◇第36回全国大学選抜選手権大会◇7月2日◇大田区総合体育館
【男子】優勝
【女子】準優勝
【最優秀選手賞】長谷川元望(法3)
【技能賞】岩木美朱(法1)
西日本個人選手権から1週間。万全な体勢とは言えない状況の中で挑んだ選抜大会で、関大男子は13年ぶりに優勝を掴んだ。女子も関学大に勝利し、決勝に進出。立命大相手に健闘するも敗北し、準優勝となった。個人では、大将の長谷川が最優秀賞を受賞、技能賞に岩木が選ばれた。
男子の初戦は立正大。先鋒・内畑谷将(法1)が圧倒的な強さで二本勝ちし、チームに勢いを与える。続く次鋒・後藤琉碧(るきあ=文1)も二本勝ちし、王手をかける。続く中堅・長谷川は、バランスを崩して一本を取られるも面突き日本で取り返し、勝利を確定させる。大将の川内宝(商4)は相手の蹴り技に苦戦し、敗北し、同時に怪我を再発するなど、不穏なスタートを切った。
2戦目は立大と対峙。最初に西日本大会でも先鋒を務めた岡田英努(法2)が登場。わずか10秒で面付きを決め、その後も抑え込み面膝蹴りで二本先取。続く後藤は不戦勝、早くも2勝で中堅・内畑谷に出番が回る。開始1分、鋭い胴突きで一本を奪うと、残り1分で面突きで二本先取し、関大の勝利が確定する。続く長谷川、籠谷郁吹(経4)も勝利し、無敗で3回戦に進出した。
3回戦では昨年の全日本選手権・準決勝で敗北した中大と相まみえる。先鋒・岡田が面膝蹴りと胴突きで敗北し、出鼻を挫かれる。しかし、次鋒・内畑谷はわずか10秒で面突きと胴突きを連発し、圧勝する。中堅、副将とお互いに1勝ずつ取り合い同点で迎えた大将戦。勝利の鍵を握るのは拳法部の「仕事人」長谷川だ。試合開始直後からお互いに面を狙い合う攻撃が続く。序盤、相手に旗があがるという危機的状況を迎えるも不十分の判定で試合が続行。最後は長谷川が面突き一本で勝利し、チームは準々決勝へ。
勝てば、決勝進出というプレッシャーの中対戦したのは大商大。しかし、心配は無用だった。先峰の岡田から大将・長谷川まで負けなしという脅威的な強さで勝ちきり、決勝戦進出を決める。
決勝戦。相手は昨年王者の明大だ。先鋒の岡田は相手のタックルに苦戦を強いられるも、タックルを逆手にとる膝蹴りを駆使するなどし2ー0で勝利、チームに勢いがつく。しかし、この日負けなしの次鋒・内畑谷が格上四段の相手に2ー1で敗北。その後の籠谷も2ー1と惜敗し、関大は窮地に立たされる。試合を振り出しに戻したのは、後藤だ。互いに一本が取れない状況が続く中、両校の声援にも力が入る。拮抗した試合になったが、軍配は後藤にあがった。相手のカウンターを狙った面付きは見事に命中し、後藤が貴重な一本を獲得。大将・長谷川までたすきを繋いだ。この日の大一番となった大将戦。試合開始後、お互いに一歩も譲らない展開がしばらく続く。しかし、「仕事人」長谷川は関大に栄光をもたらす。相手の不意をつく面蹴りで一本を先取。残り1分をなんとか持ち堪え、大将としての仕事を果たす。タイマーがなった瞬間、選手たちは歓喜に包まれた。川内主将は喜びのあまり涙を流した。
一方の女子は、先鋒の土井萌々香(化3)の蹴りが全試合で炸裂した。慶應大との初戦、先鋒・土井は突きと蹴りの連撃で相手を圧倒。中盤に面蹴りを喰らうも積極的な攻撃で1勝を掴み取る。中堅・岩木は西日本大会で優勝した勢いそのままに実力を発揮する。相手から組み技を仕掛けられ、一本を取られるも実力者の岩木はもろともせず面突き二本で勝利。関大の勝利が確定し、準決勝へ進出。
準決勝は強豪・関学大との対決。関関戦では全敗した相手にリベンジを果たすべく、挑んだ。先鋒・土井は慶応戦の勢いそのままに力強い蹴りを繰り出し、格上の相手に善戦を繰り広げる。相手から猛攻を受けるもガードが硬い土井は一本取られたものの勝利し、次に繋げる。岩木は、相手の出方を伺う時間はあったものの圧倒的な強さで二本先取し、関大の勝利が確定。続く丸谷友美(経3)も、相手の大将と拮抗した戦いを繰り広げる。相手から 組み技を仕掛けられ、ピンチを背負うも引き分けで試合終了。関関戦で全敗した相手に負けなしの結果は、選手たちに大きな自信をもたらした。
決勝戦は昨年の全日本優勝校、立命大だ。先鋒・土井は蹴りの猛攻を仕掛けるも実力ある相手は、土井との距離感を調整し、なかなか一本を取らせてくれない。隙をつかれる面突きで二本先取され、中堅戦へ。中堅・岩木は、前拳で相手を牽制しながら、試合を進める。試合が動いたのはラスト30秒。岩木の胴突きが綺麗に命中。試合の行方を丸谷に託した。丸谷は立命大・大川相手に果敢に攻めたものの、足を掛けられ抑え込み面突きをもらう。二本目も、相手の勢いに押され、抑え込み面付きで敗北。関大の準優勝が決まった。
男女ともに表彰台という喜ばしい結果となった選抜大会。次戦は秋の全日、目指すは春秋連覇。拳法部の今後の活躍に期待したい。【文/写真:丸山由雅】
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