◇第95回日本学生氷上選手権大会フィギュア部門2、3日目◇1月6、7日◇於・白鳥王子アイスアリーナ◇
[女子7、8級]
30位 久保舞 72.41
35位 木下 64.45
36位 鈴木な 63.47
[女子6級]
9位 滝野晴 66.71
26位 久保涼 56.84
[男子5、6級]
8位 酒井 66.83
[女子5級]
11位 岩本 48.57
インカレ2日目には、女子7、8級と女子6級の演技が行われた。そして、最終日の3日目には男子5、6級と女子5級の演技が行われ、酒井優真(環都3)が8位入賞を遂げた。
女子7、8級の第2グループに鈴木なつ(人1)が登場した。前半からジャンプに苦戦し、転倒や回転が抜けてしまうなど、ミスが重なった。それでも、回転の速いスピンを決めるとコレオシークエンスでは、穏やかな曲調に合った柔らかいスケーティングに。そして、Y字スパイラルも披露した。後半のジャンプは3つとも回転が抜けてしまったが、終盤にはツイズルやニースライドが印象的なダイナミックなステップを滑った。

同じグループに登場した木下咲良(文1)。冒頭のジャンプは転倒してしまう。しかし、直後にコンビネーションジャンプやダブルアクセルを決める。ジャズからバラードに曲が変わり、コレオシークエンスでは、歌声に合わせて力強い滑りを見せた。そして、終盤はアップテンポな曲に変わると、リンクを広く使い、軽快なステップシークセンスを披露した。そして最後はレベル4のスピンで曲を締めた。

第4グループには、久保舞和(人4)が出場。前半のジャンプは回転が抜けてしまうも、4つ目のジャンプで伸びのあるダブルアクセルを決めた。穏やかな曲調に変わった中盤のコレオシークエンスでは、長くてきれいなスパイラルを披露。最後のステップシークエンスでは緩急のあるステップを丁寧に滑り、曲の世界観を表現した。演技後には笑顔を見せた。

女子6級の滝野晴日(社1)は、最初のダブルアクセルを成功させた。続く3回転トーループは少し回転不足になったものの、直後のダブルアクセルを再び決める。基礎点が高くなる演技後半のジャンプに、コンビネーションジャンプを2本着氷させるなど、大きなミスのない安定した演技を披露。8位入賞とはならなかったものの、初めてのインカレで落ち着いて滑り切った。

この日最後に登場したのは久保涼音(政策4)だ。冒頭の2回転ルッツを美しく着氷させると、乱れはあるものの2回転ジャンプを次々と決めていく。コレオシークエンスでは、身体の柔軟さを生かしたイナバウアーなどを披露した。フライングコンビネーションスピンはレベル3を獲得。「楽しく滑ろう」と昨年を上回る得点で、最後のインカレを締めくくった。

3日間続いたインカレもついに最終日を迎えた。昨年、男子3、4級で優勝した酒井が5、6級に出場。冒頭の3回転トーループを成功させると、流れに乗って順調に滑り出した。演技終盤ではクリムキンイーグルに続き、ハイドロブレーディングを披露して会場を沸かせる。6級の選手が多い中で、見事8位入賞を果たした。

関大勢ラストの演技を飾ったのは岩本理彩(外3)だ。2回転フリップ+2回転ループ+2回転トーループのコンビネーションジャンプに成功。エッジエラーによる減点や転倒があったが、フライングシットスピンでレベル3を獲得する。リンクを大きく使った滑らかなスケーティングを披露。昨年よりも点数を伸ばすなど成長を見せた。

どの選手も観客の前で、堂々たる演技を披露したインカレ。今シーズンは後に国民体育大会(国体)やフリー大会などを控える選手たちもいる。今大会での経験を糧に、レベルアップを図る。【文:松尾有咲・貴道ふみ/写真:貴道ふみ】
▼久保舞
「今シーズンの中で1番準備ができていない大会で不安しかなかったんですけど、最後ということと、この2人(木下と鈴木な)がいてくれたから楽しんで滑れました。(リンクサイドに後輩2人も見守っていましたが、どんな気持ちでリンクに上がりましたか)最後だからリンクサイドに立ちたいと2人が言ってくれていたみたいで、最初から泣きそうで笑。さっきも言った通り不安だったんですけど、2人がいたから安心できました。最初のジャンプは3つともボロボロだったんですけど、その後に(2人と)目が合って頑張ろうとまた切り替えることができたので、ありがたいなと思います。(演技が終わってどんな心境か)感謝です。この1年ずっと3人で試合とか毎試合一緒で、3人で乗り切ってきた喜びというか、絆みたいなのを感じられて涙が出そうになりました。(次の試合は)今月末に国体があります。とりあえず今のところ最後の大会に考えています。(国体に向けて意気込み)公式戦ラストなので、後悔なく、思い残すことがないように練習から追い込んで、100%出し切ったと思えるように頑張りたいなと思います」
▼久保涼
「(最後のインカレだったが)10数年間フィギュアスケートをやってきて、大きい舞台も最後だったので、楽しく滑れたらいいやと思って。楽しく滑れました。(今の気持ちは)終わったんだな。関大に入るまでは、きつい練習とか泣きながらやっていたこともあって、いろいろな世代が混じって苦しかったこともやっぱりあったんですけど、ここ4年間は練習でさえも本当に楽しくて、より一層スケートが好きになった4年間でした。(今日の演技を振り返って)前半は良かったんですけど、後半は崩れてやってしまったなというのと、こんなに大きなところで滑るのも最後なので、最後までやり切って良かったなと思います。(2月の大会に向けて)ジャンプとスピンは捨ててでも、大好きなスケーティング重視で楽しめたらなと思います」
▼酒井
「(昨年は男子3、4級で優勝し、今回は5、6級に出場して)最初は出場選手が6級ばかりだったので、去年よりも簡単にはいかないなと思って、気持ちでもやられている部分もあったんですけど、本番やってみたら意外と滑れて、入賞できたので結構頑張れたかなと思います。(昨年と比べて)緊張感は全然違いますね。気持ちが。楽さが違います。(今の気持ちは)まさか入賞するとは思わなくてびっくりしています。(演技を振り返って)冒頭の3回転トーループがめっちゃきれいに決まって、そこからいい流れに持っていけて、次のアクセルも決まって順調に滑れました。後半はミスしてしまったんですけど、転倒しなかったのでいい方かなと思います。(2月の試合に向けて)フリー大会は5級だけなので、入賞を狙っていきたいです」
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