◇第98回関西学生後期リーグ第8節◇対甲南大◇ 11月1日◇
【前半】関大0―0甲南大
【後半】関大0―0甲南大
【試合終了】関大0―0甲南大
※無観客試合
第7節終了地点で、関大は勝ち点9、甲南大は勝ち点13。勝って差を縮めたいところだった。前半は相手の攻めの時間も長かったが、なんとか耐えしのいだ。だが、後半に入っても攻撃のチャンスを生かせず、スコアレスのゲーム展開。試合終了間際にはセットプレーから得点を狙ったが、決め切れず0-0で試合を終えた。


前半は押し込まれる時間が長く続いた。関大のプレーヤーがところどころでボールをこぼしたり、パスが通らなかったりする中、相手はアグレッシブに前進してくる。それでも、DF坂口貴哉(4年)が対人能力の強さで対応し、ボールを奪取。ゴール前に迫られると、DF長井一真(4年)がはじき返した。DF松尾勇佑(2年)も、相手が攻撃を組み立てる前にうまく体を入れてパスカット。最終ラインが体を張って相手の得点機を阻止した。甲南大のセットプレーからピンチを迎えた際にはDF坂口と、FW矢野龍斗(4年)が冷静にシュートに反応。ゴールをしのいだ。




18分には、相手の守備に苦しみながらも、 右サイドからFW沼田駿也(3年)がシュートを放ったが、相手GKがキャッチ。その後再び相手の時間となったが、DF小山新主将(4年)や、GK高村優太郎(4年)の堅実な守備でゴールは許さなかった。33分には関大のコーナーキックからチャンスが生まれる。しかし、DF小山主将が頭で合わせたボールはゴール上に消え、得点には至らない。MF松井修二(4年)やMF草刈龍星(3年)が攻撃の糸口を探るも、その後はチャンスを作れないまま、前半を終えた。




前半、試合を優位に進められなかった関大。前線からの守備がうまくはまらず、「守備を修正することに時間がかかった。その分、攻撃もなかなか難しかった」と前田雅文監督は話した。後半は入りから得点を目指したが、それは相手も同じ。しばらくは一進一退の攻防が続いた。6分にはフリーキックをDF小山主将が蹴る。持ち前のキック力でゴールを狙ったが、ポストの上を通過した。4節ぶりのスタメン出場だったMF深澤佑太(2年)も、球際の強さでボールをキープ。10分にはゴール前にクロスを供給するも、相手に先に触られてしまった。16分にはMF松本歩夢(4年)が投入される。FW矢野が右サイドの深い位置にパスを出すと、MF松本が猛スピードで追いつくも、ゴール前に蹴ったボールはGKに取られてしまった。




さらに、MF植田聡太(4年)、FW宮脇和輝(3年)がピッチに上がる。DF坂口のクロスがFW宮脇の方向に飛ぶも、頭で合わせたボールはゴールに収まらない。関大が攻めた後は、カウンターを仕掛けられ、危うい場面もあったが、「枠内に来たら絶対に止める」という強い思いでGK高村が確実にゴールを守った。37分には、運動量が多かったMF梅津克貴(3年)に代わり、MF奥野圭亮(4年)が出場。精度の高いキックを生かし、離れた位置からもゴールを狙った。試合終了間際、関大はセットプレーから立て続けに得点を狙う。しかし、最後までゴールネットを揺らすことはできず、今リーグ初のスコアレスドローに終わった。




勝ち点ゼロはかろうじて防いだ関大。だが、残りの試合ではより勝利へのプレッシャーがかかる。次戦はライバル・関学大との一戦。今節、桃山大に敗れた関学大にとっても、関関戦は絶対に勝ちたい試合であるはずだ。その相手を上回る情熱で挑まなければ、インカレ出場や、目標の全国制覇という夢がかなり遠ざかってしまう。どんなに厳しい状況でも、関大が日本一への執念を見せてくれるに違いない。【文:勝部真穂/写真:中西愛】
▼前田雅文監督
「守備でなかなかうまくいかないところが数回あったりして、そこでもったいない時間を過ごしてしまった。守備をしっかりやっていこうとは言っていた。そうしたら攻撃の時間に割けるからと。でも、守備のところで数回後手を踏んだり、うまくいかなかったことがあった。守備を修正することに時間がかかったり、回数を多く踏んだりしてしまったので、その分、攻撃とかもなかなか難しかった。後半替わった選手とか、FW矢野が起点になりそうだったが、最後はそこまで差し込めなかったし、ゴールまでつながらなかったという点はあると思う。そういうところが続いているので、体大(大体大)戦から2試合。直していければ。セットプレーからもチャンスがあったが、なかなかセットプレーから得点するというのは難しい。もう少し流れの中から、相手をバタバタさせた状態でセットプレーとかやっていっても良かったかも。相手がバタバタした状況を作れなくて、お互いが集中した状態でのセットプレーになった。(次戦に向けて)関学はメンバーがしっかりそろっていて、うちはけが人とかも多い。その中でもなんとか粘り強くやりたい。今回ゼロ(失点)で終われたので、後ろの選手は自信になったはず。次もゼロ(失点)でやっていけたらと思う」
▼DF小山主将
「(試合を振り返って)内容は悪いイメージはなかったが、こういうきっこうした展開で1点取って勝ち切る力、勝負強さというのは、今のチームの1つの課題なのかなと改めて感じた。最後ある程度押し込んだ時間もある中で、最後のところの質であったり、難しい展開の中でもセットプレーで1つ点を取る力であったりが、関西学生リーグの上位に食い込んでくるチームと僕らとの差なのかなと、ゲームやりながらすごく感じた。うまくいっている時間帯とそうでない時間帯、前半とか特に相手に押し込まれる時間帯があった。その中でも(GK高村)優太郎のファインプレーがあったり、最後ディフェンスラインが体張ったりというのはできたが、その前の段階での、チーム全体の守備というところはチームの課題だと感じる。うまくいってない時にはディフェンスライン間の距離が広くなってしまって、相手にうまくプレッシャーをかけれない。その中でディフェンスラインやボランチの選手がうまく指揮を取って、コーチング取りながら守備を統一させるというのがポイントになってくると思う。(次戦の関関戦も)リーグ戦であるということには変わりはないが、関学はある意味特別な相手なので、絶対に勝たないといけないと思う。去年から勝てていないので、もう一度気持ちを作り直して、練習から質とか強度を高めていきたい。4回生中心に雰囲気を作りながら、関学戦に向けてベストな状態を作って、結果もついてくるようにまた1週間準備したい」
▼GK高村
「前半の方はボールを相手の方が握っていて、なかなか前の方に行けない難しいシーンが多かった。守備の方では、全員で連動とか、コミュニケーションをしっかりとってゼロに抑えれたので、そこは良かった。後半の方もゼロに抑えられたというところは大きいが、もう少し攻撃に、全体的につなげられるように、後ろも前も練習から合わせていくことが必要だと思う。インカレ出場だったりの目標を一個一個達成するためには、自分がゼロ点に抑えて勝ち点1以上は必要だった。枠内に来たら絶対に止めるという気持ちは強く持っていた。あとは、DFの人たちと息を合わせて、コースを絞ってもらって、自分がそこを止めるというようなことができたので、ゼロに抑えることができたと思う。自分自身、3年生までトップチームでの出場がなくて、4回生になって試合出場できるようになった。そこは率直にうれしいし、でるからには最高学年としてチームを引っ張って、勝利に導けるようにという気持ちが強い。(関関戦に向けて)インカレ出場するためには絶対に負けられない試合。勝ち点1ではなくて3必要なので、チーム全体で戦っていく。関学はライバルで順位も上ということで絶対にみんなで一致団結して勝利に向かっていきたい」
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