◇ 令和5年度関西大学対抗リーグ戦男子5戦目◇対立命大◇9月15日◇於・江坂テニスセンター
○D1 堤・岩本組2(6-3,7-6(3))0羽山・三木組
○D2 井戸垣・天野組2(6-4,6-1)0豊島・小川組
○D3 中村・薦田組2(6-0,6-4)0本嶋・藤原組
○S1 岩本2(6-2,6-2)0三木
○S2 井戸垣2(6-0,6-3)0小川
○S3 堀川2(6-0,6-2)0片山
○S4 堤2(6-0,6-1)0森下
○S5 薦田2(6-2,6-3)0本嶋
○S6 大桐2(6-4,6-0)0羽山
[最終結果]○関大9-0立命大
リーグ戦最終日。立命大との戦いは、全員がストレート勝利という結果に終わった。S6では、1年の大桐壮央(人1)がリーグ戦2度目の出場にして、見事初勝利を収める。関大の層の厚さを見せつける対戦となった。
D1の堤隆貴(社2)・岩本晋之介(商2)組の試合が始まった。サーブを得意とするペア。力強いサーブで第1ゲームを先取する。しかし、相手にサーブ権が移ると上手くリターンすることが出来ず、1ゲーム落としてしまう。ゲームカウント2-2まで取って取られての状況が続いたが、ここから堤・岩本組が主導権を握る。相手のミスが目立ち始めたところを見逃さず、ボレーでポイントを獲得し、ブレイク。さらに力強いスマッシュを繰り出しゲームカウント5-2に。リターンミスとダブルフォルトが重なり、相手にまた1ゲーム取られてしまうも、最後は持ち前のサーブで第1セットを奪った。第2セットは相手のサーブから開始。堤・岩本組が追いかける形となる。両者キープする状況が続き、ゲームカウントは6-6となりタイブレークに。堤・岩本組が一気に4ポイント獲得し、流れに乗るが、ミスが出始める。6-4と危ない状況があったが、最後は堤の鋭いボレーで見事7ポイントを先取し、勝利を収めた。
D2に出場したのは、井戸垣一志(人3)・天野響(社3)組だ。相手サーブで試合が開始。関大のアウトミスが続き、第1ゲームは相手がキープする。第2ゲームからは井戸垣のサービスポイントや天野のスマッシュで得点し、3ゲームを連取。関大のペースで試合が進むかと思われたが、ここから相手が調子を上げた。天野の足元を狙ったボレーなどでポイントを奪われ、ゲームカウント4-4まで迫られる。しかし後衛のラリー戦に持ち込むと、関大に軍配が上がった。ゲームカウント6-3で第1セットを取り切り、第2セットへ。このセットでは、井戸垣・天野組がリードを握る展開となった。天野はバック側に来たボールに対して回り込み、クロスコースに打ち込んで得点。また、相手の返球が浅くなると、井戸垣がボレーで仕留めた。隙を見せずに6-1で第2セットを獲得。ストレートで勝利を収めた。
D3の中村秋河主将(商4)・薦田直哉(商1)組の試合は、第1ゲームから薦田がサービスエースを連発。好調な滑り出しで第1セットを先取する。勢いそのままに試合が進むかと思われたが、連日の疲労から中村が体の不調をうったえた。薦田は「自分がやるしかない」。と強気なプレーで中村を鼓舞する。フォアハンドでストレートコースに低い軌道のショットを放ち、ポイントを獲得。それに応えるかのように中村が前衛で本領を発揮した。オープンコートにドロップボレーを決めて得点。また、ワンバウンド後にフェンスを越えるスマッシュでも点を重ねる。ゲームカウント6-4で第2ゲームを終え、ダブルス3勝目を持ち帰った。
S1での出場となった岩本。相手のサーブで始まった試合は、第2ゲームまでは互いにキープを譲らない展開に。しかし第3ゲームでブレイクすると、そのまま3ゲーム連取。7ゲーム目は相手のストレートコースへのバックハンドが決まり、5-2となる。次のゲームでは岩本のサービスエースがさく裂。ゲームカウント6-2で第1セットを先取した。第2セットは、ラリーが続く。だが、相手に左右に振られようと、岩本のボールの威力は落ちない。相手のミスが重なり、岩本にポイントが入り続ける。終えてみると、セットカウントは2-0のストレート勝利。余裕の表情でシングルスを終えた。
S2の井戸垣の試合は、相手のサーブから始まるも、いきなりブレイク。一気に井戸垣の流れとなった。相手のフェイントに対応しサイドに打ち込む。勢いそのままに第1セットを先取した。第2セットも相手のサーブから始まる。両者譲らず、デュースに。5-3で、長い第1ゲームを勝ち取ったのは井戸垣だ。相手のミスを誘う送球で試合の主導権を握る。先に第2セット奪取に王手をかけたのは井戸垣だが、相手の深い位置への送球に対応できず、ゲームカウントは5-3に。流れを相手に持っていかれるわけにはいかない。ラリーが続き、会場も盛り上がりを見せる。そして最後、相手のスマッシュがさく裂するも、ネットを超えることはなく、ゲームカウント6-3で試合終了。勝利をつかんだ。
S3の堀川莞世(文3)は、打ちづらい返球にもしっかり対応し、威力のあるボレーで着々とゲームを奪っていく。最後は相手が山なりに返した返球に豪快なスマッシュを繰り出し、第1セットを6-0で危なげなく先取した。第2セットでは、サーブ権を先に獲得するが、上手く決まらない。ラリーに持ち込まれ、相手に第1ゲームを奪われてしまう。しかし、相手の返球に素早く対応し、4ゲーム連続で奪取。また相手に1ゲーム取り返されるも、正確にボールをコントロールしゲームカウント6-2で見事圧勝した。
終始、自身のペースで試合を進めたS4の堤。鋭いコースのサービスエースを連発し、強く回転のかかったフォアハンドのストロークでも点を決め続ける。ゲームカウント6-0と、相手に1ゲームも与えずに第1セットが終了。相手のサーブで第2セットが始まった。1ゲーム目はボレーをネットにかけてしまい、相手がキープ。しかしここから圧巻のプレーを見せた。相手が堤の強烈なフォアを警戒しているところを逆手に取り、ネット際へドロップショットをお見舞い。さらには、バウンド後にコート外に逃げていくような、クロスコースのストロークで得点する。6ゲームを連取し、セットカウント2-0で試合終了となった。
S5の薦田の試合は、相手サーブで始まった。ラリー中に前へ出ると、鮮やかにボレーを決めて先制。しかしネットミスが重なり、相手が第1ゲームをキープした。薦田がサーブ権を持つ第2ゲーム。奪い返したいところだが、相手のリターンエースも相まってこのゲームを献上してしまう。しかしここから実力を発揮し、状況を打開した。得意なラリー戦に持ち込むと、力強い左右へのストロークで相手を圧倒。コートの隅への送球で相手の体勢を崩し、サイドライン上にボレーを決めることも。6ゲームを連続で獲得し、第2セットへ。このセットでは薦田が前へ出たところを、コート後方に返球されて追いつけない場面も見られた。しかしサービスエースや、クロスコースへのバックハンドで得点を重ねる。ゲームカウント5-3で迎えた第9ゲーム。長いデュースとなるが、相手のネットミスでアドバンテージを握る。最後は薦田のリターンエースで試合を終えた。
S6の大桐は、リーグ戦出場2回目。緊張が募るなか、大桐のサーブから試合が開始したが、ダブルフォルトやアウトが重なり、第1ゲームを取られてしまう。ここから主導権を相手に握られ、苦しい展開が進む。しかし、このままでは終わらない。力強いスマッシュをたたき込み、ネットに近いところでのボレーでポイントを重ね、ゲームカウント3-3で相手に追いつく。そこから大桐の調子も戻り、連続でゲームを奪う。追いつかれそうな状況にもなるが、相手の意表を突くボレーで相手のミスを誘発し、見事第1セットを勝ち取った。途中試合が中断する事態があったものの、大桐のサーブで第2セットが始まった。第1ゲームを先取してから、大桐の猛攻が止まらない。相手を左右に揺さぶり、一気に第2セットを勝ち取る。そして、リーグ戦での初勝利となった。
立命大に完勝した関大。リーグ戦は4勝1敗となったものの、セット率で他大学を上回る。最終成績は1位となり、王座へと駒を進めた。約2週間後には、日本一の大学を決める王座決定戦が始まる。目指すは「優勝」のみ。悲願達成のために、立ちはだかる関東の強豪に挑む。【文/写真:滝口結月、森奈津子】
▼中村主将
「(ダブルスを終えて)ペアの1年生が思い切ったプレーで僕の背中を押してくれたので、楽しくプレーできました。(リーグ戦を通して)昨年と比べてチーム力に磨きをかけることができたと思うし、それが成果として出たのかなと。リーグの中でも1人1人の成長を感じながら試合を進められていたので、すごくいい期間だったかなと思います。(王座出場のためにチームでおこなっていたこと)ずっとリーグ優勝と王座優勝を目標に掲げていて、そこから目を逸らして目標を変えてしまうと達成できないと思ったので、その目標を常に持ちながら練習に取り組むようにしていました。(王座に向けて)王座優勝できるように、またその期間まで全員で一致団結しながら頑張っていきます」
▼薦田
「(ダブルスを終えて)自分はそんなにダブルスがうまくないので、全般的に秋河さん(=中村主将)に頼りきりなダブルスなのですが、今日はセカンドに入ってしんどいということだったので、ここは自分がやるしかないなと思って、なんとか秋河さんの体が壊れる前に勝負が決められたのが良かったのかなと思います。また、ダブルス3-0という結果があって、シングルスもいい流れになったのかなとも思います。(シングルスを終えて)近大戦でどうしても体が保たなくて負けてしまったので、コーチにラリーが長いと言われたので、ショートポイントを増やしつつ、自分の持ち味であるラリーをしながら、うまく試合運びができたのかなと思います。(1年生ながらリーグ戦フル出場ということについて)自分の中でもリーグ戦に出場するというのは目標だったのですが、そこでどうしても1番心配していた体にきたということがありました。これからは最大の試合数に出場しても、体が悲鳴をあげないように体力をつけて、来年は岩本さんや堤さんのようになれるように頑張ります。(王座に向けて)王座では、関大が優勝できるように1勝でも多く、自分は1年なのでしっかり声を出して、やることをやって、関大の勝利に貢献しようと思います」
▼岩本
「(ダブルスを終えて)最初は調子が悪かったのですが、自分たちはサーブがいいのでなんとか切り抜けて、最後はタイブレークでうまく勝つことができて良かったと思います。(シングルスを終えて)相手は立命大の1番強い選手だったので警戒はしていましたが、いつも通りの自分のプレーができたので、勝ちにつなげることができたと思います。(リーグ戦全体を振り返って)僕個人はシングルスが5勝0敗、ダブルスが4勝1敗だったので、この1敗が悔やまれますが、春から比べるとダブルスが良くなっているので、またレベルアップできるように練習していきます。(王座に向けて)慶應大、日大が強いので、関東に勝てるように、自分がまず2勝挙げれるように、あと2週間ほどですがしっかり練習していきます」
▼大桐
「(シングルスを終えて)最初はS6として2回目の出場で緊張していましたが、チームのために貢献しないと、という考えでしっかりラケットを降って勝ちきれたのが良かったと思います。(リーグ戦2度目の出場で気持ちの変化はあったか)チームがダブルス3-0だったので、その分気楽にはいけたのですが、8-1と9-0で全然違うので、そこの重みはありました。けど、1戦目よりは気楽に戦えました。(王座に向けて)絶対優勝します」
▼堤
「(試合を振り返って)ダブルスとシングルスに出させてもらったんですけど、ダブルスはスコアが6-3,7-6で第2セットがちょっと苦しかったです。でも、持ち味のサーブを生かしたプレーでしっかりタイブレークを取りきれてダブルス1勝できたことと、シングルスは、スコア的に6-0、6-1と結構早めに終わらせることができたので、チームにいい影響を与えられて良かったかなと思います。王座もおそらく同じようなオーダーになると思うので、とりあえずダブルス1勝とシングルス1勝の2勝をなんとかチームに貢献できるようにこれから王座まで調整して頑張っていきたいと思います。(王座までの練習内容としては)ダブルスをもう少し強化したいです。サーブは僕と岩本は良いと思うので、しっかりリターンの強化、あと、シングルスは全体的に質を上げていけたら良いかなと思います」
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