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◇ 第27回関西学生インドア選手権大会決勝◇12月3・4日◇近畿大学東大阪キャンパス記念会館◇

【予選ラウンド】
[男子]
10位 住谷和輝(シス理2) 573点
31位 舩本将大(経1) 550点
→上位32名が予選突破となるため、2名とも決勝進出

[女子]
22位 波部日葵(政策2) 539点
23位 佐竹稚奈(人2) 537点
24位 松田和瑚(文1) 536点
→上位16名が予選突破となるため、決勝進出者はなし

【決勝ラウンド】
[男子1/16イリミネーションラウンド]
○住谷6―2高久(同大)
●舩本4―6フォスター(近大)

[男子1/8イリミネーションラウンド]
〇住谷6―2鷲津(同大)

[男子1/4イリミネーションラウンド]
〇住谷6―5フォスター(近大)

[男子セミファイナル]
〇住谷7―1藤井(近大)

[男子ゴールドメダルマッチ]
●住谷5―6髙井(同大)
→住谷が準優勝

先週の予選で男子からは住谷、舩本の2名が、女子からは波部、佐竹、松田の3名が決勝進出を決めた今大会。まずは3日、決勝の予選ラウンドに挑んだ。男子は64名中上位32名、女子は32名中上位16名が翌日の決勝ラウンド進出となる予選ラウンド。決勝ラウンド進出を懸け、試合開始となった。

おのおのが落ち着いた様子で弓を引いていき、前半30射終了時点で住谷は291点をたたき出す。男子3位につける好発進となった。舩本は274点で32位。決勝進出ライン圏内に滑り込んだ。一方の女子は、なかなか本調子が出せていない模様。前半終了時点で波部が19位、佐竹が21位、松田が25位と、決勝進出圏内に入る者はおらず。巻き返しを狙い、後半へと移った。

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△住谷
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△舩本

後半になると体力も削られ、住谷はわずかにスコアを落とす展開に。それでも282点という高得点を確実に記録し、予選10位で決勝進出となった。舩本は終始安定した点数を出していく。前半から2点アップし、60射のスコアは274点。前半から1つ順位を上げた31位で、見事決勝進出となった。対する女子は、思うように記録を伸ばせない。波部、佐竹はともにスコアを落とし22位と23位に。松田は8点アップとなったものの24位にとどまり、惜しくも予選突破者は出なかった。

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△波部
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△佐竹
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△松田

迎えた翌日、決勝ラウンド。住谷と舩本の2名が、これに挑んだ。ここでは予選順位に基づきトーナメントが組まれ、1対1の勝ち抜き形式の試合となる。各セット3射ずつ引いていき、高得点だった選手に2ポイントが加算。6ポイントを先取したほうが勝利というルームで行われる。32名を16名に絞る1/16イリミネーションラウンドから、試合開始となった。

住谷は、予選23位の高久(同大)との勝負となった。1セット目、緊張が押し寄せる中見事に30金をたたき出した住谷。相手も29点という好得点を出したが、まずは2ポイント先取に成功した。続く2セット目でも29点と、安定して高得点をたたき出し2ポイントを追加する。しかし3セット目はわずか1点及ばず、相手にポイントを献上した。4―2と、王手をかけた4セット目。ここでも堂々の行射で29点をたたき出し、28点の相手を抑え勝利。各セットハイレベルな対戦の末、住谷が1/8イリミネーションラウンド進出を決めた。

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△住谷

一方、舩本は予選2位の強敵・近大のフォスターとの一戦となる。いきなり30金、29点という強さを見せつけられ4ポイント先取を許すも、ここから舩本が粘りを見せた。第3セットは28点、第4セットでは29点という好得点を連発し、両セットとも27点の相手からポイント奪取に成功する。4―4と同点に並び、勝敗を懸けた最終第5セットに挑んだ。最後まで集中して的を狙うものの、最後は惜しくも26点。28点の相手に一歩及ばず、4―6で敗北を喫した。

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△舩本

続けて行われた、男子1/8イリミネーションラウンド。住谷の相手は、予選順位7位の鷲津(同大)となった。予選順位で見ても、実力の拮抗(きっこう)する相手。予想通り、両者互角の戦いを繰り広げた。1セット目から互いに29点を記録し、1―1の同点に。続く第2セットでも住谷が安定して29点を出し、ここは住谷に軍配が上がる。しかし第3セットで再び両者29点に。1本たりとも気の抜けない勝負を何とかものにし続け、4―2で第4セットを迎えた。プレッシャーのかかる中、緊張を感じさせないシューティングを披露した住谷。ここでも29点の好得点を出し、28点の相手を抑え6―2でこの勝負を制した。

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△住谷

続いて、男子1/4イリミネーションラウンドがスタート。ここでの相手は、初戦で舩本と対戦したフォスター(近大)となった。1セット目を崩してしまい2ポイント先制を許すも、続く2、3セット目は30金を連発する修正力を発揮。4―2と、リードを奪った。第4セットでは29点の好得点を記録するものの、相手が30金を出し同点に並ぶ。緊張の第5セットを迎えたが、ここでもまさかの29点で同点に。得点は5―5となり、5セットで勝敗が決まらなかった場合に行われるシュートオフへともつれ込んだ。シュートオフでは両者1本ずつ引き、得点の高かったほうの勝ちとなる。互いにうち終え、2人が射止めた得点は9点。ここでも同点となり、どちらがより的中央に近いかに勝敗は委ねられた。ジャッジの結果、この接戦を制したのは住谷。予選順位2位の難敵を相手に勝利を果たし、セミファイナル進出を決めた。

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△住谷

約1時間後に行われたセミファイナルでは、藤井(近大)と相まみえた。1セット目は相手の実力も振るわず、28点で先制に成功。2セット目は30金で相手に隙を与えない。ストレート勝ちになるかと思われたが、3セット目は互いに28点で引き分けとなった。5―1で迎えた4セット目。最後まで集中力を切らすことのない正確な行射で、29点を記録した。一方相手は27点となり、住谷の勝利。ついに、ゴールドメダルマッチへ駒を進めた。

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△住谷

男女ブロンズメダルマッチ、女子ゴールドメダルマッチを経て、ついに迎えた男子ゴールドメダルマッチ。同大の強敵・髙井と対峙(たいじ)した。8月の関個決勝でも対戦し、敗北を喫している相手。今度こそ勝利を果たすべく、関西頂点の座を懸けた戦いに臨んだ。ゴールドメダルマッチでは1射20秒の交互うちとなるため、行射中は会場内のすべての目線が集まる。多大なプレッシャーに打ち勝つ、強じんな精神力も求められる。そのような中、先制したのは住谷。1点差で1セット目を先取した。しかし、2セット目では相手が1点差で勝利。3セット目では互いに29点で並び、3―3と同点で勝負を折り返した。4セット目では、住谷が強さを発揮し30金をたたき出す。相手は26点となり、5―3と勝利は目前に迫った。しかし、相手も簡単には勝たせてくれない。5セット目ではわずか1点及ばず相手がポイントを獲得。5―5と試合を振り出しに戻し、シュートオフにもつれ込んだ。

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△試合前の選手紹介
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△住谷

この1本で全てが決まる。そんな状況に、見守る両校の部員の表情にも緊張がにじんだ。先行は髙井。安定感あるフォームから放たれた矢は、確実に的の黄色を捉え9点を記録。そして、後攻の住谷の番となった。慣れない交互うちに戸惑いを見せるも、落ち着きを取り戻し丁寧に弓を引いていく。エイミングがいつもより長くなるが、確実にリリース。だが、矢が捉えた点数は8点。わずかに及ばず、ここでポイントは5―6。決勝の接戦を制したのは髙井となった。

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△見守る部員たち
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△住谷

試合直後は悔しい表情を見せたものの、「まさかこんなに勝ち進めると思っていなかった。とてもうれしく思う」と住谷。年内最後の試合で確かな実力を発揮し、見事に準優勝のタイトルをつかみ取った。インドアのシーズンはまだ続く。予選に出場した選手を含め、今大会での経験は必ず今後に生きるはずだ。インドアを終えると、春にはリーグ戦も控えている。期待のルーキーも多い関大。来年からはどんなチームになっていくのか、これからの関大アーチェリー部からも目が離せない。【文/写真:横関あかり】

▼住谷
「今日は2位になれると思っていなくて。何かタイトルを取りたいなとは思っていたんですけど、まさかこんなに勝ち進めると思っていませんでした。射型的には良くなかった部分もあったりはしたんですけど、結果2位ということで、とてもうれしく思います。(いつもと比べての自身の調子は)いつもと比べると、少し悪かったです。(うつときに考えていたこと)ひたすら10点に入れようと考えていました。あまり狙い込んだらいけないのは分かっていたんですけど、それでもやっぱり入れたいので(笑)。狙い込んだにしては、あたったほうだと思っています。(最後のシュートオフの緊張感は)緊張は実はしてなかったんですよ。緊張してなかったんですけど、最初にブザーが鳴らなくて、あそこで動揺してしまって。あそこで自分の20秒が始まったときにワンテンポ置いてうてていたら、きっともっといい結果になったと思うんですけど、そこで焦ってうってしまったので、自分のメンタルの弱さが出てしまいました。また次に生かしたいと思います。(改善点は)やっぱりメンタル面ですね。でも、最後のシュートオフ以外は、自分はあんまりメンタルが強いほうではないんですけど、それにしてはいつもの練習通りの点数が出たので、そこは自分を評価してあげたいなと思います。(今後へ向けて)まだこれからインドアの全日もインカレも残っているので、そこにしっかりとコンディションを合わせながら練習していきたいと思います」

▼舩本
「昨日の予選が31位通過で、予選2位の人と当たることになったんですけど、絶対に負けられないという気持ちで挑みました。最初は4―0で、そこから4―4までもっていって最後は決め切れずに終わってしまったんですけど、久々のトーナメントで強い人と戦えて楽しかったです。悔しさと、久々にトーナメント戦ができて楽しかったという気持ちです。(トーナメントの緊張感は)本当に久々だったので、緊張感よりはわくわくした感じでした。そこまで緊張感はなかったです。(試合で見つかった改善点は)とにかく試合できちんとあてられるように頑張るというところです。技術面とかではなくて、気持ちで負けている部分があるかなと思ったので、次からの試合は強気で、絶対勝つぞというイメージで頑張っていきたいです。(今後へ向けて)絶対勝ちます」

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