◇第98回関西学生後期リーグ第5節◇対桃山大◇ 10月11日◇
【前半】関大2―1桃山大
【後半】関大0―0桃山大
【試合終了】関大2―1桃山大
※無観客試合
開幕勝利から一転、大院大、びわこ大に土をつけられ、リーグ戦の雲行きが怪しくなっていた関大。しかし、そんな不安を吹き飛ばすFW沼田駿也(政策3)の2ゴールで、3戦ぶりの勝ち点3をつかみ取った。
今節は、スターティングメンバーに7人の4年生が選出された。今リーグでは最多。これ以上負けられない中で、練習から最上級生たちが積極的にチームを引っ張った結果だ。DF小山新主将(商4)の「4回生が多く出ていたのでその分勢いを持って入れる」との言葉通り、序盤からMF松井修二(人4)や、DF坂口貴哉(人4)が敵陣にボールを運び好機を演出。リーグ初スタメンのFW2人も強気に攻め込んだ。FW沼田は果敢にシュートを打ち込み、相手を威圧。FW矢野龍斗(法4)は体を張ったプレーでボールをキープし、チャンスを作った。
そのまま関大が押し込む時間が続くと28分、中央のFW矢野が左サイドにスルーパスを送りFW沼田が冷静にゴールに収める。FW沼田は2試合連続で点を獲得した。その後もペースを相手に渡すことなく、積極的にゴール前にボールを送り込む。すると先制ゴールからわずか1分、MF青木真生都(商3)がシュートを放ち、そのこぼれ球をFW沼田がゴールに収めた。「自分のゴールで勝てたらいいなって思っていた」。攻め続けた姿勢が結果になって表れた。関大が今リーグで1試合に2得点以上挙げたのは今試合が初。チームはさらに勢いに乗った。
相手のカウンターにもDF長井一真(社4)の堅実な守備が対応。DF坂口、DF小山と共に4年生が中心となって、鉄壁を作った。DF松尾勇佑(文2)は縦に大きく動き、うしろから攻撃に加担する。MF奥野圭亮(法4)はプレーでも声でもチームを鼓舞し続けた。このまま前半を終えたかった。しかし、前半終了間際、相手に立て続けにコーナーキックを与え、クリアできないままにゴール前で痛恨のファールを取られてしまう。PKに持ち込まれ失点を喫した。
近大戦、大院大戦では前半のいい流れを持ち込めず、後半に崩れる傾向があった関大。今節もそうなる可能性はあった。しかし、4年生を中心に声を掛け合い、後半も堅いディフェンスを続けた。途中、DF長井が足をつり交代するも、「長井が抜けた時により集中力を保ってやってくれた 」と前田雅文監督。更なる追加点は許さず、リードを守り切った。
3戦ぶりの勝利を収めた関大。DF小山主将は「 しんどい展開だったが相手にのまれることなく常にカウンターを狙いながら、後ろが体を張って、声を掛け合いながらできたところは一つ成長できた部分 」と自分たちを称えた。優勝に向け負けられない戦いは続く。ここからさらに勝ち点を積み重ねていく。【文/写真:勝部真穂】
▼前田監督
「立ち上がりから準備していたものと選手の対応力で前半をかなり優位に進められて、それが結果にもつながって良かった。ひとつのPKから流れが悪くなってしまったが、そのPKの手前のところで少し相手の選手に自由にプレーをさせてしまうところがあった。それが結果的にPKと言う形に。PKになった直接的なプレーはPKかPKじゃないかギリギリのところだったので、そこは仕方ないが、そこまで持っていかれたというところには自分たちの責任というものがあるような気もする。(FW沼田は)得点に関しては関大で一番積極的な姿勢が見えるので、出た時に毎回チャンスを作っている。その精度がめちゃくちゃ高いわけではないが、チャンスを作る回数は、その積極性に裏付けされたものなのかなと。それで今日は2点入った。3点目もチャンスあったと思う。3点取れる選手だと思う。(FW沼田はリーグ初スタメンだったが)前節までは出られない状態だったが、戻ってきてくれた。基本的には今年コロナの時以外はスタメンでやってくれていたので。(後半無失点で抑えられた点について)特にDF小山とか、DF坂口っていうのはいつも以上にパフォーマンスが良かったと思うし、DF長井は元から実力のある子なので、いつも通りのプレーをやってくれた。その中で長井が抜けた時により集中力を保ってやってくれたので、後半相手にあまりシュートを打たさなかった。(次戦に向けて)コロナの影響でコンディションがバラバラ、どのチームも整っていない。仕方ないとは思うが、その中で1週間のトレーニング期間があるので、そこでコンディションを上げて、少しずつ、毎週毎週良くなるようにして、一つ一つゲームを勝っていって、その先にインカレとか、優勝があると思う。一戦一戦頑張ってやっていきたい」
▼DF小山主将
「2連敗していて結構自分たちも追い込まれている状況だったので、今日は何としてでも勝ちたいというところで、前回のメンバーから何人かスタメンが変わって、4回生が多く出ていたのでその分勢いを持って入れるかなと思った。前半の立ち上がりとか特に押し込むかとができて、その中で2点取った。ただ、そのあとの前半のラスト15分くらいの戦い方っていうのは、気持ち的に余裕が出てしまって、それが油断につながったのかなと。そういうところで隙が生まれて失点をしてしまった。改善しないといけないところ。後半は押し込まれる展開の中でベンチ含め全員で声掛けながら耐えることが出来たので良かった。(4年生が多かったが)今まで積み重ねてきて、メンバーに入れない時期があった選手もいたが、それでも前を向きながらチームのためにやってきた結果が、こうやって試合に出たり、サブと紅白戦したときに活躍した選手が多かった。前節までは4回生が少なかった中で、自分がやらなきゃという思いがあったが、MF奥野とかMF松井、副将やっている選手が今日スタメンできたので、そういう選手たちと今日は一緒にチームを引っ張ることができた。チームとして勢いが出たので良かったんじゃないかと。(2得点について)FW沼田は練習から常に得点狙って、こわいFWっていうところを本人は意識していると思う。そういうのが今回結果につながった。その中でFW矢野が献身的に前で体張ったりだとか、松井やMF青木がいいスプリントをかけながら、うしろボランチ含めて動き出しを逃さないようにっていうところは、練習の中から意識してやってきたこと。それが結果につながったのは良かった。(守備について)近大戦も大院大も、後半押し込まれたり、相手にのまれるっていう展開が多かった。後半の戦い方が一つの課題だった中で、しんどい展開だったが相手にのまれることなく常にカウンターを狙いながら、後ろが体を張って、声を掛け合いながらできたところは一つ成長できた部分。(次戦に向けて)次も僕たちが追い込まれている状況には変わりがないので、相手がどこであろうと自分たちらしいサッカーをして勝ち点3を求めて。TOPは結果が求められるカテゴリだと思うので、誰よりも結果にコミットして、次も絶対にに勝ちたい」
▼FW沼田
「先制点取ろうってチームで言っていたので、それが達成できて、FWとして良かった。2連敗していたので、自分のゴールで勝てたらいいなって思っていた。途中交代でも、スタメンで出ても、FWとしてゴールが必要だと思うので、そういうところをスタメンで出れた時も心掛けていた。(得点シーンを振り返って)1点目は矢野くんのスルーパスでいいボールがきたので、落ち着いてシュートできた。2点目に関しては、常にこぼれ球とかを狙っていたので、それがつながって良かった。2点取った後もチャンスはあったので、それで3点目を取れないというのも、課題。3点目取れていたらもっとチームとして楽な試合運びができたと思うので、そういうところは改善していきたい。もう負けられない、後がないとチームで言っていたので、苦しい試合展開だったが、そこをディフェンスライン中心にチームで守って勝てたので良かった。(次戦への意気込み)勝ち続けないといけない。こういう状況の中、公式戦迎えられていることに感謝して、チーム全員で勝ちたい」
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