◇4月22日◇ほっともっとフィールド神戸◇
立命大 000 000 000=0
関 大 000 001 02X=3
(立)有馬、吉原、芝本ー加藤
(関)岩井、荒谷、金丸ー越川
1(中)渡邊
2(二)佐藤
3(右)藤原太
4(左)富山
5(遊)山田
6(一)小谷
7(三)森内
8(捕)越川
9(投)岩井
雨天中止を挟み、中1日空いて迎えた立命大との2回戦。この日も序盤から投手陣の粘投でロースコアとなる。試合が動いたのは6回。1死から5番・山田悠平(商3)の本塁打で均衡を破る。8回には富山雄正(情4)の2試合連続弾が飛び出し、ダメ押し点。このリードを3投手の継投で守り切った関大が、2連勝で今季初めての勝ち点を奪った。
後攻の関大、この日先発を託されたのは岩井将吾(商4)だ。初回を3人で切り抜け、幸先の良いスタートを切る。対する打線は、今節から1番に座る渡邊貫太(経2)が四球で出塁。続く佐藤慶志朗(経3)が1球で送り、形を作るが、先制点とはならない。
2回、岩井が連打を浴びピンチを招く。満塁とされるが、「先制点をやるわけにはいかない」と岩井。後続を威力のある真っ直ぐで封じると、最後は牽制死でピンチを脱した。関大の初安打は同じく2回。7番・森内大奈(情2)が弾き返すが得点に結びつけることはできない。
両校、好守もあり0行進が続く中、先に関大ベンチが仕掛ける。4回裏、1死から小谷太誠(社3)、越川海翔(人4)の安打で絶好機を作ると、好投の岩井に変えて久保田翔太(人4)を起用。勝負をかけるが、惜しくも左翼手正面への飛球となり、得点とはならなかった。
5回からマウンドには荒谷鉱匡(法3)が登る。流れを引き寄せたいところだったが、先頭打者に安打で出塁を許し、2死二、三塁のピンチを招く。しかし、直球主体で組み立てると、最後は内角の速球で見逃し三振。ポーカーフェイスな左腕がガッツポーズを見せ、チームに勢いをもたらした。
この1点を守るべく、関大は2日前完封勝利を収めているエース・金丸夢斗(文4)へ継投。関大が誇る世代最強左腕は期待に応え、圧巻の投球を披露する。7回を完璧な投球で切り抜けると、続く8回も三者凡退。付け入る隙を与えず、流れを呼び込む。
その裏、関大は四球で出塁の佐藤を得点圏に進めると、ここで打席には4番・富山。高々と舞い上がった打球は、長い滞空時間を経てそのままスタンドへ。2試合連続の本塁打は値千金の追加点となり、試合を決定づけた。最後は金丸が3人で締め完封リレー。貴重な勝ち点1を手にした。
前節、自分たちの野球をさせてもらえず敗れた関大。しかしこの2週間で見事に立て直し、昨季優勝校としての誇りを示した。「自分たちのやりたい野球ができている。強い気持ちを持って戦いたい」と藤原主将。真っすぐ前を見据えた紫紺の戦士たちにもう死角はない。【文/写真:稲垣寛太】
▼藤原太郎主将(法4)
「(今季初の勝ち点奪取、今の素直な気持ち)ほっとしています。1回戦勝ってきょうを迎えて、2勝しないと勝ち点は取れないので、そこで勝ち切れたことは良かったです。(開幕節を落とし、チームに焦りや不安はあったか)1週間空いたので、なぜ負けたのか、自分たちで考える時間もあったので、立命大戦に向けてしっかりと準備をして切り替えて試合には臨めていました。(きょうは試合前に思い描いていたプラン通りの運びとなった)この2試合、自分たちがやろうとしていることが少しずつ形になってきて、やっぱりこのチームは4番、5番打者が攻撃の中心になってくるので、そういう意味では2人が打ってくれて勝てたので、いい形だったと思います。(勝ちを重ねるごとにチームは一つになりつつある)チームとしてやりたい野球が固まってきて、それに対して全員でアプローチできていることが要因かなと思います。雰囲気もすごく明るいです。(次戦に向けて)1試合1試合負けられない戦いが続くので、強い気持ちを持って一戦ずつしっかり戦いたいと思います」
▼岩井
「(投球を振り返って)真っ直ぐが高めに浮いていたんですけど、コースに決まった時は相手を押せていたので良かったかなと思います。(雨天中止の影響で1日ずれたことについて)昨日もずっと試合をやるつもりでいたので、モチベーションの部分は落ちなかったですし、中止が決まった後も少し練習ができたので、調整はそこまで難しくなかったです。(2回の満塁のピンチを迎えた場面について)先制点だけはやらないぞという気持ちで投げていました。三振も取れましたし、満塁で内野フライを打たせることもできたので、粘れて良かったです。(最後は牽制死でピンチを切り抜けた)あの前の打者の時は(遊撃手の)山田のサインとかも見ずに集中していたんですけど、2死から山田にも声をかけてもらって刺すことができたので、本当に山田のおかげですね。(3投手の継投で立命大打線を寄せ付けなかった)1回戦は金丸以外誰も投げていなかったですし、後ろにいい投手がいるので、特にきょうは後ろに夢斗(=金丸)も控えていたので、なんとか0でつなげようという気持ちで投げていました。(好守で盛り立てた野手陣について)守備はいつも助けられているのでこのまま維持してほしいです。あとは本塁打でしか点を取れていないので、適時打が出れば抜け目のない打線になると思うので、しっかり自分も含めて練習していい状態で同大戦に挑めればなと思います」
▼金丸
「(登板までの心境について)中継ぎで投げるのは久しぶりだったので、勝ち越せば出番が回ってくるということで、1点取ってくれると信じながら見ていました。勝ち越して、自分の出番が来た時は全力でいこうと思っていました。(3回を投げて完璧な投球。内容を振り返って)1回戦の投球よりも真っ直ぐのスピードも出ていたので、自信をもって投げることができました。(富山の2点本塁打で点差も開いた)ほんまにさすがやなと思いました。打ってくれるなと最近は思うようになったので、安心してきょうも見ていました。(エースの投球でチームの雰囲気も変わりつつある)チームに流れを持ってこれるような投球をすることがエースだと思うので、1回戦もきょうも流れは呼べたと思うので、次の同大戦も自分の投球でチームが波に乗るように投げたいと思います」
▼山田
「(決勝本塁打を放ち、今の素直な気持ち)一本なかなか出ていなかった中で、初安打があのような形で、自分としてもチームとしても大きな一打になったことはうれしいなと思います。(開幕節から2週間、どんな練習で調整してきたか)バットの軌道がずれていたり、力が入ってしまったりというのがあったので、練習の中で力を抜いて自分の形で振れるように練習してきて、立命大戦の3日前くらいから良くなってきて、いざ本番でいい形で結果が出たかなと思います。(きょうの試合を迎えるまでの心境)もちろん焦りもあったんですけど、みんなが『打てるぞ』と声をかけてくれて気持ちが楽になりましたし、それで助けられた部分もあったので本当に良かったです。(打った瞬間の感触について)自分のスイングができて、打った瞬間いったかなと思いました。(粘り強い投球が光る投手陣について)本当にすごい投球で0を並べてくれるので、もっともっと僕らが点を取らなければいけないと思いますし、次の同大戦はもっと点を取りたいと思います。(欠場が続く下井田悠人(経3)と話した言葉について)悠人からは『打ってくれ』とずっと言われているのできょうは打てて良かったです。僕は悠人に『早く戻ってきて』と言っていて、あいつが戻ってきてくれたらまたチームが強くなると思うので、早く戻ってきてほしいですね。(次戦に向けて)まずはチームの勝利が大事になると思うので、2連勝できるように。自分の打席でもまだ本塁打の一本だけなので、間を抜く安打でつなぐような打席が増えるようにやっていきたいと思います」
▼富山
「(1死二塁で迎えた打席、どんな気持ちで打席に入ったか)気持ちは右安を狙う思いで打席に入りました。(高々と舞い上がる富山らしい打球が本塁打となった)少し上がりすぎたかなとは思いましたけど、うまく押し込めていたので、それが本塁打になって良かったなと思います。球種は真っ直ぐでした。(スタンドに入った瞬間の気持ちは)ほっとしたなというか、一本出て良かったなというような気持ちでした。(試合後は金丸と笑顔で話す場面も)金丸から『2戦連発はえぐいな』と言われて、砕けた会話です。僕もしっかり抑えてくれたので『ありがとう』というような話をしました。(開幕節こそ苦しんだものの、チームは勝ちを重ねまとまりつつある)個人個人の調子はまだまだだと思うんですけど、監督からも「ポジティブな発言でいこう』という話もありましたし、それがいい方向につながっているので、もっといいチームになっていくんじゃないかなと思っています。(次戦に向けて)負けられない試合が続いているので、次2連勝できるように頑張ります」
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