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◇第66回全日本学生選手権大会◇11月4日◇対東海大◇於・函館アリーナ

[前半]関大12-16東海大
[後半]関大16-12東海大
[後半終了]関大28-28東海大

第1延長
[前半]関大2-4東海大
[後半]関大2-0東海大
[第1延長終了]関大32-32東海大

第2延長
[前半]関大3-2東海大
[後半]関大3-3東海大
[試合終了]関大38-37東海大

初戦から劇的な逆転劇を見せた。松本大昌主将(文4)率いるハンドボール部男子。1年間の集大成にあたる全日本学生選手権大会(インカレ)1回戦にて、第2延長にも及ぶ激闘を制した。前半は相手の高い攻撃力を前に苦戦。ミスが重なり無得点の間に、相手に6連取を許す。4点ビハインドで迎えた後半だったが、守備の強度が上がり、GK田中星矢(人2)と連携したディフェンスで失点を抑える。28-28で試合は延長戦に突入した。コートプレーヤー5人で始まった延長前半は、 痛恨の2点差をつけられる。 しかし、後半にディフェンスが粘り強さを見せた。無失点に抑え、白井祐登(人3)が得点。 32-32と追いつき、第2延長に突入。総力戦で挑み、38-37で手に汗握る初戦を制した。

S__403202053_0-300x200 インカレ初戦、第2延長に及ぶ激闘制す
△試合終了後、抱き合う選手たち

開始直後は両者シュートが決まらず。先制点は、小田航平(人2)が走り込んでゴールを決めた。続けて、白井のライトからの得点や、有本晃人(法4)が7㍍スローを決める。4-2と安定した出だしを見せた。しかし、その後はミスが重なり無得点。その間、速攻から相手に連取を許し、あっという間に4点を追う展開に。タイムアウトをはさみ、山田凌裕(経4)がコートに入る。相手ディフェンスを抜きシュートを放ち、点が決まり出す。終盤には、守備に加え攻撃時も池原大貴(社4)が入り、ポストシュートを決めた。4点ビハインドで後半につなぐ。

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△山田

後半はGK田中が好セーブを連発。連携したディフェンスで相手の勢いを沈める。白井や山田のシュートや、土岐勇斗(文2)がポストシュートを決めるなど、出場メンバーのほとんどが得点。池原のパスカットから、木村道人(文4)が速攻を決め、ついに1点差。続けて松本主将が速攻を決め切り、後半12分でついに同点に追い付いた。相手はたまらずタイムアウト。明けてからは相手に3連続得点を許し、20-22と再び点差が開く。しかし、ここから関大が意地を見せた。GK田中がゴールを何度も守り、白井が同点弾。そして、上ノ原龍哉(人4)が速攻を決め、ついに逆転に成功した。終盤は1点差で試合が進み、緊迫した空気が続く。残り5秒の時点で関大がリードしていたものの、7㍍スローを与えてしまった。相手は着実に得点し、28-28で試合は延長戦へ。

S__403202050_0-300x200 インカレ初戦、第2延長に及ぶ激闘制す
△松本主将

前後半5分ずつで行われる延長戦。関大は2分間退場の影響で1人少ない状態でスタートした。先に相手に3連取され28-31と苦戦。しかし、上ノ原がシュートを決め、GK田中が守るなど、粘り強さを見せる。2点を追い、延長後半へ。開始から白井が鋭いシュートを決め、1点差に迫る。そして、土岐や松本主将が相手シュートを止めるなど、粘り強いディフェンスで応戦。残り1分に差しかかる土壇場で、関大が追い付いた。残り30秒、小田のラストプレーは惜しくも相手GKに阻まれる。結果は第2延長に託された。

S__403202052_0-300x200 インカレ初戦、第2延長に及ぶ激闘制す
△上ノ原

第2延長前半は、開始から松本主将と上ノ原が連続得点。両者セットプレーと堅いディフェンスで、1回の攻撃が長くなる。再び同点に追い付かれたが、最後に土岐がポストシュートを決め、35-34で後半に入った。ここで、羽渕晴一朗(情3)を投入。相手ディフェンスを引きつけ、松本主将がしっかりと得点。5分の間に、逆転しては追い付かれる展開が何度も続く。残り1分、同点の場面で相手の7㍍スローを与えてしまった。絶体絶命のピンチでGK田中が見せる。相手の鋭いシュートを足でしっかりととらえ、ゴールを守り切った。そして、激闘の末のラストプレー。山田が相手ディフェンスを抜いて放ったシュートは、ゴールに吸い込まれた。1時間半超えの初戦は、38-37で関大が勝利を収めた。

S__403202054_0-300x200 インカレ初戦、第2延長に及ぶ激闘制す
△GK田中

「今日は本間に諦めない力がありました」(中川昌幸監督)。勝ちへの執念がつかんだ白星となった。松本主将は「今日第2延長で粘り勝てて勢いも乗ってきている。1日でも長く試合できるように頑張りたい」と2回戦への意気込みを語る。次戦は関東地区の早大と対戦。今秋リーグ戦では、東海大よりも上位に位置する強敵だ。負けられない試合が続くが、1試合ずつ勝利を積み重ねる。【文/写真:松尾有咲】

▼中川監督
「(前半は4年生の出場が少なかったが)コートの位置もあり、ああいう順番になったんですけど、想定よりもミスが多くて、相手に流れを持って行かれた時間が長かったかなと思います。(後半に守備が良くなったことについて)キーパーが当たり出したからです。前半は相手が打つ前から動いていましたが、それが収まってきて、後半の当たりにつながったというところがあります。ディフェンスもそれに呼応するように、キーパーがここは止めてくれるからという気持ちから、他のところを思い切って守れていたと思います。(第1延長では3点差つけられたが)あのときは総力戦でした。3点差をつけられた時は、見るのが嫌になったけど。僕らなんかよりも学生の方がはるかに諦めずにしっかりやってくれたから良かったです。今日は本間に諦めない力がありました。(第2延長で羽渕選手が出たが)羽渕に相手ディフェンスを近づけさせて、食いつかせて、向こう側を開けさせて。大昌(=松本主将)が決めました。(早大戦について)今までも良く交流させてもらって、仲がいいんですけど、しっかり戦えるように。(早大戦の肝は)今日以上にディフェンスが大事になると思います」

▼松本主将
「(初戦を勝利して)ひとまずほっとしているのと、最後粘り勝ててとてもうれしいです。(勝因は)出た人は出た人で役割をしっかり分かった上で試合に臨めたのと、今日は相手よりも(勝つという)気持ちが強かったと思います。(前半を振り返って)自分がけが明けで練習にうまく合流できなくて、前半はベンチで見ていたんですけど、そこで声を出したり、チームメイトにどう攻めたらいいか声をかけたりしていました。もし自分が出たらどうしようかなとか考えていて。試合出たいなとは思っていたんですけど、途中から出させてくれたので良かったです。(第2延長が始まる前、どんな声かけがあったか)正直、第2延長はめったになくて、先生も言っていたように未知の世界でした。そこまでいったらプレーどうこうではなく、最後は気持ちという感じでみんなで集まって、絶対勝とうと挑んでいました。(翌日の早大戦に向けて)今日第2延長で粘り勝てて勢いも乗ってきているので、まずは切り替えて明日の早稲田戦に向けてもう1回みんなで話し合って、勝って、ベスト8まで行って、1日でも長く試合できるように頑張りたいです」

▼白井
「(延長の重要な場面で何度もシュートを決めたが)自分自身、前半シュートを外して上がってしまった部分がありました。前半が終わった時に、コーチ陣から肩の力を抜いて落ち着いてプレーしたらできると言われたので、後半から落ち着いてプレーすることができました。延長も最後は気持ちなんですけど、何とか乗り切ることができて、やっぱり4年生が最後ということもあるので、1試合でも多く、長く試合したい気持ちがあったからシュートも決められたかなと思います。(最後は足がつった状態だったが)もう気合いです。何とか乗り切ったんですけど、最後は限界を迎えました。ちょっとでも試合に出たい気持ちがあったので、つった状態でも最後試合することができたので良かったです。(翌日の早大戦に向けて)僕の直々の先輩が早稲田にいるので、その人と最後対決できるということもあります。最後僕らが勝って準々決勝に行って。明日も全員で力を合わせて勝てたらいいなと思います。」

▼田中
「(初戦を勝利して)インカレ優勝を目標にずっとやって来たので、まず目の前の試合に勝てたことがうれしいです。(第2延長の最後、7㍍スローを止めたが)最初の方が全然だめで、代えられて、どうしようもなくて。とりあえず前半が終わって先生に背中をたたいてもらって、気合いが入って何とか調子が上がって行って良かったです。(後半に入ってから調子を上げたが)今回いいチームなので、絶対勝ちたいという気持ちが強くて、やるしかないなと思っていました。(後半残り5秒で7㍍スローに挑んだが)止めたかったです。あそこで、気持ち的には絶対に止めてやると思っていたんですけど、止められなくて悔しかったです。(翌日の早大戦に向けて)関東のチームは強いし関東の方が強いというイメージがあると思うんですけど、それを払拭するというか。どんな相手でも今日みたいな試合ができるということを証明できたので、目の前の敵と戦うことを意識して、勝ちにつなげていければなと思います」

▼山田
「(前半、タイムアウト後から入って)4点差空いていたので、とりあえず前半というのもあって速攻は押したいなということで、速攻を意識していました。それが得点につながったかなと思います。(自身の役割について)もちろん自分でもシュートを決めないといけないけど、それ以上に周りをうまく生かすのが役割です。自分自分とならないように、周りを生かしていて、それも点につながったかなと思っています。(延長を振り返って)緊張感はなかったです。60分間戦って相手の感じがつかめていたので、後は気持ちじゃないですけど、歯を食いしばってただ勝つことだけを考えていました。(自身の今日一番のプレーは)最後のラストプレーです。前半は良かったんですけど、後半はあまり点を取れなくて、延長もあまり何もできていませんでした。それを取り返すじゃないですけど、それを取り戻せたかなと思うので、最後のプレーです。(なぜ終盤にかけてプレーが良くなったか)フェイントところで自分の前のディフェンスが不用意に出てきていたので、そこを交わせたら自分側が空くというのは、ディフェンスの動きを見ながら感じていました。(相手が)出てきてくれたのでそこをうまく交わせました。ある意味狙い通りですし、最後の30秒とかで俺が決めるという気持ちも強かったので、狙っていたのと気持ちがうまくはまってくれたのかなと思います。(翌日の早大戦に向けて)意気込みは勝つことだけなんですけど、あまり自分が崩れずに、ずっと冷静でゲームコントロールできるように頑張ります」

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